照明スイッチの場所を変えたり増やしたりする方法にはどんなものがあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
壁に設置された照明スイッチを移設もしくは増設する場合は、このような流れで作業を進めます。
このように、照明スイッチの移設や増設には電気の配線工事を伴います。
電気の配線は壁の裏から天井に繋がっているため、高所での配線作業となり非常に難易度の高い工事です。
また壁に穴を開けるために、特別な機器を用意する必要があります。
電気の配線工事は感電の危険があるだけでなく、知識なく作業をすれば火災を引き起こす危険性もあります。
そのため、電気の配線工事は電気工事士という国家資格を取得した人以外行うことはできません。
壁に照明スイッチのプレートの場所を移設もしくは増設する場合は、必ず電気工事士の資格を持った専門業者に依頼しましょう。
壁に設置された照明スイッチ自体を移設、増設することは、電気工事士の資格がなければできません。
しかし照明スイッチの作業をせずに、移設もしくは増設したのと同じような効果を得られる方法があり、いずもDIY可能な簡易なものです。
3つの方法を紹介します。
配線工事不要なワイヤレス照明スイッチには、照明機器のタイプによって2種類あります。
1つは据え置き型の照明のような、電源コードをコンセントに差し込んで使うタイプの照明で活用できるワイヤレス照明スイッチです。
このように2ステップで設置します。
照明スイッチを好きな場所に置いて照明のオンオフをコントロールできるので、照明スイッチを移設や増設したのと同じ効果を得られます。
自己発電するため電池交換不要なタイプも多く販売されており便利です。
2つ目は、ワイヤレススイッチとそれに対応する電球に交換する方法です。
照明スイッチ自体を好きなところに設置できると同時に、スマートフォンから照明のオンオフ操作も可能なため、容易にスイッチの移設や増設したのと同等の効果を得られます。
参考商品:ワイヤレス照明
スイッチボットは、壁面のスイッチに貼り付けて使う指ロボットです。
スマートフォンのアプリで照明のオンオフ操作をすると、スイッチボットが照明スイッチのオンオフを行う仕組みです。
タイマー設定ができる他、スマートフォンだけでなくAIスピーカーにも対応するスイッチボットもあり、音声でスイッチのオンオフも可能です。
スマートフォンから照明スイッチの遠隔操作ができるため、実質的には照明スイッチを移設や増設したのと同様の効果があります。
参考商品:スイッチボット
照明スイッチに無線機器を取り付ける、もしくは電球をリモコン対応のものに切り替えれば、照明スイッチを移設したり増設したりしたのと同じ効果を得られます。
照明のリモコン化についてはこちら(リンク:照明をリモコン化する方法とは)の記事で詳しく紹介していますのでぜひご覧ください。
最近ではリモコンだけでなく、スマートフォンのアプリからも照明機器を操作できるものも増えています。
リモコン、スマートフォンと照明機器を操作することのできるツールの数だけ、スイッチを増設したかのように利便性を上げることができるでしょう。
照明スイッチは壁の中にある電気の配線に繋がっています。
移設や増設に際しては、この電気の配線に関わる工事が欠かせません。
一般家庭には契約内容により100〜200Vの電気が流れています。
電気の配線工事は危険を伴うため、電気工事士の有資格者のみに許可されています。
違反した場合罰金もしくは懲役を課されますから、無資格ではDIYできません。
配線工事を伴う照明スイッチの移設の際は必ず、電気工事の専門業者に相談しましょう。
参考:電気工事士法
照明スイッチの移設や増設を専門業者に依頼するにあたって、注意すべきポイントが4つあります。
詳しくみていきましょう。
照明の工事に着手する前には見積もりをしますが、作業を始めてから変更事項が生じると追加や変更に伴い追加料金が発生することがあります。
当初の見積もりでは安価だったのに、変更が加わったために高くなっては目も当てられません。
専門業者に依頼する際は、生活動線や家具の配置、家族の背の高さやライフスタイルを十分考慮してから依頼しましょう。
誰もが使いやすい環境をデザインするユニバーサルデザインの観点では、照明スイッチの取り付け位置はこのように推奨されています。
照明スイッチの取り付け位置(ユニバーサルデザイン) | |
一般 | 床上110~120cmが使いやすい |
高齢者 | 床上90~100cmが使いやすい |
日本の住宅の照明スイッチを設置する位置は、床から110㎝の位置が一般的です。
家族の背の高さや成長の度合いを考慮すると、これには当てはまらないケースもあるでしょう。
判断できない場合は、専門業者に相談してみるのもよいでしょう。
照明スイッチの移設や増設は電気の配線工事を伴うため、電気工事士の資格が必要です。
万が一資格を所持していない業者に依頼した場合、業者の変更ややり直しといった手間がかかります。
依頼する際はホームページなどで確認してから依頼しましょう。
電気工事は特殊な作業ですから、専門用語も多数使われます。
見積もり内容に専門用語を盛り込まれた場合、何の作業なのか、本当に必要な作業なのかわからない恐れもあります。
その為、電気の知識のない人にもわかりやすく見積もり内容を説明する業者を選ぶとよいでしょう。
照明スイッチの交換費用の見積もりは、必ず複数の業者からとりましょう。
業者によって、作業範囲や請求される費用の項目が違います。
2〜4社程度は見積もりをとって、その中で最も自分の希望にあう業者を選べば安心です。
照明のオンオフは日常的に行うので、小さな不便も積もり積もってストレスになります。
生活をより快適なものにする意味でも、照明スイッチの移設や増設は検討の価値が十分にあります。
しかし、照明スイッチの移設や増設は電気の配線工事を伴う危険な作業のため、無資格でのDIYはできません。
複数の会社から見積もりをとって、納得できる専門業者に依頼しましょう。