エアコンフィルターの清掃はこまめにできていますか。
最後に掃除したのはいつか思い出せないなら気を付けた方が良いかも。
エアコンの中でもフィルターは最も汚れる箇所なので、定期的に手入れをしないと大変なことになります。
エアコンフィルターの掃除は自分でもできますが、誤った方法で清掃すると、人命に関わる事故につながる恐れも。
この記事では、メーカー別にエアコンフィルターの外し方と手入れの方法をわかりやすく紹介します。
Contents
エアコンフィルター清掃の注意点
エアコンは身近な電化製品ですが、電力消費が大きいため、しっかりと知識を持たずに作業することはエアコンの故障や事故を招く恐れがあります。
もし不安があれば、専門の業者に依頼してみるのもよいでしょう。
エアコン内部を清掃する際は特に以下の3点に注意して行います。
- 電源を切り、コンセントを抜いてから作業する
- 電気部品に洗剤や水を直接かけない
- 消毒用アルコールのような可燃性、もしくは次亜塩素酸ナトリウムのように腐食性のある溶液を洗剤代わりに使わない
誤った作業をすると発火や破損だけでなく、火災事故を引き起こす恐れもありますので、十分注意して作業することが大切です。
エアコンフィルターを清掃しないとどうなるか
エアコンの仕組み
エアコンは3つの工程で室温の調整をします。
- 部屋の空気を吸い込む
- 吸い込んだ空気の温度を調整する
- 適温になった空気を吐き出す
こうして室内が快適な温度になるのですが、部屋の空気を吸い込む分、その場所に汚れが溜まりやすいです。
エアコンフィルターを清掃しないデメリット
健康を害する
エアコンが吸い込む室内の空気にはハウスダスト(ほこりやチリ)が充満しています。
ハウスダストに含まれる代表的なものといえば、土・砂、綿ぼこり、繊維くず、人の毛髪・フケ、食べかす、ペットの抜け毛、花粉、昆虫の死骸やフン、カビ、細菌、ダニの死骸やフン、タバコの煙や排気ガスなど、目には見えるものから見えないものまで、様々な物質が含まれています。
神奈川県衛生研究所の平成17年の研究結果によれば、ハウスダストを栄養源にしてダニが発生し、それらがアレルギーを引き起こす可能性も示されています。
参考:神奈川県衛生研究所
エアコンフィルターは、これらの汚れを吸い込んでフィルターに蓄積しています。
エアコンフィルターを定期的に清掃しなければ、汚れはどんどん溜まる一方です。
溜まった汚れをエサに、カビや雑菌が繁殖し、そこから出た風が室内に放出されることになるので、不衛生で健康を害してしまう可能性が高いと言えるでしょう。
お掃除機能付きではお掃除不十分
「我が家のエアコンにはお掃除機能がついているから、わざわざ自分でエアコンフィルターを取り外して清掃する必要はないのではないか」と思われる方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、エアコンのお掃除機能にはいくつかの種類があり、ホコリを溜めるタイプのエアコンもあります。
このタイプの場合、エアコン内部に空気中のハウスダストが蓄積されていきますから、定期的に清掃する必要があります。
また、キッチンに近いところで使用しているエアコンは、調理に伴って発生した油分の汚れを一緒に吸引しています。
油汚れを落とすのは簡単ではありません。
その為、キッチン近くのエアコンに関しては、お掃除機能がついていたとしても、定期的な手入れが必要です。
エアコンフィルターを取り外して手入れする手順
用意するもの
- 脚立
- 掃除機
- 新聞紙
- タオル
- エアコンフィルター清掃専用のクリーナーもしくは中性洗剤
- 中性洗剤を薄める水とバケツ
- (中性洗剤を使う場合は)ブラシや綿棒
- 重曹
- マスク
- 取扱説明書
エアコンフィルター専用のクリーナーはホームセンターやネットショップで購入できます。
中性洗剤でも洗浄できますが、つけ置きした後、ブラシで汚れを取り除くため、少し手間がかかります。
また、キッチンに近いところに設置されたエアコンフィルターを清掃するときは、油汚れを落とすために重曹を用意すると便利です。
エアコンフィルターの外し方・手入れ方法
準備を整える
エアコンフィルターを外す前に、タオルでエアコンの外側を乾いたタオルで拭きあげます。
この一手間で、フィルターを取り外す時にホコリが舞い上がるのを軽減することができます。
メーカー別、エアコンフィルターの外し方
エアコンフィルターの外し方を、メーカー別に紹介します。
同じメーカーでも機種によって操作が異なる場合があるので、作業前に必ず取扱説明書で確認するようにしましょう。
ダイキン
(V型(2019年)RX/AXシリーズ、R型(2014年)RX/AXシリーズ)
- 前面のカバーを外す。
- ダストボックス上部を手前に倒し、左右均等に力をかけながら上部に引き抜く。
- 補助ダストボックスを、左右にある黄色いストッパーを押しながら取り外す。
- エアコンフィルターの中央を持ち、下方向に引き抜いて取り外す。
参考:ダイキン
日立
(2020年度発売のXシリーズ(RAS-X40K2))
- 前面のカバーの左右の凸部分に指をかけて片方ずつ手前に弾きながらしっかり上まで起こす。
- カバーの左側にあるアームを、外側に押しながら手前に引いて軸を外すようにしながら左側のアームを本体から外す。
右側も同様に行い、両手でカバーを本体から取り外す。
- 全面についているエアコンフィルターのロックレバー(三箇所)を右側にスライドさせる。
- エアコンフィルターの上部を持ち、上から引き抜くように取り外す。
- エアコン上部についているロックレバーを奥から手前に倒してロックを解除する。
- 上面のフィルターを、奥から手前に引き出すように取り外す。
参考:日立
三菱電機
(MSZ-BXV228-W(ピュアホワイト)MSZ-BXV258・BXV288-W(ピュアホワイト)
MSZ-BXV368・BXV408S-W(ピュアアホワイト)MSZ-BXV508S-W(ピュアホワイト))
- カバーの左右にあるつまみに指をかけて開ける。
- 水平までカバーを持ち上げ、奥側を持ち、手前に引いて外す。
- ダストボックスのストッパーに表記された①②の順番通りにストッパーを押す。
- ダストボックスを手前に引いて外す。
- エアコンフィルターをつかんで少し持ち上げ、手前に引き出す。
参考:三菱電機
富士通
(AS-S22B-W)
- 前面のカバーの左右に指を引っ掛け、引っ掛かりのあるところまで持ち上げるように開ける。
- ダストボックスの黄色いストッパーのボタン、二箇所を同時に押す。
- ダストボックスの中央を持って、上の方向に回転させる。
- ダストボックスとエアコンフィルターを一緒に、下方向に引き下げて取り外す。
参考:富士通
東芝
(RAS-221BRS(W) RAS-251BRS(W) RAS-281BRS(W) RAS-402BRS(W))
- 前面カバーの左右側面下側にある取っ手を手前に引き、カクッと止まる位置まで引き上げる。
- 左のアームを外側に押しながら手前に引いて取り外す。
- 右側も同様に行い、カバーを外す。
- 前のエアコンフィルターの左右上部を持ち、手前に引いてから上部に持ち上げるようにして取り外す。
- 上のエアコンフィルターの左右を持ち、上に軽く持ち上げるようにして取る。
参考:東芝
エアコンフィルターの清掃の仕方
- 新聞紙の上に、フィルターの表面を上にする向きで置きます。
- 掃除機を使って、エアコンフィルターの目に詰まった汚れを吸い取ります。
注:必ず表面から行ってください。裏面から行うと、かえって汚れが目に詰まります。 - エアコンフィルターの清掃専用クリーナーを使う場合は、フィルターの表面にスプレーし、一定時間放置した後、フィルターの表面からシャワーを当てて流します。
中性洗剤を使う場合は、フィルターの表側にシャワーを当てて汚れを洗い流した後、薄めた中性洗剤入りのバケツにしばらく浸し、ブラシで汚れを取り除いてから、再び表面にシャワーを当てて洗い流します。
注:ブラシは必ず表面の目地に沿って当てます。 - エアコンフィルターの水気拭き取ります。
この時、タオルで表側と裏側を挟むように持ち、そっと押し当ててタオルに水を吸わせます。
注:強い力をかけたりエアコンフィルターを擦ると破損の原因になるので慎重に行います。 - しっかり乾燥するまで放置します。
注:十分乾いていない状態でエアコンに設置すると、カビの発生や故障の原因になりますので、しっかり乾燥したことを確認したからエアコンに設置します。 - 完全に乾いたフィルターの向きを確かめながらエアコンに設置し、カバーを閉めます。
- 8:30〜1時間送風運転にしてさらに乾燥させる。
エアコンフィルターはどのくらいの頻度で清掃するのか
経済産業省では環境負荷を配慮し、エアコンフィルターは月1〜2回の清掃を推奨しています。
エアコンフィルターを清掃すると冷房時は約4%、暖房時には約6%の消費電力の削減され、さらにエアコンフィルターが目詰まりしている場合とフィルター清掃をした場合の比較では、年間31.95kWhの節電ができるとされます。
これは電気代に換算すると、約860円の節約です。
メーカーも同様に2週間に1回のエアコンフィルター清掃を推奨しています。
衛生面、また省エネの観点からも、エアコンフィルターは月に1〜2回は清掃すると良いでしょう。
まとめ
エアコンフィルターは、メーカーによって取り外し方が異なります。
作業自体はさほど難易度の高いものではありませんが、操作を誤って部品を破損する恐れもあります。
また、フィルターの乾燥が不十分な場合、かえってカビの発生を促す結果にもなり兼ねません。
月に1〜2回のDIYによるエアコンフィルター清掃と合わせて、定期的にプロの力を借りると衛生的かつ経済的に、安心してエアコンを使用できるのではないでしょうか。