照明器具のLED化が進む中で、まだ蛍光灯を使用していてLEDへ交換したいと考えている方は多いのではないでしょうか?
結論を先にお伝えるすると、蛍光灯からLED照明への交換は、照明器具や取り付ける環境などケースごとに難易度が異なります。
そこで、今回の記事では既存の蛍光灯からLED照明へ交換するケースを大きく3つに分けて解説します。
【ケース別】既存の蛍光灯からLED照明に交換する手順
まずはケース別に蛍光灯からLED照明へ交換する手順を解説します。
多くの家庭の照明器具は、業者を呼ばなくても自分で交換することができるので、参考にしながら実践してみてください。
【ケース1】シーリングタイプの蛍光灯をLEDに交換する
シーリングは、多くのケースで使用される照明器具のタイプであり、最近では一般家庭の主流となっています。
見た目は天井に直接取り付けられているように見えますが、引掛けシーリングという配線器具を通して設置しているので、簡単に取り外しや取り付けが可能です。
また、シーリングタイプのカバーは円型が多いですが、デザインを重視した商品もあるので、様々な形が存在します。
そして、ここで紹介するケースは、蛍光灯とLEDがともにシーリングタイプであることを想定して解説いたします。
1.カバーを外し中の蛍光灯を取り除く
まずは、既存のシーリングのカバーを外します。
多くの場合は、カバーを掴んで回転させれば簡単に外れますが、外す方法がカバーに印字されておりますので、チェックしてから外すようにしましょう。
注意点として、シーリングのカバーは衝撃に弱く壊れやすいので、下に置くときはそっと置きましょう。
取り付け時にカバーを壊すと、ユーザー側の過失となり、メーカー保証の適用範囲外となるので注意してください。
そして、カバーを外したら中に入っているリング型の蛍光灯を外しましょう。
蛍光灯の種類は照明器具によって異なりますが、異なるリング型の照明が2〜3本ほど入っていることが多く、引っ掛け金具で固定されているので簡単に外すことができます。
2.器具と電源部分を繋ぐコネクタを外す
照明器具の真ん中あたりをみてみると、引掛シーリングに刺さった電源部分(円形)と照明本体をつなぐ白いコネクタが見えます。
コネクタの先端部分に爪のような出っ張りがあるので、出っ張りを押しながら外すと簡単に取り外しが可能です。
3.器具を取ってから電源部品を外す
コネクタを外したら本体部分を取り外します。
取り外しの方法はまず、電源部分中央に左右に分かれたレバーがあり、左右両方のレバーを押しながら本体を引っ張ると外すことができます。
このとき、本体を押さえずにレバーだけ押すと、本体が落下してくる恐れがあるので注意してください。
本体が外れたら電源部分を引掛シーリングから取り外しますが、先ほどのレバーをおさえながら左に回転させれば簡単に外すことができます。
基本的には、電源部分にシールで取り外し方が記載されているので、記載内容を読みながら進めていくと良いでしょう。
4.LED用の電源部品を取り付ける
電源部分を取り外すことができたら、天井には引掛シーリングのみが残っているはずなので、新しいLED照明器具を取り付けます。
基本的には取り外しの工程と逆のことをすれば良いので、まずは電源部分を引掛シーリングに装着します。
引掛シーリングの爪の穴に合わせて回転させるだけなので、簡単に取り付けが可能であり、カチッという音が鳴ればOKです。
5.LED器具をとりつけ引っ掛けシーリングにコネクタを繋ぐ
LED照明器具の中央に空いている穴に電源部品を合わせて押し込めば簡単に取り付けができます。
このときも、カチッという音が鳴ることを確認しましょう。
その後は、電源部品と本体をコネクタで繋げば、照明が点灯します。
6.カバーをつける
照明の点灯が確認できたら、最後にカバーを装着します。
円型であれば爪の部分に引っ掛けて回すだけなので簡単ですが、デザイン照明など一部取り付けが特殊な場合もあるので、説明書をよく読んでから取り付けするようにしましょう。
【ケース2】白熱球や蛍光灯型の電球をLEDに交換する
次に、既存の白熱球や蛍光灯型電球をLED電球に交換する手順を紹介します。
電球交換の場合は取り付け方より選び方に注意する必要があるので、購入前にしっかりと確認しましょう。
1.既存の電球の照度を確認する
白熱球や蛍光灯はワット(W)で明るさが表示されていますが、LEDの場合はルーメン(lm)で表記されています。
Wとlmの互換性は以下のようになります。
ワット(w) | ルーメン(lm) |
---|---|
20ワット | 約170ルーメン |
30ワット | 約325ルーメン |
40ワット | 約485ルーメン |
50ワット | 約640ルーメン |
60ワット | 約810ルーメン |
80ワット | 約1160ルーメン |
100ワット | 約1520ルーメン |
※一般電球タイプの場合
基本的にLED電球の外箱には「◯◯ワット相当」と記載されているので、ルーメンがよくわからない場合は外箱の表記を参考にしてみると良いでしょう。
2.口金のサイズを確認する
電球を選ぶ時に一番気をつけたいのが口金サイズです。
口金とは、電球をソケットに取り付けるネジ山部分の径を指し、口金のサイズがぴったり合わないと電球を取り付けができなくなります。
一般家庭では、「E26」や「E17」のタイプが多いですが、ダウンライトなど特殊な場所につける場合は異なる口金を使用してる可能性があるので、必ず電球を取り外してからサイズを確認するようにしましょう。
3.好みの色や配光にあわせてLED電球を選ぶ
電球を選ぶ際は、使用する場所におうじて好みの色を選びましょう。
色の種類と選ぶ際の目安は以下の通りです。
色の種類 | 昼光色 | 昼白色 | 電球色 |
---|---|---|---|
色の特徴 | 青みがかった白色 | 太陽光に似た白色 | 温かみのあるオレンジ色 |
おすすめシーン | 勉強や作業をするスペースなど | 日常生活のいろんなシーン | リラックスしたい時 |
また、電球を選ぶ際には色だけではなく、配光(光の広がり方)もチェックしましょう。
配光の種類と選ぶ際の目安は以下の通りです。
配光の種類 | 全般配光 | 準全般配光 | 集光タイプ |
---|---|---|---|
特徴 | 全方向に光が広がる | 下に向かってやや広がりながら光がる | 直下に向かって光を照らす |
用途 | 全体をしっかりと照らしたい場合 | スポットライトなど | ダウンライトなどに使用 |
【ケース3】直付け型の蛍光灯をLEDに交換する
最後に、直付け型の蛍光灯をLEDに交換する手順を解説します。
まず、直付け型の蛍光灯とは、オフィスなどでよくみる細長い直菅型のタイプを指します。
一般家庭ではあまり見かけないタイプですが、直付け型もLEDタイプが販売されているので、LED化は可能です。
しかし、シーリングタイプや電球型と異なり、交換の難易度が高くなるデメリットがあります。
また、直付け型の中にもいくつか種類があるので、順番に解説していきます。
基本は電気業者に依頼
直付け型の蛍光灯は、天井から出ている配線を直接照明器具に繋ぎ合わせる作業が必要なので、電気工事士の資格を持った者が工事を行う必要があります。
なので、直付け型の蛍光灯をLEDにするには電気業者に依頼することが前提となることをあらかじめおさえておいてください。
①グロースタータ型
グロースタータ型は、FL・FCLから始まる型番の蛍光灯であり、グローランプという電気を点灯させるための部品が必要なタイプです。
グロースタータ型については工事が不要で、LEDの直菅を購入すれば簡単に交換することができます。
ただし、グロースタータ型の器具は昔から使われてきたタイプなので、器具自体の寿命が近づいている場合もあります。
そのような場合はランプだけを交換するのではなく、器具自体の交換を視野に入れるようにしましょう。
②ラピットスタート型
ラピットスタート型は、FLRから始まる型番の蛍光灯であり、グローランプなしで明かりがつくタイプの蛍光灯です。
ラピットスタート型の蛍光灯をLEDにするには、器具に取り付けられている安定期を切り離し、両端のソケット部分に100ボルトの電流を流す電気工事が必要となります。
また、工事の過程でLEDに切り替えて点灯するかを確認するテスト環境も自分で作る必要があるので、できるだけ業者に依頼するようにしましょう。
※電気工事士の資格がないと工事を行うことはできません。
③インバータ型
インバータ型はFHFから始まる型番の蛍光灯であり、スリム形と呼ばれています。
ラピットスタート型と同様、電気工事が必要になりますので、交換する際は業者に依頼するようにしましょう。
交換する際の注意点
ここでは、LEDに交換する際の注意点を解説します。
照明の交換は油断すると大きな事故に繋がる可能性もあるので、事前に確認しておきましょう。
ブレーカーは落としておく
感電の危険性が0ではないので、特にシーリングタイプの交換をするときにはブレーカーを落としておきましょう。
ブレーカーを落とすのが手間であれば、最低限部屋の電源スイッチはOFFにしてから交換するようにしてください。
できるだけ2人以上で実施する
照明を交換するときは高所作業になるので、ひとりが交換する役、もう一人が脚立を支える役などにまわり、できるだけ2人以上で行いましょう。
また、素人の方が交換を行う場合は、脚立の足場が広いタイプの方が楽に交換できるでしょう。
引っ掛けシーリングの種類を確認する
引掛けシーリングの種類によっては、取り付けられない照明も存在します。
万が一ということもあるので、照明を購入する前に引掛けシーリングのタイプを確認し、検討している照明がちゃんと取り付けられるか確認しておきましょう。
お風呂場など取り付け場所によっては故障の原因につながる
お風呂場など特殊な場所に取り付けようとする場合、知識の無い素人が誤った工事を行うと、照明器具の故障に繋がる場合もあります。
特に、お風呂場は湿度も高く、電気を扱うには危険な場所なので、電気工事業者に工事を依頼しましょう。
迷ったら電気工事業者に相談する
ここまで自身で交換する方法を紹介してきましたが、簡単にできそうもないなと感じたらできるだけ電気工事業者に相談するようにしましょう。
照明の交換工事は場合によっては命の危険にもつながるので、交換が難しそうだと思ったらお金をかけてでも業者に委託するのが良いでしょう。
まとめ
- 蛍光灯からLEDにする際は簡単にできる場合と電気工事が必要な場合がある
- LEDに交換する前に、明るさや配光を確認しておきましょう
- 迷ったら無理はせずに電気工事業者に取り付けを依頼するのがおすすめ
LEDは寿命が長く、正しく取り付けることができれば重宝する照明器具です。
一方で、誤った取り付け方をすると器具が故障したりケガをしたりするケースもあるので、正しい方法を理解し、必要に応じて業者に工事を依頼するスタンスをとりましょう。