エコキュートを利用している方で、多くの方が疑問に思うのが入浴剤を使っても良いかということではないでしょうか。
結論を先にお伝えすると、エコキュートで入浴剤を利用することは可能ですが、使用する際にはいくつか注意するべき点があります。
そこで、今回の記事ではエコキュートで入浴剤を使用する際の注意点を解説した上で、どんな入浴剤であれば使用して良いのか、または使用できない入浴剤について、また万が一使用できない入浴剤を使った場合の対処方法についてもご紹介します。
エコキュートで入浴剤を使う際は、正しく利用すれば問題ないのですが、誤った使用をすると間接的な故障の原因となり得るので注意が必要です。
今回の記事を参考にして、入浴剤を使いながらも、故障を避けるためのポイントをおさるようにしましょう。
Contents
エコキュートで入浴剤を使用する時に気をつけること6選
まずはエコキュートで入浴剤を使用する時に気をつけることを6つ紹介します。
何も知らずに入浴剤を使い続けていると、知らないうちに配管やエコキュート本体へのダメージが蓄積していくのでしっかりとおさえておきましょう。
メーカーの注意書きは必ず読む
どのメーカーも入浴剤に関する注意点を説明書などに記載しているので、まずはメーカーの注意書きを必ず読みましょう。
注意書きの中には禁止事項やメーカーによって使用できる入浴剤の種類などが記載されているので、最初のうちは説明書を見ながらやると間違いが少なくなるでしょう。
指定された入浴剤以外使用しない
後ほど詳しく解説しますが、エコキュートはメーカーによって使用できる入浴剤が異なります。
つまり、どのメーカーでも使用できる万能な入浴剤はほとんどありません。
またメーカーで指定していない入浴剤を使うと、本体の故障などのリスクが発生する可能性もあるので控えましょう。
入浴剤は入れすぎないように注意する
入浴剤はメーカーで1回あたりの使用量が指定されているので、入れすぎないように気をつけましょう。
1回あたりの使用量が多いと、その分エコキュート本体や配管にかかる負担も大きくなります。
また、入浴剤は指定された使用量より多く入れても、効能が増すわけではないので、用法・用量を正しく守りましょう。
入浴剤はいくつも混ぜて使用しない
入浴剤をいくつも混ぜると、入浴剤の効能などに影響が出るだけではなく、単独で使用するときと比べて、エコキュート本体や配管に与えるダメージが増加する恐れがあります。
人体に直接影響する可能性は低いですが、エコキュートの寿命を短くしてしまう恐れもあるので、複数混ぜた使用は避けましょう。
※基本的には説明書に複数使用を避ける旨記載されています。
自動配管洗浄機能を利用する
エコキュートで入浴剤を使用する際に、一番発生するトラブルが配管の詰まりです。
お湯を排水する際、配管に入浴剤の成分が滞留し、滞留した成分が蓄積すると配管の詰まりを起こしたり、お湯が濁るなどの症状が発生します。
そのため、こまめに配管洗浄をした方が良いのですが、頻繁に実施するのもユーザーの負担となるので、そんな時は配管の自動洗浄機能を使いましょう。
自動洗浄機能は、基本的にどのメーカーにもついており、スイッチを「ON」にすれば排水するだけで洗浄してくれる便利な機能です。
ただし、自動洗浄だけだと完全に汚れを落とすことは難しいので、「ジャバ」などの洗剤を用いた配管洗浄も2~3ヶ月に1回のペースで行いましょう。
なお、エコキュートの配管洗浄については以下の記事で詳しく解説しています。
各メーカーの自動配管洗浄機能も紹介しているので、合わせてご覧ください。
日頃からのメンテナンスを心がける
上記で説明した配管の他にも、浴槽のフィルターや循環金具などにも汚れが蓄積されていきます。
放っておくと詰まりや臭いの原因になるので、あわせて定期的にメンテンナンスするようにしましょう。
浴槽のフィルターや循環金具のメンテナンスは配管洗浄よりも気軽にできるので、使い古した歯ブラシなどを再利用して、汚れが溜まったら磨くようにすると良いでしょう。
【メーカー別に解説】使用可能な入浴剤
ここでは、エコキュートで使用可能な入浴剤をメーカー別に解説します。
結論を先にお伝えすると、多くのメーカーで使用できる汎用性の高い入浴剤は実在しますが、それでも一部メーカーでは推奨されていないケースがあります。
エコキュートを提供している主要メーカーを基に解説するので、自宅で使用しているメーカーを確認し、どの入浴剤が使用できるかの参考にしてください。
三菱のエコキュート
- 花王 バブ
- バスクリン社 バスクリン
- アース製薬 バスロマン
※バスクリンとバスロマンは、2018年以降に製造された三菱製のエコキュートのみ使用できます。
三菱はバスクリン社のきき湯シリーズが使用NGなので、他メーカーと比べると選択の幅は若干狭まります。
また、にごり湯タイプはNGなので要注意です。
【合わせて読みたい記事】
日立のエコキュート
- 花王 バブ
- バスクリン社 バスクリン
- バスクリン社 きき湯
- アース製薬 バスロマン
日立のエコキュートは比較的使える入浴剤が多い方です。
ただし、にごり湯タイプはNGなので注意しましょう。
【合わせて読みたい記事】
ダイキンのエコキュート
- バスクリン社 バスクリン※にごり湯タイプも含めて使用可能
- バスクリン社 きき湯※にごり湯タイプも含めて使用可能
- バスクリン社 薬用ソフレ
ダイキンのはにごり湯の使用OKです。
なので、入浴剤はにごり湯タイプを使用したいという方は、ダイキン一択と言っても過言ではありません。
ただし、他のエコキュートと違って、ダイキンでは花王のやアース製薬のバスロマンが使用できないので注意しましょう。
【合わせて読みたい記事】
パナソニックのエコキュート
- 花王 バブ
- バスクリン社 バスクリン
- バスクリン社 きき湯
- アース製薬 バスロマン
パナソニックは他のメーカーと比べると使用できる入浴剤は多い方です。
しかし、にごり湯タイプはNGなので、指定入浴剤以外は使用を控えましょう。
【合わせて読みたい記事】
コロナのエコキュート
- 花王 バブ
- バスクリン社 バスクリン
- アース製薬 バスロマン
コロナは他のメーカーと比べると、バスクリン社のきき湯シリーズが推奨品として指定されていません。
完全NGではありませんが、推奨品指定されていないので使用は控えた方が良いでしょう。
また、コロナもにごり湯タイプはNGです。
TOSHIBAのエコキュート
- 花王 バブシリーズ
- バスクリン社 バスクリンシリーズ
- バスクリン社 きき湯シリーズ
- アース製薬 バスロマンシリーズ
TOSHIBAはパナソニックや日立と同様、使える入浴剤の幅が広いというメリットがあります。
ただし、やはり他メーカー同様にごり湯タイプは使用できないので注意しましょう。
【合わせて読みたい記事】
使える入浴剤のまとめ
使用可/不可 | 花王 バブシリーズ | バスクリン社 バスクリンシリーズ | バスクリン社 きき湯シリーズ | アース製薬 バスロマンシリーズ |
---|---|---|---|---|
使用できる | 三菱、日立、パナソニック、コロナ、TOSHIBA | 三菱、日立、ダイキン、パナソニック、コロナ、TOSHIBA ※ダイキンはにごり湯タイプも使用可能 | 日立、パナソニック、TOSHIBA | 三菱、日立、パナソニック、コロナ、TOSHIBA |
使用できない | ダイキン | ― | 三菱、ダイキン、コロナ | ダイキン |
エコキュートで使用できない入浴剤の成分と種類
上記では各メーカーで使用できる入浴剤を紹介しましたが、逆に入浴剤の中にはエコキュートで使用不可とされている製品もあります。
ここではエコキュートで使用できない入浴剤について解説します。
あらかじめ使用不可となる成分や種類を知っておけば、入浴剤を選ぶときの間違いが減るので知識としておさえておきましょう。
硫黄
硫黄の成分が含まれる入浴剤は、エコキュート本体や配管が錆びる原因となります。
錆びてくるとつまったり、お湯が汚れる原因となる可能性が高くなるので、硫黄成分が含まれている入浴剤は使用しないようにしましょう。
硫黄成分は温泉に近づけた本格的な製品に入っていることが多いです。
酸性・アルカリ性タイプ
酸性・アルカリ性の成分が入った入浴剤も、使い続けると錆びや腐食の原因となります。
特に、アルカリ性の入浴剤はぬるぬるとした湯ざわりが特徴的で、美容成分として有名です。
そのため、アルカリ成分の入浴剤を愛用する方もいらっしゃるかと思いますが、エコキュートには使用できない成分なので注意しましょう。
にごり湯タイプ
有名メーカーからもさまざまな種類が販売されているにごり湯タイプの入浴剤。
しかし、にごり湯タイプの入浴剤を使用し続けるとフィルターだけでなく、配管内にも汚れが付着します。
蓄積された汚れは、皮脂とともにお湯が汚れたりお湯が出にくくなるど、エコキュートの故障に繋がる原因になりやすいです。
にごり湯タイプの入浴剤は各メーカーの人気シリーズからも種類多く販売しているので、誤って使わないようにしましょう。
固形タイプ
生薬など、お湯に溶けない成分が入っている入浴剤もNGです。
排水時に固形物がフィルターに詰まってしまうので、故障の原因に繋がります。
いわゆる漢方・植物系として販売している入浴剤が該当するので、購入する際は成分など確認して購入しましょう。
発泡タイプ
発泡タイプの入浴剤は、いわゆる炭酸ガスや炭酸カルシウムなどの成分が含まれる入浴剤で、大きい錠剤のような形が特徴的です。
入浴剤から発生する炭酸ガスが体の芯から温める仕組みになっている人気商品でもあります。
また、発泡タイプはお手ごろ価格の商品も多く、使用したことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実際、多くのメーカーで使用できる「バブ」も炭酸成分を含んだ商品になるので、一見すると発泡タイプは使って良さそうにも思えます。
しかし、実際にところはどのメーカーも指定した入浴剤以外の使用を禁止しているケースが多いので、発泡タイプを使う場合はメーカーで推奨されているか必ずチェックしましょう。
入浴剤と相性の悪いエコキュートの機能
エコキュートの中には入浴剤と相性が悪く、使用する際には注意が必要な機能があります。
ただ、先に結論をお伝えするとエコキュートは以下で説明する機能やタイプであることが多いので、入浴剤を使用する前にこれらの機能をしっかりおさえておきましょう。
フルオート機能
エコキュートのフルオート機能は、自動的に「保温」、「お湯はり」、「追い焚き」を行います。
このうち、追い焚き機能は配管を通してお湯を循環させる仕組みとなっています。
そのため、使用不可の入浴剤をフルオート機能付きのエコキュートで使うと、詰まりやセンサー誤作動の原因となる成分を含んだお湯がどんどん循環していくので、結果としてエコキュート本体や配管が故障する可能性が高まるのです。
追い焚きをしなければ循環しないので、推奨されていない入浴剤を使用できるという方もいらっしゃいますが、どちらにしてもフィルターや循環金具に汚れがたまるので避けた方が良いでしょう。
給湯専用やセミオートタイプで使える入浴剤は幅広い
給湯専用タイプは、蛇口をひねるとお湯が出てくる一番シンプルなタイプです。
お湯の量や温度など、自分で調整する必要があります。
セミオートタイプはオートタイプとも呼ばれ、ボタン一つでお湯を張る機能がついています。
また、セミオートタイプ葉さし湯機能がついていて、時間が経ってお湯の温度が低くなった場合に約80℃の高温のお湯を差し込みます。
そして、給湯専用タイプやセミオートタイプには共通して追い焚き機能がついていません。
つまり、お湯を循環させる機能がないので、選べる入浴剤の幅が広がります。
ただ、最近のエコキュートはフルオートタイプが主流なので、基本的に入浴剤はメーカー指定の商品を使用するようにしましょう。
使用不可の入浴剤を使った時の対処方法
ここまでエコキュートで入浴剤を使用する際の注意点や、使用できる入浴剤について解説してきました。
しかし、そうはいっても間違えて使用不可の入浴剤を使うケースも想定されるでしょう。
そこで、ここでは使用不可の入浴剤を使ったときの対処方法を解説します。
特に、今まで気づかず習慣的に使用不可の入浴剤を使用してた方は、すでに以下で紹介するような諸症状が出ているかもしれません。
思い当たる項目があった場合、すぐに入浴剤の使用をやめ、ここで解説する対処方法を実施してみてください。
フィルターが詰まっているか確認する
使用不可の入浴剤を使っていた場合、まずはフィルターが詰まっていないか確認しましょう。
フィルターが詰まっていた場合は、入浴剤の成分が汚れとして蓄積している状態なので、掃除して落としましょう。
使用後お湯が出にくくなっていないか注意する
入浴剤の成分が蓄積すると、配管に詰まりが生じてお湯が出にくくなるケースもあります。
「最近お湯の出が悪くなった」「お湯の出る量が一定にならない」と感じたら入浴剤の成分が影響している可能性があるので注意です。
お湯が汚れて臭いがしないか
入浴剤の成分が配管に蓄積すると、排出されるお湯に汚れが混ざっていたり、臭いを感じる場合があります。
人間の皮脂が汚れの成分として蓄積している場合もありますが、いずれにしても放っておくと故障の原因にも繋がるので、早急に対処した方が良いでしょう。
自分でできる配管洗浄を実施してみる
上記のようにお湯が出にくい、汚れて臭いがするような場合は配管洗浄を実施してみましょう。
自分でできる配管洗浄の方法については以下の記事で詳しく解説しているので、合わせてご覧下さい。
【合わせて読みたい記事】
専門業者に依頼して配管洗浄を行う
自分で配管洗浄しても諸症状が改善されない場合は、専門業者に依頼します。
専門業者であれば、専用のクリーニング機器を使用して洗浄するので、汚れの落ち方が段違いです。
費用は約1万円~掛かりますが、エコキュートを清潔な状態に保つことで長持ちさせることができるでしょう。
洗浄してもダメな場合は交換も視野に
対処が手遅れになったり、そもそもでエコキュート本体や配管の経年劣化が進んでいる場合は交換を視野に入れる必要があります。
配管の交換の場合は約5万円~、エコキュート本体の交換は約40万円~が交換費用の目安となります。
以下の記事ではエコキュートを交換する場合の費用の目安について詳しく解説しているので、交換を検討している場合は合わせてご覧下さい。
【合わせて読みたい記事】
入浴剤が詰まった際におすすめの配管洗浄業者3選
万が一入浴剤が配管に詰まってどうしようもない時は、配管洗浄業者に依頼しましょう。
ただ、業者に依頼したことない場合はどこに連絡すれば良いかわからない方もいらっしゃると思います。
そこで、ここでは入浴剤などが配管に詰まった場合におすすめの配管洗浄業者を3社紹介します。
DUSKIN
DUSKINは全国展開しているクリーニング業者であり、モップなどのお掃除用品の販売レンタルが有名です。
また、住宅のクリーニング業務や家事の代行業務、庭木の剪定など幅広く行っています。
DUSKINで配管洗浄を頼むメリットの一つは、価格の安さです。
追い焚き配管洗浄単独なら4,620円でやってくれます。
※そのほか駐車場代金などの諸経費が発生する場合があるので、事前に確認しておきましょう。
初めての方でも手軽に依頼できる価格設定と、大手クリーニング業者ならではの安心感があるので、いくつか検討するならDUSKINを候補に入れてみると良いでしょう。
追い焚き配管洗浄
【参照】浴室クリーニング(ダスキン)
おそうじ本舗
おそうじ本舗は全国に約1700店舗ある有名なクリーニング業者です。
エコキュートの配管洗浄だけでなく、水周りや換気扇などの本格清掃も扱っています。
経年で蓄積した油汚れなども対応できるので、エコキュートの配管洗浄以外でも依頼したい場合はおすすめの業者です。
おそうじ本舗の浴室追い焚き配管掃除は、専用機会での清掃と、配管の除菌を実施してもらえます。
清掃前と後で汚れの測定を実施するので、実際にどのくらいの汚れがきれいになったのがわかるもメリットの一つです。
ただし、おそうじ本舗の浴室追い焚き配管掃除は、金額が25,300円と若干高額になります。※浴室クリーニングとセットにすると38,500円です。
検討する際には他の業者の金額と比較して決めると良いでしょう。
浴室追い焚き配管掃除
【参照】浴室(風呂釜)の追い焚き配管除菌クリーニング(おそうじ本舗)
くらしのマーケット
CMでもお馴染みのくらしのマーケットは、配管洗浄の他にもクリーニングやリフォームなど、対応できる範囲がとても広いのが特徴です。
また、エリアごとに登録している業者が異なり、同じ配管洗浄でも業者の個性が異なるので、自分に合った業者を選ぶことができます。
価格設定も比較的お手頃な値段で実施してもらえるケースが多いようです。
口コミでの評判も良く、手軽に始められるサービスなので、配管洗浄以外にも今後業者に依頼したい作業がある場合は利用してみても良いでしょう。
配管以外でもエコキュートはメンテナンスが必要
ここまでエコキュートで入浴剤を使用する際の注意点をお伝えし、故障を避けるためのポイントを紹介してきました。
ただ、故障を避けるという意味では、他の部分でもメンテナンスを実施する必要があります。
エコキュートはさまざまな部品で構成されており、故障となる原因も複数存在します。
少しでも故障を避けるためには、年に1~2回の業者にメンテナンスを依頼したり、自分でもできるメンテナンスをこまめに実施することが大切になります。
なお、エコキュートの寿命を少しでも延ばすためのコツや、自分でもできるメンテナンスの方法について以下の記事で詳しく解説しているので、合わせてご覧下さい。
【合わせて読みたい記事】
まとめ
- エコキュートで入浴剤は使用できるが、メーカーごとの推奨品を使うのが大前提
- メーカーによって使用できる入浴剤の幅は異なる
- 指定品であっても入浴剤を使用するなら配管のメンテナンスが必須
エコキュートで入浴剤を使用することはできますが、故障を避けるためには指定品を使用することや定期的なメンテナンスなどを心がけることが重要です。
少しでもエコキュートの寿命を長くできるように、正しい方法で使いましょう。