エコキュートは省エネでコストパフォーマンスが高い電気給湯器です。
設置には費用が掛かるものの、電気代を安く抑えられることから、注目されています。
そんなエコキュートですが、長期的に使うためにはメンテナンスが大切だということを知っていますか?
エコキュートは省エネ機器ですから、できるだけ長くお得に使い続けたいですよね。
この記事では、「エコキュートのメンテナンスの必要性やその頻度」から「エコキュートのメンテナンス方法」まで、エコキュートのメンテナンスについてご紹介します。
これからエコキュートを使いたいと思っている人や今エコキュートを使っている人は
ぜひチェック してみましょう。
Contents
エコキュートのメンテナンスの必要性とは
一般的にエコキュートの寿命は10~15年だと言われていますが、しっかりとしたメンテナンスをしなければもっと短くなる可能性もあります。
購入に大きな費用が掛かるエコキュートを少しでも長く使うためにはメンテナンスが重要です。
メンテナンスしないとどんな問題が起こる?
では、実際にエコキュートをメンテナンス しなければどのような問題が起こるのでしょうか。
主に、次のような問題が起きる可能性が考えられます。
- お湯が汚くなる
- コストが上がる
- 故障しやすくなる
- 部品が劣化しやすくなる
お湯が汚くなる
エコキュートのメンテナンスでは定期的に貯湯タンクや配管、フィルターの清掃を行いますが、これらの箇所を清掃しなければ、不純物が溜まってお湯に混じる可能性があります。
自分でも汚れは簡単に落とすことができるので、定期的に清掃することが大切です。
コストが上がる
エコキュートのメンテナンスを怠っていると、汚れや不純物が溜まってエコキュートの動きが悪くなる可能性があります。
エコキュートの動きが悪くなると、電気代や水道代が高くなってしまう可能性もあります。
また、メンテナンスを怠ると故障しやすくなるので、定期的にメンテナンスすることが大切です。
故障しやすくなる
エコキュートの寿命は一般的に10~15年ほどだと言われていますが、それはしっかりメンテナンスを行っていた場合の寿命です。
メンテナンスを怠ると、使用している部品の悪化やフィルターの詰まりを招き、エコキュート本体の寿命が短くなります。
中には10年も持たずに買い替えを余儀なくされるケースもあります。
エコキュートの買い替えには約30万〜70万円前後の費用が掛かるため、こまめなメンテナンスで未然に故障を防ぎましょう。
部品が劣化しやすくなる
エコキュートには、使用することによって消耗していく部品が含まれています。
例えばポンプ類やパッキンなどが消耗部品に挙げられますが、メンテナンスを怠ると汚れが溜まり、これらの部品の劣化を早めてしまう可能性があります。
消耗部品はメーカー保証の範囲外になっていることが多いので、メンテナンスをしてできるだけきれいに長く使いましょう。
エコキュートの基本構造
エコキュートのメンテナンス方法を知る上で 、まずはエコキュートの構造を簡単に理解しましょう。
エコキュートは大きく分けて2つの構造(貯湯タンク・ヒートポンプユニット)からできています。
これら2つの機器がエコキュートを動かす主な機器です。
エコキュートは、どちらか一方が故障するだけで利用できなくなってしまうため、それぞれの機器が正常に作動するよう、定期的にメンテナンスや点検を行いましょう。
以下に、それぞれの役割についてご説明します。
貯湯タンク
貯湯タンクとは基本的に屋外に設置する大きなボックスのことで、水や沸かした後のお湯を溜めておく部分のことです。
この貯湯タンクに貯めたお湯が配管から水栓に送られています。
ヒートポンプユニット
ヒートポンプユニットも屋外に設置するもので、エアコンの室外機に似ています。
この機器が外の空気を取り込み、その熱を使用してお湯を沸き上げるという仕組みでエコキュートはお湯を沸かしています。
大気中の熱を利用してお湯を沸かせるため、電気代を大幅に削減できます。
エコキュートのメンテナンス方法と頻度
エコキュートを長く使うためにはメンテナンスをこまめに行うことが大切です。
以下に、自分でできるエコキュートの主なメンテンナンス方法とその頻度をご紹介します。
貯湯タンクの清掃
エコキュートのメンテナンスの中で重要なものの一つが貯湯タンクの清掃です。
貯湯タンクの清掃をしないと「お湯が汚れる・お湯に不純物が混じる」などの問題が起こる可能性があります。
【メンテナンスの流れ】
- 漏電遮断器の電源を切る
- 給水止水栓を閉じる
- 逃し弁レバーを上げる(約1分)
- 排水栓を開いて排水をする(約2分)
- 排水が止まったら給水止水栓を開く
- お湯が出るのを確認する
- 逃し弁レバーをもどす
- 漏電遮断器の電源を入れる
- お湯側の混合水栓を開いてお湯が出るのを確認する
【メンテナンスの頻度】
- 1年に2~3回程度
※排水の際には熱湯が出てくることがあるのでやけどに注意しましょう。
上の流れを見ると難しそうに感じるかもしれませんが、お湯を排水するだけなのでやってみると意外と簡単な作業です。
フィルター清掃
フィルターは給湯・追い炊きの際にお湯が通る金具内部(浴槽内)についています。
フィルター内に溜まったゴミ・不純物を清掃してお湯の通りを良くしましょう。
【メンテナンスの流れ】
- フィルターを外す
- 外したフィルターを水で洗い流す
- ※汚れた歯ブラシなどで擦ると汚れがよく落ちます。
- フィルターを取り付ける
【メンテナンスの頻度】
- 毎日
- ※エコキュートの種類によってはフィルターが付いていないタイプもあります。フィルターの取り外し方、取り付け方は説明書で確認しましょう。
フィルター清掃は簡単な作業なのでお風呂掃除の際に毎日行うのがおすすめです。
毎日行うと汚れも溜まりにくいので清掃が楽になります。
配管清掃
お風呂とエコキュートをつなぐ部分である配管の清掃も重要です。
最近は自動洗浄機能が付いているタイプも多いですが、それでも毎日使っていると汚れが溜まってしまいます。
市販されている配管用の洗浄剤を利用して、配管内の汚れを綺麗にしましょう。
【メンテナンスの流れ】
- 浴槽にお湯を張る
- 風呂配管用洗浄液を浴槽に入れる
- リモコンの「風呂配管洗浄」ボタンを押す
- 配管洗浄が終わったら浴槽のお湯を抜く
- 浴槽内にある循環口から10㎝上までお湯を張る
- 再度「風呂配管洗浄」ボタンを押す
【メンテナンスの頻度】
- 半年に1回
風呂配管洗浄はボタン一つで行うことができる作業です。
また、風呂配管用洗剤はドラックストアなどで購入できます。
あまり手間がかからない作業なので、定期的にメンテナンスを行いましょう。
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ヒートポンプユニットの水抜き
ヒートポンプユニットとは熱をつくる部分で、この部位に配管があります。
配管内に汚れが溜まってくるので定期的にメンテナンスしましょう。
【メンテナンスの流れ】
- ヒートポンプユニットの水抜き栓(3つ)を開ける
- 1分経過したら水抜き栓を閉じる
【メンテナンスの頻度】
- 3・4か月に1回
これも簡単な作業でありながら効果的なメンテナンス法です。
忘れず定期的に行いましょう。
リモコン掃除
リモコンも毎日使っていると汚れが溜まってきます。
画面を綺麗に保って清潔に使いましょう。
【メンテナンスの流れ】
- 乾いた布・固く絞った布で拭く
【メンテナンスの頻度】
- 汚れが気になったとき
- ※アルコール・シンナー系薬品を使うと故障する可能性があるので、このような薬品の使用は控えましょう。
エコキュートを長く使うためには以上のようなメンテナンスをこまめに行うことが大切です。
そして、メンテナンスと同様に重要なのがエコキュートの点検です。
点検を行って部品の劣化や故障を早く見つけましょう。
次にエコキュートの点検項目をご紹介します。
エコキュートの点検項目とは
エコキュートを長く使用できるようにするために、メンテナンスと同様に重要なのがエコキュートの点検です。
エコキュートの点検を行い、部品の劣化や故障を早く見つけるために、定期的に点検すべき部位を把握できるようにしましょう。
そして、もしものときに正常に作動するかチェックして安全に長く使用できるように しましょう。
配管接続部
配管は劣化しやすい部品です。
特に接続部から水漏れが起こりやすいので注意しましょう。
【方法】
- 配管の接続部から水漏れがないか確認する
- 配管の保温材が破損していないかどうか確認する
【頻度】
- 1年に2・3回
漏電遮断器
漏電遮断器は、漏電による火災や感電事故を起こさないための安全装置です。
この機器が正常に作動していれば、漏電が起きた場合でも、自動的に電気を遮断してくれます。
正常な動作ができるか定期的に確認しましょう。
【方法】
- 操作窓を開ける
- 「テスト」ボタンを押す
- エコキュートの電源が切れることを確認する
- 電源レバーをオンに戻す
テストボタンを押した後にエコキュートの電源が切れれば、正常に作動しています
【頻度】
- 1年に2・3回
- ※漏電遮断器はエコキュートを安全に使うために大切な機能です。正常に作動しない場合は、業者の方に連絡しましょう。
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逃し弁
逃し弁はお湯を焚いたときに発生した膨張水を外に出すためのものです。
エコキュートのタンクが高圧にならないよう調整をしてくれるので、逃し弁がしっかりと機能しているか確認しましょう。
【方法】
- 逃し弁レバーが上げ下げできるか確認する
- レバーを上げたときに水が出るか確認する
- レバーを下げた時に水が止まるか確認する
【頻度】
- 1年に2・3回
- レバーを元に戻した後もお湯や水が出てきていた場合は、メーカーや業者の方に連絡しましょう。
凍結防止機能
エコキュートは屋外に設置されているため、外気温の影響を受けやすくなっています。
凍結が発生する気温まで下がる環境では、適切な凍結防止対策を施していないと、エコキュートの故障につながることがあります。
氷点下以下まで気温が下がり配管内が凍結すると、配管の破損につながるため、寒冷地および冬の気温が低下する時期には、凍結防止ができているかの点検が大切です。
【凍結を防ぐための方法】
- 配管周辺の温度低下を防ぐための配管カバーを使用する
- 凍結防止ヒーターを使用する
【時期】
- 気温が下がる前
- ※配管が凍ってしまった場合は、配管にぬるま湯をかけるか、外気温が上がるまで放置してください。熱湯を直接かけると、配管の破損につながるため注意しましょう。
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業者によるメンテナンスも重要性
ご自身でできるメンテナンスも大切ですが、普段のメンテナンスだけでは補えないものもあるため、定期的に業者の方へメンテナンスを依頼することがおすすめです。
以下に、頻度や費用相場についてまとめておりますので、参考にしてみてください。
【頻度】
- 3年に1度くらい
- ※消耗部品は3年程度で劣化してくるものが多いので、3年に1度くらいの頻度でメンテナンスしてもらうのがおすすめです。
【費用相場】
- 1~2万円くらい
- ※修理・消耗部品の交換が必要な場合は別途料金が必要です。
怪しい訪問業者に注意しよう!
メンテンナンス業者を装って高額な修理代を請求する悪徳な業者も報告されています。
あまりにも安い金額で点検を行う場合や身元が分からない業者の点検には注意しましょう。
エコキュートの買い替え時期と費用相場
エコキュートを日頃からメンテナンスや点検により、長く使用できるようにする方法をお伝えしてきましたが、やはり寿命があります。
では、エコキュートの買い替えのタイミングや、交換する際の費用相場についてご紹介します。
エコキュート買い替え時期
エコキュートの寿命は一般的に10~15年だと言われていますが、使い始めて10年ほど経つと、修理してもまた、別の箇所で新たな不具合が発生することがあります。
結果的に修理費がかさんでしまう場合もあるため、使い始めてから10年以上経過している場合は、買い替えも検討してみてください。
また、次のようなサインが出たらエコキュートの買い替えを検討すべきです。
買い替えの検討が必要なトラブルとは
エコキュートを使い始めて長い人で以下のようなトラブルがある場合は買い替えを検討してみても良いでしょう。
買い替えの検討が必要なトラブルをいくつかご紹介します。
お湯が出ない
お湯が出なくなった場合は、故障の可能性があります。
ただ単に貯湯タンクのお湯がなくなっていることも考えられますが、再度沸き上げをしてもお湯が出ない場合は、業者の方に連絡して確認してもらいましょう。
エラー表示がついたまま
エコキュートはトラブルが発生するとエラー表示がされます。
エラー表示に従って対処してもエラー表示が消えない場合は、何らかのトラブルが起きている可能性があるので、業者の方に相談しましょう。
変な音がする
エコキュートは通常時でも作動中に多少の音がしますが、いつもより大きな音や変な音がする場合は故障している可能性があります。
業者の方に連絡して点検してもらいましょう。
水漏れしている
貯湯タンクや排水管などから水漏れを起こしている場合は、明らかにおかしいと思うくらいの量の水やお湯が漏れ出します。
このような場合は故障の可能性が高いので、業者の方に連絡しましょう。
漏電遮断器が作動した
エコキュートは長く使っていると部品や機器が劣化して漏電やショートを起こす可能性があります。
漏電遮断器が作動するのはこのような故障が原因の可能性が高いです。
漏電遮断器が作動したときは、業者の方に連絡しましょう。
ただし、落雷・水害が原因で漏電遮断器が作動することもあります。
そのような場合は電源をONにして様子をみてみましょう。
エコキュートの利用から10年以上経過している場合、長期的な利用によって様々な場所が経年劣化していることが考えられます。
そのため、修理をしても、また別の場所で故障が発生することもあります。
同じ機器を使い続けるのではなく、新しいエコキュートへの買い替えの方がお得なこともあるため、買い替えを検討しても良いでしょう。
買い替えの費用相場
エコキュート買い替えの際には、エコキュート本体代と工事費が必要です。
本体の機種や工事内容によって費用は変わりますが簡単に費用相場をご紹介します。
エコキュート本体代 | 15~40万円 |
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工事費用 | 10~15万円 |
エコキュート本体代にかなり幅があるのは、機種のスペックや容量・機能の差が大きいからです。
一般的にハイスペックな機種は費用が高くなります。
工事費用にも幅があるのは、本体の大きさや工事内容に差があるからです。
基本的に大きな機種や設置が難しい工事は費用が高くなります。
ただし、エコキュート本体も工事費用も業者によって変わるので、いくつかの業者で見積もりを取ってから購入する業者を決めるのがおすすめです。
まとめ
エコキュートはエコな生活に欠かせない電気給湯器です。
エコキュートの寿命は10年程度ですが、それはしっかりとメンテナンスした場合で、メンテナンスを怠るともっと寿命が短くなる可能性があります。
ご自身でできるメンテナンスはどれも簡単なので、定期的に行って長く丁寧に使いましょう。
さらに、自分では見られない範囲のメンテンスや経年劣化の確認をしてもらうために、3年に1度程度は業者の方にメンテナンスしてもらいましょう。
エコキュートの寿命は10年程度なので、使い始めてから10年くらいで故障した時は買い替えを検討してみるのもおすすめです。
エコキュートは長く使えば使うほどお得な機器です。
自分でできる簡単なメンテナンスをして安全に長く使いましょう。