エコキュートが設置できる場所の条件とは?設置にかかる費用も合わせて解説

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エコキュートが設置できる場所の条件とは?設置にかかる費用も合わせて解説

この記事の監修者

富澤 貴弘

群馬県内の電気工事会社に7年間勤め、27歳で独立、TomiDen株式会社設立。 現在は10名のスタッフと共に、WEBマーケティングやご紹介等により獲得した、 BtoB ,BtoCの電気工事関連の業務を数多く担っております。 長い現場生活の中で培った「職人の技術」と「豊富な知識」から、 ご家庭やより多くのお客様に電気工事や家電に関する知識やノウハウをお届け出来ればと思い、 第1種電気工事士として、本ブログサイトにて執筆中。

エコキュートが設置できる場所の条件とは?

エコキュートの導入を検討するとき、悩みの種となりやすいのが本体の設置場所です。

エコキュートはガス給湯器と比べてサイズが大きいので、家のどのスペースに置こうか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

また、人によってはエコキュートの運転音が気になる方もいて、近隣のことも配慮しながら選ぶ必要があるため、余計に困惑してしまう場合もあるようです。

今回の記事では、エコキュートの設置場所を悩んでいる方向けに、どの場所に設置したら良いか、設置場所に応じた適切なエコキュートの選び方について解説します。

設置場所が決まらず、エコキュートの導入をなかなか進められない方は、是非参考にして、適切な設置場所を見つけてみてください。

エコキュート設置に必要なもの

エコキュート設置に必要なもの

まずは、新しくエコキュートを導入する上で必要なものを解説します。

設置スペースなど物理的な部分だけでなく、申請手続きなどもあるので、あらかじめ認識しておきましょう。

設置スペース

エコキュートは機械本体のほかに、ヒートポンプユニットというエアコンの室外機のような見た目をした装置を設置します。

ヒートポンプユニットは、エコキュートの動力源となる大気中の熱エネルギーを取り込む大切な役割を担います。

そのため、エコキュートを設置する際は、本体+ヒートポンプユニットを考慮したスペースが必要となります。

配管工事

エコキュートを新たに設置する場合には、給水配管工事、ドレン排水工事、追い焚き配管工事が必要となります。

基本的な内容はガス給湯器と変わらないので、給水配管、追い焚き配管についてはガス給湯器で使用していた配管を再利用するケースが大半です。

 また、配管工事を行う際の注意点として、保温加工を行うかどうか業者に確認しましょう。

 なぜなら、寒冷地はもちろん、寒冷地以外の地域でもエコキュートの配管は凍結する可能性があります。

 凍結するとお湯が使えなくなるので、保温加工の有無は必ず確認しましょう。

 エコキュートが凍結した場合の対応法およびに予防法については、以下の記事でまとめているので、あわせてご覧ください。

電力会社への申請手続き

ガス給湯器や電気温水器からエコキュートに交換する場合は、電気資格を保有する業者によって、電力会社へ申請書類を提出する必要があります。

申請書類の内容は、低圧電力申込書、増設申込調査結果記入表、負荷設備内訳表などがあります。

なお、電力会社への申請は、新規取り付けの場合に実施しますが、既存のエコキュートの交換の場合でも、タンク容量に変更が生じた場合は電力会社への変更申請を提出する必要があります。

そのため、既存のエコキュートを交換する際にも、必要書類はないか念の為業者に確認した方が良いでしょう。

エコキュートを設置する前に確認すること

エコキュートを設置する前に確認すること

ここでは、エコキュートを設置する前に自分自身で確認すべきことを解説します。

エコキュートを設置する際は、基本的に業者が現地見積りをしてくれますが、任せきりにするのではなく、自分自身で確認しておくことで、業者との話し合いがよりスムーズに進めるこおができるでしょう。

設置スペースがどれくらい作れるか

多くの施工業者は、現地調査に来る前に、ざっくりとした情報を聞いてきます。

その際にほぼ必ず聞かれるのは設置スペースを「どのくらい作ることができるか」です。

詳細は現地調査で見てもらうので、事前ヒアリングの段階では、「1m四方」、「○m×○m」など、おおまかなサイズを測って業者に伝えるようにしましょう。

エコキュート本体ギリギリくらいのスペースだと、設置してから通り道として使っていた場所が通れなくなった、ということも起こり得るので、設置後どのように利用するかイメージしておくと良いでしょう。

騒音で近隣に迷惑がかからないか

エコキュートを設置する際に知っておきたいのが、過去にエコキュートの騒音が問題で訴訟にまで発展したケースがあるということです。

通常、エコキュートから発せられる音は40dBと言われ、目安でいうと図書館にいるくらいのレベルなので、基本的には日常生活している分にはそこまで気にならないでしょう。

しかし、ヒートポンプユニットから発せられる低周波音が騒音トラブルの原因となることがあります。

低周波音は、耳では聞こえませんが、身体が音に反応することがあり、日中は気にならなくても深夜帯で寝静まる時間帯になると、気になって眠れなくなる方も実際にいらっしゃるようです。

その為、エコキュートを設置する際には、防音シートや防振ゴムを使用するなど、振動による低周波音の発生を軽減策を講じて、できるだけ近隣住民とのトラブルを避けるようにしましょう。

もし騒音問題に発展すると、自己責任扱いとなり、最悪訴訟などに発展してしまうこともあります。

予防費用やメンテナンス費用より手間もコストも掛かってしますので、ある程度の出費は惜しまない方が無難でしょう。

家に振動をおこさないか

前述したヒートポンプユニットの低周波音によって、家自体が振動しているように感じる方もいらっしゃいます。

この場合も、日中はそこまで気にならなくても深夜など静かな時間帯になると気になるケースがあります。

エコキュートの設置場所が寝室に近いような場合は、エコキュートの場所を変更するか、寝室の場所を変えるなどして、寝室とエコキュートとの物理的な距離を保つようにしましょう。

配管を引ける位置にあるか

エコキュートを設置する際には、既存の配管を再利用するため、ガス給湯器や電気温水器が元々あった場所に設置することが多いです。

そのため、元々の場所から遠い場所に設置しようとすると、既存の配管の再利用が難しくなる場合もあるので、既存の配管が使える位置にあるか確認しましょう。

浴槽に近い場所にあるか

エコキュートの位置が浴槽から遠くなると、追い焚きをする際に配管が遠くなる分時間がかかってしまうので、できるだけ浴槽から近い位置に設置するようにしましょう。

適したサイズのエコキュートを選択する

エコキュートはサイズによってタイプが分かれます。

設置したい場所が決まったら、通り道のことなども考えながら、適したサイズのエコキュートを設置しましょう。

エコキュートのサイズ一覧

エコキュートのサイズ一覧

ここでは、エコキュートのタイプ別のサイズをご紹介します。

サイズのバリエーションを理解すれば設置イメージが掴めてくるので、各種サイズをおさえておきましょう。

角形式

一番ポピュラーなタイプです。

サイズはおよそ幅650mm奥行き750mm高さ1860mmです。

タンクに容量によって高さが変動しますが、設置する分には大きな影響はありません。

薄型式

薄型タイプは幅が約1090mmと大きくなりますが、奥行きが450mmくらいに縮小するので、エコキュートを置くと通り道が狭くなってしまう家庭などにぴったりです。

スリムタイプ

スリムタイプは幅600mm奥行き610mmと全体的に縮小化されたタイプです。

縮小した分、容量が300Lになるので、家族の人数や使用状況なども含めて検討すると良いでしょう。

コンパクトタイプ

コンパクトタイプのサイズは、およそ幅430~440mm奥行き560~630mm高さ1830~90mmと全体的に縮小されているので、設置できる範囲が広がります。

ただし、その分タンクの容量が減るので、スリムタイプと同様、総合的に検討する必要があります。

エコキュートの施工手順

エコキュートの施工手順

それでは、エコキュートの施工手順について解説します。

エコキュートの施工手順の流れを知っておくと、全体像が把握できるので、設置スペースを確認するときにイメージがしやすくなります。

1.既存の給湯器を撤去し土台を設置する

エコキュートを設置する前に、まずは既存の給湯器を撤去します。

たまに自前で処分して少しでも費用を削ろうと考える方もいますが、ガス給湯器の場合、処分方法が特殊なため、自前でやろうとすると余計に費用が掛かる場合があります。

その為、処分についても業者に任せるのが無難でしょう。

また、エコキュート導入を機にオール電化にする場合はガス業者との契約を解除する必要もあります。

ガス管を撤去しただけでは契約解除にはならないので注意しましょう。

既存の給湯器を撤去したら、エコキュートを設置するための土台づくりを行います。

エコキュートの本体重量は物によって100kg近いものもあるので、安定を保つためにも土台づくりは必須です。

また、エコキュートの土台づくりには「現場打ち」と「エコベース」の2種類が存在します。

型をとるところから始めて、型にコンクリートを流し込んで土台を作るのが「現場打ち」、既に作られた土台を置くだけで完了するのが「エコベース」です。

「エコベース」は最初から土台を作る手間が省けるので、施工時間の短縮し、コストを抑えられます。

一方、「現場打ち」は時間とコストは掛かりますが、「エコベース」よりも丈夫な土台を作ることができます。

土台をしっかり作ることができるので、地盤などの影響で足場が弱い場所でも、安定してエコキュートを設置することができます。

どちらの土台が良いかは、現場調査の段階で業者が地盤などを見て判断してくれるので、相談して決めましょう。

2.配管・配線工事

配管工事は冒頭でお伝えしたように、給水配管工事、ドレン排水工事、追い焚き配管工事が必要です。

配管工事は、現在の配管を再利用するパターンが多いですが、経年によってダメージが蓄積しているようなら引き直した方が良い場合もあります。

その為、業者が現地調査に来た際に、配管の状態を見て判断してもらうと良いでしょう。

一方、エコキュートの配線工事には、ブレーカー新設工事、配線工事、分電盤の新規または交換工事に分かれます。

エコキュートを新たに設置するには、専用ブレーカーが必要となり、分電盤から電力供給することが多いです。

ただし、分電盤に余力が無い場合は新たに分電盤を設置するか、既存の分電盤を交換する必要があります。

また、配線工事とはエコキュートに電力を供給するための線を配置する工事全般を指します。

3.エコキュートタンクの設置

土台完成後、浴槽側のアダプターや配線工事が出来上がったらエコキュートの貯湯タンクを取り付けます。

土台に仮置きした後、アンカーボルトでタンクを水平に調整した上で固定します。

さらに脚回りをブレないようにしっかりと固定すればタンクの方は一旦設置完了です。

4.ヒートポンプユニットの設置

貯湯タンクの設置が完了したら、ヒートポンプユニットの設置に取り掛かります。

ヒートポンプユニットも動かないように固定し、貯湯タンクに接続します。

貯湯タンクに接続後、本体の下部など配線がむき出しになっているところに配線カバーを取り付ければ完了です。

5.運転テスト

貯湯タンクやヒートポンプユニットの設置が完了したら、実際に作動するか運転テストを行います。

運転テストで異音やお湯の排出量などをチェックして、問題なければ作業が完了となります。

エコキュート設置に掛かる費用

エコキュート設置に掛かる費用

エコキュートの設置にかかる費用は、新規の場合だとおおよそ40〜45万円ほど掛かります。

ただし、既存で使用している給湯システムによって交換費用が異なるので、あくまでも目安として捉えてください。

なお、エコキュートの交換費用については、以下の記事で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。

まとめ

  • エコキュートを設置する際には、設置スペースのほかにも周囲に対する騒音などにも気を配る必要がある。
  • エコキュートは設置する場所によって、選択するタイプが変わってくる。
  • エコキュートを設置する課程を理解すれば、施工の全体像を把握することができる。

エコキュートを設置する場所を決めるにはいろいろと試行錯誤する場合もありますが、タイプによっては狭い場所でも対応できるので、想像しているよりも選択肢が広がることが多いです。

大半の施工業者は見積りを無料で実施しているので、迷ったらまずは現地見積りを依頼してみると良いでしょう。

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