器具にもよりますが、照明器具の取り付けをする場合は工事が必要となり、業者を呼ぶと工事費用が発生する場合があります。
照明を購入する際に本体だけで予算を組んでいると、工事が別途必要となるケースも多く存在するので注意が必要です。
そこで、今回の記事ではパターン別に照明器具の取り付け工事について紹介し、それぞれの工事費用の相場を解説します。
パターンによっては自分でも簡単に取り付けられるので、まずは全体像を理解し、自分の環境に照らし合わせて検討してみると良いでしょう。
Contents
【パターン別】照明器具の取り付け工事費用相場
まずはパターン別の工事費用の相場を紹介します。
引掛シーリングを新たに付ける場合
まず、引掛シーリングとは、一般的な家庭でよく使われている照明器具を取り付けるための配線器具のことを指します。
引掛シーリングのおかげで、天井の見た目もすっきりし、なにより簡単に取り付けることができます。
なお、一般的に引掛シーリングは以下の5種類が使われています。
- 角型引掛シーリング
- 丸型引掛シーリング
- 丸型フル引掛シーリング
- フル引掛シーリング
- 引掛埋め込み型シーリング
基本的にはどの型でも使用できますが、照明器具によってはシーリングの種類が限定されている場合があるので、購入前には必ず確認しましょう。
そして、引掛シーリングの新規取り付けは、配線に触れる工事が必要なため、電気工事士の資格を持っている人でなければ実施することができません。
なので、一般的な家庭で新規取り付けを行う場合は業者に依頼することが前提となります。
引掛シーリングの新規取り付け工事の費用相場は、部材費込みで約5,500~10,000円ほどなので、本体代金と同じくらいの費用が発生します。
また、取り付ける場所が高所など、工事条件が特殊になると別途追加費用が発生する場合もあるので、工事前に概算費用を確認しておくと良いでしょう。
引掛シーリングがすでについている場合
最近は引掛シーリングがついていることが多く、新しく建築される家にはほぼ引掛シーリングがついています。
引掛シーリングがついていれば電源器具を引掛シーリングに取り付けて、コネクタで本体に繋ぐだけなので、脚立さえあれば簡単に取り付けることが可能です。
しかし、ご年配の方や足の不自由な方など、脚立に登ることが難しい場合は、照明を配送する業者に依頼したり、近所の電気業者に依頼するのも一つの手段でしょう。
引掛シーリングがすでについている場合の取り付け費用の相場は、約1,000~2,000円程度なので、転落の危険性などを考えれば依頼したほうが無難と言えます。
直付け器具を取り付ける場合
直付け器具とは、事務所や店舗などで見かける細長い蛍光灯を使用した照明器具を指します。
一般家庭では少ないですが、引掛シーリングと異なり、交換する場合には直接配線を繋ぎ直すので、電気工事士による工事が必要となります。
直付け器具の場合は、取り付けるのに約8,000~15,000円ほどの費用が発生し、器具を支えながらの工事になるので費用が高くなる傾向があります。
なので、一般家庭で現在直付け照明器具を使用している場合は、将来のことを考えて引掛シーリングに切り替える工事をおすすめします。
その他特殊な照明の工事
上記で解説した以外にも、照明の種類はたくさんあります。
ここでは、少し特殊な照明器具について、その種類と取り付け費用の相場について解説します。
壁付け照明
壁付け照明は、玄関先など主に外壁に取り付けられる照明を指します。
配線の付け替えが伴うので基本的に業者に依頼する工事で、費用は約7,000~10,000円ほど発生します。
電気工事だけでなく、器具を固定するビス打ちなどの工事も必要となるのが特徴です。
天井埋め込み型の照明
引掛シーリングのように設置面が天井から見て外側にあるのではなく、天井に埋め込まれて設置されているタイプとなります。
ダウンライトなどが天井埋め込み型の一種です。
天井埋め込み型は、約7,000~10,000円ほど費用が発生します。
スポット的に照明を当てたり、全体的に明かりを広げるのに適しています。
ペンダントライト
ペンダントライトはダイニングやキッチンなどによく使われている照明で、おしゃれな空間を演出するのに適しています。
引掛シーリングから電源を取っている場合が多く、最近のペンダントライトには簡単に取り付けできるタイプも多いです。
ただ、中には天井に直接配線するタイプもあるので、その場合は業者に工事を依頼しましょう。
費用は約7,000~10,000円ほど発生しますが、3連タイプなどは落下防止の補強工事が必要な場合もあるので、取り付ける商品が決まったら一度業者に相談してみましょう。
流し灯
キッチンや洗面台など水周りの照明器具を交換する場合は、約5,000~7,000円ほどの費用が発生します。
金額が比較的安いので、自分でやろうとする方も多いですが、絶縁処理などの正しい知識を持っていないと水周りは感電の危険性があるので絶対に避けましょう。
また、照明器具が古くなると漏電の危険性も考えられます。
照明器具の寿命は約10年なので、万が一のことを想定してなるべく早めに交換を検討することをおすすめします。
シーリングファン
シーリングファンは照明器具にプロペラがついているタイプです。
照明機能の他にも、プロペラの回転により室内の冷暖房効率上昇の効果が期待できます。
シーリングファンは物が大きい上に構造が複雑なので、業者に依頼すると工事費が約15,000〜25,000円ほど発生する場合があります。
また、天井に取り付ける前のシーリングファン自体の組み立て費用を請求する業者もあるので、検討する際はある程度取り付け工事費用が発生することを認識しましょう。
シャンデリア
シャンデリアもシーリングファンと同様、構造が複雑な照明器具です。
装飾品が多く重量があるため、シャンデリアの取り付け工事費用は約15,000〜25,000円ほど発生する場合があります。
また、シャンデリアは天井に取り付けるま前に組み立てが必要となるケースが多いので、その場合は組み立て費用が約2,000円ほどプラスでかかるケースが多いです。
自分で取り付ける場合
ここまで、照明器具の取り付けを業者に依頼する場合の工事費用の相場を解説してきましたが、自分でやってみようという方も多くいらっしゃると思います。
自分で取り付ければ設置費用がかからないので、その分単価の高い照明器具を購入しやすいでしょう。
しかし、電気工事は内容に応じて専門的な資格が必要になるので、いくら器用な方でも資格を持っていなければ工事をすることはできません。
もし、無資格のまま工事すると、電気工事士法に違反し、罰則を受けることになります。
また、万が一電気工事を実施して火災などが発生してしまった場合、無資格だと保険の適用外となるデメリットも生じます。
自分の家ならまだしも、他人の家の電気工事を無資格のまま行い、事故を起こしてしまっては取り返しのつかないことになるので、無資格の場合は工事をしないか、頑張って電気工事士の資格を取得するようにしましょう。
ちなみに、第二種電気工事士の資格を取得すれば、600V以下で受電する一般用電気工作物を扱えるので、DIYやプチリフォームで行うような規模の電気工事も自分で実施することができます。
第二種電気工事士の資格は合格率約50〜60%と比較的高めなので、しっかりと勉強すれば取得自体はそこまで難しくない印象です。
ただし、電気工事において大切なのは資格勉強よりも実務経験であり、資格取得=電気工事ができるようになる、というわけではないのでご注意ください。
照明工事にかかる時間の目安
照明の取り付け工事は、特殊な状況でない限りおおよそ30〜60分くらいの所要時間で終了します。
ただし、天井が高く高所作業になるような場合や、構造が複雑で物が大きいシーリングファンなどの工事は、通常の倍くらいに時間がかかってしまいます。
また、配線作業が別途必要な場合は、業者が天井裏に登って作業を行う必要があるので、さらに時間がかかってしまうケースも多いです。
なので、基本的には時間の余裕のある日程で工事を組むようにしましょう。
業者としても、時間のプレッシャーをかけられると仕事の質が下がりますので、双方にメリットが生じるように日程を決定しましょう。
照明工事を依頼できる業者一覧
ここでは、照明工事を依頼できる業者について解説します。
基本的には購入したタイミングで工事もセットで依頼するのが良いですが、
場合によっては工事のみ必要な場合もあるので、それぞれの業者の特徴を紹介します。
購入した店舗と提携している業者
照明器具を購入する際、照明を取り付けるための工事が必要な場合は、購入元と提携している業者に依頼するのがおすすめです。
提携している業者なら、設置後に照明についてトラブルが発生した場合など、販売元と設置業者の連絡体制が取れているので、比較的早く解決できます。
故障などが生じた場合、販売元と業者とが面識がないとさらなるトラブルに発展することもあるので、工事が必要な場合はセットで依頼すると良いでしょう。
インターネット経由で依頼する業者
インターネットで電気工事業者で検索すると、様々な業者がヒットします。
自分が住んでいるエリアに絞っても多くの業者が出てくるので、値段や口コミなどで比較してみると良いでしょう。
また、最近では「くらしのマーケット」などの仲介サイトでも、電気工事ができる業者が増えているので、利用してみるのも一つの手段です。
電気工務店
いわゆる町の電気屋さんなど、親しみのある店舗で注文するケースもあります。
近所の電気工務店は、金額は高い傾向にありますが、個人ならではの融通が効くので、電気のことを総合的にお願いしたい場合にはぴったりです。
照明器具を選ぶ際の注意点
ここでは、照明器具を選ぶ際の注意点を解説します。
照明器具は取り付ける商品や環境によって選ぶ基準が変わってくるので、
どのような点に留意するべきか、あらかじめおさえておきましょう。
自宅の取り付け環境を確認する
まずは、照明を取り付ける場所がどのような条件かを確認しましょう。
冒頭で解説したような引掛シーリングはついているのか、天井の高さはどのくらいなのかなどを洗い出しておくと良いでしょう。
もし、確認する内容がよくわからない場合は、現在ついている照明を写真で撮影しておき、あらかじめ業者に見せれば概算のお見積りが出せるでしょう。
取り付け場所の畳数を把握する
照明を購入する際に必ず確認すべきなのは使用場所の畳数です。
照明は「◯畳用」といった形で販売されていることが多く、畳数の増加に比例して明るさも増します。
選び方として、部屋の畳数とぴったりの明るさを選んでもOKですが、照明はリモコンで明るさ調整ができるため、設置する部屋の畳数+2畳分の照明が良いでしょう。
※例えば部屋が16畳だった場合は18畳を購入するなど
おすすめは調色機能つき
照明は色の変更ができる調色機能がついている機種の購入をおすすめします。
基本的に照明の色は、白に青みがかかった昼光色、オレンジ色で暖かみのある電球色、昼光色と電球色のちょうど中間の色となる昼白色の3つに分かれます。
勉強や仕事のシーンには昼光色、家族団欒やリラックスしたいときは電球色、そのほか多くのシーンでは昼白色、といったよう使い分けをしていくと、日常生活にメリハリが生まれ、自宅にいる時間が楽しくなるでしょう。
シーリングライトのタイプであれば、調色機能付きは10,000円もしないで購入できるので、約10年使用することを考えると調色機能付きを選んでおくのが無難でしょう。
まとめ
- 照明の取り付け工事は内容や条件によって費用が変動する
- 電気工事は有資格者でなければ実施してはいけない
- 照明の取り付け工事を依頼する前に現状をしっかりとおさえておきましょう
照明の取り付け工事は素人が下手に手を出すと大怪我に綱tがることもあり、最悪の場合は死にいたる危険性も潜んでいます。
ネットにはいろんな情報が発信されていますが、あくまでも自己責任の範囲となってしまうので、危ない橋は渡ろうとせず、専門の業者に依頼して安全に取り付けてもらいましょう。