自宅の給湯器が古くなり、買い替えを検討した時に従来の給湯器で交換するのか、ランニングコストがお得なエコキュートに交換するか迷う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ただ、エコキュートと聞くと本体代金が高く、導入したくてもハードルが高くて見送ってしまう方もいるかもしれません。
結論を言うと、エコキュートはランニングコストが安く、長い目でみるとお得に使うことができます。
ただ、結論だけ言われても具体的にどのくらいお得なのかイメージできませんので、本記事ではエコキュートの交換費用はもちろん、どのような業者に依頼すれば良いか解説します。
直近で給湯器の交換を検討している方はぜひ参考にしてください。
Contents
エコキュートを新規設置した場合の費用相場
まずは、エコキュートを設置する際の費用相場について解説します。
※実際に筆者が見積りを取ってみた事実ベースでの解説です。
結論を先にお伝えすると、見積りの金額は約45万円程でした。
ここでは、何がどのくらいの費用か、具体的に解説します。
見積りの条件は戸建ての4人家族の想定、現在使用している給湯システムはガス給湯器です。
エコキュート本体代金
今回見積りしたのは三菱のSRT – 375U、定価で100万円以上する製品ですが、業者の値引き後の金額で約34万円でした。※リモコン&脚部カバー込み
エコキュートは定価こそ高いですが、安く提供している業者であれば6~70%オフで提供している場合もあるので、複数の業者を見て下調べすると良いでしょう。
エコキュートの工事費
基本工事費は16,000円程。
追加工事費として専用ブレーカーの設置や配線工事などの電気工事費が3万円だったので、工事費用としては約45,000円〜50,000円程でした。
新規設置に必要な費用
次に、エコキュートを新規導入する際に必要となる部材や申請費用について解説します。
見積りを出す業者によっては、以下の項目を本体代金などに込みで入れてくれる業者もいれば、別にする業者もいます。
いずれにしても、エコキュートを新規設置する場合には必須の項目なので、見積書で判断が難しい場合は業者に確認しましょう。
土台の費用
エコキュートは本体重量が60〜100キロ近くあるので、設置する際は地べたに直に置くのではなく、コンクリートの土台を敷き水平を保ちながら設置します。
なお、土台には「現場打ち」と「エコベース」があり、「現場打ち」は手間とコストがかかる分、丈夫に作ることができます。
「エコベース」はすでに出来上がったコンクリートの土台であり、時間もコストも抑えられるため、よく使われています。
配管処理費用
ガス給湯器からエコキュートに交換する場合、ガス給湯器で使っていたガス管は使わなくなります。
使わなくなったガス管を撤去するのは容易ではないので、基本は残置して宅地に出ている分をカットして閉栓の処理を実施します。
配管処理費用が基本工事費に含まれている場合もあれば、業者によっては別で出している場合もあるので、事前に確認をするようにしましょう。
また、本来エコキュートとガス給湯器の配管は太さが異なるので、既存の配管を使うと経年劣化による水漏れが発生するケースも稀にあります。
ただし、すでに既設の配管を撤去して交換となると、住宅の床を剥がしたりする大掛かりな作業となり、あまり現実的ではありません。
もし将来的に配管の交換も検討するのであれば、リフォームを視野に入れて検討をした方が良いでしょう。
メーカー保証費用
エコキュートは基本的にメーカー保証なので、保証に入る場合は別途費用が必要です。
筆者が見積りを取った三菱では、10年保証をつける場合は約31,000円で、他のメーカーも金額差はそれほどありませんでした。
メーカー保証には申し込みの期限があり、エコキュートを設置してから概ね2~3ヶ月なので、希望する場合は早めに申し込みましょう。
電気会社への申請費用
エコキュート新設の場合は、電気工事資格を保有する業者より、設置した旨を電気会社に申請する必要があります。
電力会社への申請は、必ず電力会社へ登録している電気事業者が申請しないといけません。
※申請書の欄に電気事業者コードを入力する項目があるほどです。
その為、自前で申請はできないので、電力会社への申請費用を削るのは原則不可能となります。
業者にもよりますが、申請費用は1万円程です。
ガス給湯器を交換した場合の費用と比較
現在ガス給湯器を使用している筆者がエコキュートにした場合に掛かる交換費用は約45万円でした。
通常のガス給湯器を交換する費用が約15~25万円なので、20万円ほど差額が生じます。
ただし、ランニングコストで見ると、エコキュートが月々約1,500円、ガス給湯器の場合は6,000~7,000円なので、年間にすると50,000~70,000円ほど差があります。
ガス給湯器とエコキュートの平均寿命である、10年で試算すると、50~70万円ほど差額が出ます。
その為、初期費用こそ高いですが、長い目でみるとエコキュートの方がお得と言えるでしょう。
電気温水器を交換した場合の費用と比較
電気温水器を交換する場合、交換費用は25〜35万ほど掛かるので、エコキュートの初期費用の差額は約20万円前後です。
ただし、ランニングコストで比較すると、エコキュートが月々約1,500円、電気温水器の場合は5,000~6,000円なので、年間にすると40,000~50,000円ほど差額が生じます。
電気温水器とエコキュートの平均寿命である、10年で試算すると、40~50万円ほど差額が出ます。
なお、電気温水器とエコキュートの費用や、メリット・デメリットの比較については、
以下の記事で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
【合わせて読みたい】
電気温水器とエコキュートどっちがお得?光熱費やメリット・デメリットとは
既存エコキュートを交換した場合の費用相場
ここでは、既にエコキュートを使用している方が同じくエコキュートを交換する場合、
どのくらいの費用が発生するのか解説します。
結論を先にお伝えすると、既存エコキュートの交換の場合、交換費用は約35~45万円ほどです。
具体的な金額について順番に解説します。
エコキュート本体代金や部品代
本体代金については、新規で設置する場合と大きく変わることはないので、おおよそ30~40万円程です。
その他の部品で、脚部カバーやリモコンなどがありますが、業者によっては本体代金に組み込まれているケースがあるので事前に確認しましょう。
単体の金額は脚部カバーが約6,000~9,000円、リモコンが30,000円前後です。
配管処理や電気会社への申請費用は原則掛からない
配管処理や電力会社への申請は、新規設置の際に実施するので交換のタイミングでは必要ありません。
ただし、交換の場合は既存のエコキュートを処分する費用が発生します。
金額は施工業者によって異なるので、見積り時に確認しましょう。
また、交換のタイミングでエコキュートの機能をグレードアップすると、金額が高くなる場合もあります。
例えば、エコキュートの機能をフルオートに変更すると、フルオート専用の配管が必要となるので、追加費用が発生します。
エコキュートにした場合のランニングコストの相場
例えば、4人家族で想定すると、エコキュートのランニングコストは月々1,500〜2,000円程度なので、ガス給湯器や電気温水器と比較すると、半分〜三分の一程、光熱費をカットすることができます。
ただし、エコキュートの電気代が安くなるのは、夜間電力を使用する場合に限ります。
つまり、電力供給が全体的に少ない夜間にお湯を沸かすことで、月々のランニングコストを下げているのがエコキュートの仕組みです。
つまり、日中にお湯を使い切り、タンクの容量を空にしてしまうと、昼でもお湯を作ろうとするため、割引対象外の時間での電気代が発生します。
※昼間の電力は夜間の約2倍
せっかくエコキュートにしても、ランニングコストが上がってしまったら本末転倒なので、蛇口を捻りっぱなしにするなど、お湯を無駄遣いしないよう心がけましょう。
また、夜間電力を使用するためには、東京電力などにプラン変更申請の必要があるので、申請手続きの方法など業者に相談してみてください。。
エコキュートにしたら助成金を申し込みましょう
エコキュートは地球環境に配慮した、エコな給湯システムなので、補助金制度を設けている自治体も存在します。
自治体によっては、エコキュートを申請する前に各種手続きを済ませる必要があるので、導入前に要確認です。
金額は自治体によって異なりますが、約1〜3万円ほど支給されるので、お住まいの自治体が補助金制度を導入している場合は利用しましょう。
エコキュートを選ぶときに確認すること
エコキュートを初めて検討する方は、どうやって選べば良いか、事前に確認すべきことは無いかなど、いろいろと気になることが多いでしょう。
エコキュートは業者が現地見積りに来るので、一任してもOKですが、業者の提案が理解できるとやり取りがよりスムーズになるので、自分自身でもエコキュートについて理解するようにしましょう。
エコキュートの設置タイプ
まずは、エコキュートの設置タイプを決めるために、エコキュート設置場所のサイズを確認しましょう。
エコキュートにはサイズバリエーションがあり、角型、スリム型、コンパクト型など、
設置する場所によってサイズが変わります。
サイズが変わるとタンクの容量が変わるので、どのサイズを選べば良いか業者に相談しましょう。
セミオートかフルオートか
エコキュートのセミオートとフルオートの違いは、「追い焚き」もしくは「自動保温」ができるかどうかです。
フルオートは、量が少なくなったり、冷めたりしたら自動調整しますが、セミオートの場合は手動で実施します。
また、フルオートは追い焚きができますが、セミオートの場合はたし湯で調整します。
現在、シェア的にはフルオートが大半で、金額差も1万円前後なので、迷ったらフルオートにしましょう。
高圧力タイプであるか
エコキュートの仕組み上、どうしてもガス給湯器よりも水圧が低くなってしまいます。
エコキュートに変えたことによって、シャワーの勢いが弱くなったと感じる方も多いようです。
もし水圧を気にするという方は、エコキュートを選ぶ際には高圧力タイプを選ぶようにしましょう。
特に、今までガス給湯器を使用してきた方は、エコキュートにすると水圧の差を感じやすいため、高圧力タイプがおすすめです。
メーカーによる機能の違い
エコキュートは、メーカーごとに提供している機能に一部違いがあります。
具体的には以下の通りです。
三菱
キラリユキープ | 自動循環運転で、残り湯もきれいに保ちます |
バブルおそうじ | マイクロバブルが、自動で配管の汚れを落とす機能です |
ホットあわー | マイクロバブルと気泡が全身を包み、湯冷めしにくく、肌の乾燥を防ぎます |
パナソニック
省エネ機能 | パナソニックのエコキュートは、「エコナビ」を始めとした省エネ性能が複数搭載されており、ランニングコスト削減に貢献します |
HOME IoT | 専用アプリと連携することで、スマホを使ってお湯はりなどが遠隔でできます |
温浴セレクト | リモコンに「あつめ」「ふつう」「ぬるめ」のボタンが用意されており、設定温度とタイマーをカスタマイズできるので、事前に設定すればボタンを押すだけでお好みの温度にできます |
日立
独自の給湯方式 | 日立はタンクのお湯を使わず、水道直結で給湯する「ナイアガラタフネス」、お湯はりをタンクシャワーと蛇口を水道直結で給湯する「ナイアガラ出湯」など、通常のエコキュートとは異なる独自の給湯方式を開発しています |
ウレタンク | 貯湯タンクに断熱性の高いウレタンを採用することで、お湯が冷めにくく、省エネ性能も高くなります |
快泡浴 | 循環口から噴出された泡が全身を包み、湯冷め防止効果があります |
ダイキン
パワフル高圧 | 高圧タイプの2倍近い圧力なので、シャワーを快適に使えます |
マイクロバブル | マイクロバブルによって湯冷めと肌の乾燥を防ぎます |
温浴タイム | 4つのお好みで選べる湯温で、家族全員が快適にお風呂を使えます |
TOSHIBA
銀イオンの湯 | 湯はり水路に設置されたユニットによって銀イオンを発生させ、配管内の汚れを洗浄して清潔に保ちます |
コロナ
高圧力給湯 | 給湯する圧力が約1.5倍あるので、シャワーも快適に使用できます |
ES制御 | エコキュートの給湯保温効率を高め、省エネを実現し、お湯を作り、保温して使う過程までを制御し、効率の良い運用を行います |
エコキュートを設置するときの流れと手順
ここでは、実際にエコキュートを交換するときの業者との一連の流れを解説します。
事前に情報を知っておけば、業者とのやりとりもスムーズになるので、しっかりとおさえておきましょう。
1.確認すべきポイントをおさえる
大半の業者はどのエコキュートを顧客に薦めるべきか、目星をつけるため現場調査前に以下の内容を聞かれることが多いです。
ヒアリングに対してスムーズに回答できるためにも、確認すべきポイントとして事前におさえましょう。
- 実際に設置を検討している現場の写真(概算でいいので寸法も)
- 現在取り付けているガス給湯器など給湯システムの写真や型番
- 家族構成や普段のお湯の使用状況
- 希望するメーカーや機種
特にメールでのやり取りの場合は、写真撮影を求められることが多いです。
家族構成や普段のお湯の使用状況などは、エコキュートのタンクの容量を決めるために重要な要素なので、できるだけ細かく伝えましょう。
また、将来的に子供が増える、両親との同居を検討しているなど、家族の人数が増える予定がある場合は、そういった点も伝えましょう。
2.業者に見積りに来てもらう
事前のヒアリングが終わったら、業者に現場調査に来てもらいます。
エコキュートを設置できるかの判断を素人が行うのは難しいため、ほとんどの業者は現場に足を運んで調査します。
現地調査では、寸法などの確認だけではなく、エコキュートの容量や種類などを決めるため業者と話し合いをする機会があります。
話し合いの際には、業者の担当者の対応の良し悪しも注意深く観察しましょう。
なぜなら、担当者がどういった対応をするかは、業者選定の重要な決め手の一つとなるからです。
どんなに価格が安い業者でも、担当者の対応が悪いとアフターサービスなどにも不安が残ります。
総合的に判断するためにも、担当者の対応にも注意を払いましょう。
3.複数業者で相見積もりをとる
エコキュートの寿命は約10年で、頻繁に交換するような製品ではありません。
加えて、決して安い買い物ではないからこそ、慎重に検討する必要があります。
その為、エコキュートの見積りは一社に絞ることなく複数業者に相談しましょう。
複数業者に相談することで、価格、対応、万が一壊れた時のアフターフォロー体制などを比較検討できるので、自分にとって良い業者はどこかを明確にすることができます。
また、業者のホームページや、SNSの口コミなどを見るなど、他人から見た評価を参考にするのも一つの手段です。
特に、SNSは悪い口コミも掲載されているので、参考になる部分があります。
ただし、口コミの中には一部悪意を持った投稿も存在するので、鵜呑みにするのではなく、最終的には自分の判断軸で決めることを意識しましょう。
なお、比較する業者が多すぎると業者とのやり取りが煩雑になるので、目安として3〜4社くらいに絞るのがおすすめです。
4.総合的に良かった業者にお願いする
複数業者から見積りが出揃ったら、最終的に依頼する施工業者を決定します。
業者を選ぶ基準は人によって異なりますが、大きく分けると以下のようになります。
- 価格
- 施工業社の対応
- 施工後のアフターフォロー(保証の内容)
- 施工実績
- 口コミ
例えば、価格がどんなに安くても、施工内容が雑でエコキュートが故障してしまうと、また買い替えなければいけないので、結局損をするケースも実際にあります。
残念なことに、良い業者だけではなく、いわゆる悪徳業者も存在するのが事実です。
悪徳業者に引っかからないためにも、判断基準は一つに絞るのでなく、様々な要素から判断できるようにしておきましょう。
エコキュートを交換するときのおすすめの業者
ここまでエコキュートを依頼するまでに流れを解説しましたが、エコキュートを初めて検討する方にとっては、どの業者に依頼すれば良いか、リサーチするだけでも相当苦労するまもしれません。
なので、ここではエコキュートを依頼する際におすすめの業者を紹介するので、
業者選びの参考にしてください。
興味がある業者が見つかったら、口コミやホームページを見て自分でもリサーチしましょう。
Tomi Den
Tomi Denは、群馬県高崎市を中心に近隣地域に対応したエコキュート交換業者です。
地域密着型の業者なので、設置後にトラブルがあっても気軽に相談できる安心感があります。
また、エコキュートの他にも電気工事全般を扱っているので、電気のことならなんでも相談できるが魅力の一つです。
Tomi Denとしても、地域住民に寄り添った対応をモットーにしているので、地域にお住まいの方は、検討に入れてみてください。
キンライサー
キンライサーは、関東、関西、中部を中心にエコキュート交換を実施している業者です。
※九州地区は福岡県のみ対応
テレビCMでも知られており、ガス給湯器のイメージが強いですが、エコキュートも専門的に扱っています。
キンライサーは価格の安さや顧客満足度ももちろんですが、無料の10年保証がついているのが差別化ポイントの一つです。
エコキュートでメーカー保証をつける場合は、3万円前後の費用がかかります。
しかし、キンライサーの場合は、保証が代金に含まれているので、余計な費用がかかりません。
しかも、保証内容は工事だけでなく、商品不良にも適応されるので安心です。
見積り対応も早いので、検討業者の一つに加えてみてください。
正直屋
正直屋は全国対応を行っている業者で、規模が大きく業界でも有名です。
価格の安さはもちろん、当日見積りも対応できるスピードが売りの一つ。
お湯が出なくて困っているからすぐ対応して欲しいという方は、一度問い合わせて見ると良いでしょう。
ミライトスマイナビ
ミライトスマイナビは、全国対応を行っている業者で、主に楽天市場でエコキュートの販売をしています。
ミライトスマイナビは、ネット業者だからできる低価格が魅力的ですが、見積りに対する提案力も魅力の一つです。
エコキュート初心者に対してもどのような機種を選べば良いか率先して提案しくれるので、エコキュートについての理解を深めながらやり取りを進められます。
また、メールで見積りを依頼できるので、業者からの電話に対してストレスを感じる人は、
大きなメリットとなるでしょう。
リフォーム業者
特定業者ではありませんが、エコキュート以外にも住宅リフォームを検討している方は、リフォーム業者にエコキュートもお願いするのも一つの手段です。
ただし、リフォーム業者の中には利益だけを優先する悪徳業者も中には存在するので、リフォーム業者に依頼する際は、比較的大手に依頼するか、事前に口コミなどのリサーチをするようにしましょう。
まとめ
- 初期費用は高いが、ランニングコストが下がるので長期的にはエコキュートはお得
- エコキュートの交換を依頼する際は、交換の手順などをひと通り理解しておきましょう。
- 見積りを取るなら複数業者で検討しましょう。
初期費用こそ掛かりますが、エコキュートは光熱費削減に大きく貢献してくれます。
また、業者をじっくり比較検討すれば、よりお得に購入できる方法も見つかるので、次回給湯器の交換をする際は検討に入れてみてはいかがでしょうか。
エコキュートもどんどん進化しており、修理か交換で迷った際は是非一度参考にしてみてください。