毎日使うものなのに、その位置についてはほとんど意識しない照明スイッチ。
しかし、設置場所が生活動線や背の高さ、家具の配置を合っていないと、少しずつストレスになってしまうことも。
特に新築の住宅の場合、照明スイッチの配置は住宅建築のプロに任せておけば安心と思うのは危険です。
今回は、照明スイッチの位置を決める際に考慮すべきポイントを紹介します。
大切な我が家を照明スイッチの位置のせいで住み心地悪くしないための大切な考え方です。
Contents
照明スイッチの設置位置で後悔しない2つの方法
理想を詰め込んだはずのマイホームなのに、照明スイッチの設置位置で後悔したくありませんよね。
ここではまず、照明スイッチの位置で失敗しないために重要なポイントを2つ紹介します。
業者任せにしない
住宅設計の打ち合わせをする際に、電気の配線図という図面も目にすることでしょう。
電気配線図は、照明スイッチやコンセントの位置を示した図面です。
住宅会社は住宅のプロなので、プロの考えた通りにしておけばよいとは限りません。
なぜなら、照明スイッチの位置は実際に生活する人の動線や家具の配置などと密接な関わりがあるからです。
一旦スイッチを設置すると、移設や増設は容易ではありません。
電気の配線工事を伴うため、電気の専門業者に依頼する必要があります。
家が完成してからでは手遅れになってしまいますので、必ず自分で図面を確認し、必要に応じて調整するよう提案しましょう。
家具の配置を先に考える
スイッチの配置を考える前に、まず家具の配置を決めます。
購入予定の家具があれば、その配置も決め、しっかり家の図面に落とし込みます。
はっきりと決まっていなければ、仮置きやイメージだけでも構いません。
一旦すべての家具を配置します。
すると、家の中に生まれる余白や、家族の動線がイメージできるようになるでしょう。
帰宅して玄関を開けた時、どこに照明スイッチがあると便利か。
リビングの照明を消して寝室に向かうシーンでは、どこに照明スイッチがあるとスムーズに動けるか。
生活のさまざまなシーンを具体的にイメージして、照明スイッチの設置位置を決めましょう。
照明スイッチの適切な設置位置を決めるための2つの要素
照明スイッチの位置を決める時に考える要素は高さと設置場所の2点です。
どのように検討すればいいのか、詳細を確認してみましょう。
高さ
一般的な住宅の照明スイッチの高さは、各ホームメーカーによればおよそ110〜120㎝です。
この数値は成人が立った姿勢で目に入りやすく、かつ小さな子供の手が届きにくいのでいたずらされにくい、との説がありますが、数値自体に明確な根拠はないようです。
実際、ユニバーサルデザインにおいては照明スイッチの高さは90㎝程度されています。
居住する家族の都合に合わせて、皆が使いやすい高さへの変更を検討するのもよいでしょう。
例えば、重い買い物の荷物を持ち帰った際、玄関やリビング、キッチンの照明スイッチの位置が高ければ、荷物を足元におろしてから照明スイッチをつけることでしょう。
照明スイッチに手を伸ばすために動作が一つ増えることになりますから、毎日続けばストレスです。
住宅会社ではこういった細かなところまで考慮してくれるとこは少数でしょう。
ぜひ建築が始まる前に、我が家に適した照明スイッチの高さについて考えてみるのはいかがでしょうか。
設置場所
照明スイッチの設置位置を決める際には、押さえておきたい3つのポイントがあります。
ドアを開けてすぐに押せる位置
照明スイッチを押すタイミングは明るい時間帯だけではありません。
暗い中でも手を伸ばせば自然に届く高さや位置に照明スイッチが設置されていることは重要です。
また扉の蝶番側ではなく扉が開閉する方に照明スイッチがついていれば、扉を開け閉めする動作と照明をオンオフする動作がうまく噛み合うため動作がスムーズです。
特に、扉を開ける時だけでなく閉める時の利便性も考慮して、照明スイッチの位置を決めるとよいでしょう。
照明スイッチが家具や扉で隠れないこと
- ドアを開いたら照明スイッチが見えなくなる
- 背の高い家具のせいで照明スイッチが隠れる
こういった配置はスイッチを押し辛く、長い目で見ると不便なためストレスになります。
また照明スイッチをオンオフするたびに家具の後ろに手を伸ばせば、家具が倒れる恐れもあり危険です。
隣り合う部屋のスイッチを近いところに設置する
隣り合うキッチンとダイニングの照明スイッチは、近いところに設置されていると便利です。
このように隣り合った部屋へ移動する際に照明スイッチのオンオフ操作が一箇所で完了すれば、ストレスなく生活できます。
また、動線に合わせてスイッチを連動させるとより快適に生活できます。
例えば、夜遅くに2階の寝室から1階の化粧室へ行く、といった動作を考えてみます。
この時寝室に廊下の照明スイッチがあれば、暗い中手探りで歩くこともありません。
このような生活動線は、居住する人にしかわからない部分です。
生活する人の利便性を最大限に高めるために、さまざまなシチュエーションを考えるとよいでしょう。
照明スイッチの設置場所別ポイント
照明スイッチの設置場所毎に、どこに配置すると便利に生活できるのかは異なります。
具体的な照明スイッチの設置場所毎に、特徴や注意すべきポイントを考えてみます。
玄関
玄関の照明スイッチは、玄関を開けるとすぐの壁に設置されているのが便利です。
この時、扉が開く方向も考慮しておきましょう。
玄関の照明には、玄関ホールを照らす照明だけでなく玄関の外の照明もあります。
玄関ホールと玄関外の照明スイッチを同じ位置に設置すれば、スイッチのオンオフの操作もしやすく便利です。
玄関からつながる廊下や、リビングの照明スイッチを玄関に設置すると、日が落ちてから帰宅した際に暗い廊下で照明スイッチを探すことなくスムーズです。
また、玄関でもリビングの照明をオンオフ操作できれば、電気の消し忘れを防ぐことができます。
一カ所の照明機器のオンオフ操作を、複数の照明スイッチからできるタイプも販売されていますので、検討してみてはいかがでしょうか。
さまざまなタイプの照明スイッチについてはこちら(照明スイッチの種類と選び方を特徴に合わせて紹介)の記事に詳しいので、ぜひ併せてご覧ください。
寝室
寝室には、複数の照明スイッチがあると便利です。
1カ所は寝室入ってすぐの壁。
もう1カ所はベットサイドです。
ベッドに横たわったまま照明スイッチの操作ができれば、ゆっくり寛げるでしょう。
ベッドの高さや他の家具との兼ね合いで照明スイッチの配置が難しければ、リコモンスイッチを使用する方法もあります。
トイレ
トイレのスイッチは、トイレの入り口すぐの外側に設置するのが一般的です。
ただし、設置するのがセンサー付き照明の場合は、トイレの中に設置しましょう。
センサー付き照明は人の出入りを感知して自動的にオンオフを切り替えます。
照明スイッチを外側に設置すると、誤って押してしまう可能性があります。
まとめ
照明スイッチの位置は、住宅設備の中でも目立たない箇所です。
しかし照明スイッチの位置一つで驚くほど生活は便利になります。
照明スイッチの工事は、住宅が完成してからでは配線工事を伴います。
これから建築するタイミングだからこそ、自由にアレンジできる箇所です。
自分や家族のライフスタイルに併せた照明スイッチの配置で、よりよい暮らしを実現してみてはいかがでしょうか。