エコキュートのメンテナンスする上で重要なのが配管洗浄です。
エコキュートの配管洗浄は定期的に行うことをメーカーや業者も推奨しています。
ただ、配管は目に見えないから洗浄の必要性があるのかいまいちピンとこない、またはどのタイミングでどのように洗浄したら良いかわからない、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
結論を言うと、配管洗浄などエコキュートの掃除を怠ると、本体の故障に繋がる可能性も高くなる上、最悪の場合は健康被害に及ぶ場合もあります。
そのため、配管洗浄と甘く見るのではなく、定期的にメンテナンスをして清潔な状態を保つようにしましょう。
この記事では、エコキュートの配管洗浄を行う必要性を説明し、実際に配管洗浄するタイミングや配管洗浄の方法についても解説します。
エコキュートの寿命を長持ちさせる手助けとなるでしょう。
エコキュートはランニングコストも低く、地球環境にもやさしい製品ですが、配管洗浄をはじめとしたメンテナンスを実施すれば、より効率的な運用ができるので、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
エコキュートの配管を洗浄する必要性
まず、エコキュートの配管洗浄する必要性について理解してもらうために、配管洗浄を放置した場合どのようになるのかご紹介します。
汚れは目に見えないからこそ、どのようになるのか意識することが大切です。
配管は日々汚れている
汚れの主な原因は人間の脂質であり、蓄積された脂質が配管汚れの原因になります。
つまり、入浴するたびに脂質が含まれた水が配管を通過するので、日常的に配管は汚れていくことになります。
そのため、汚れが大量になる前に日頃からのメンテナンスで配管洗浄する必要があるのです。
また、入浴剤を使うと、入浴剤の成分が配管に付着してさらに汚れの原因となることもあります。
エコキュートでは基本的にメーカーで推奨されている入浴剤しか使えませんが、推奨されている入浴剤でも汚れが蓄積する場合があるので、頻繁に使用するのは控えた方が良いでしょう。
汚れを放置すると菌が繁殖する
上記で説明した脂質や入浴剤など配管の汚れとなる原因を放置すると、レジオネラ菌という細菌が繁殖する恐れがあります。
レジオネラ菌とは、主に肺炎を引き起こす細菌で、高熱・頭痛・呼吸困難などの症状や、場合によっては心筋炎を引き起こす可能性があります。
特に高齢者や新生児をはじめ、喫煙者やそのほかの病を患っている方など、免疫機能が低下していると感染のリスクが高いです。
レジオネラ菌は、主に配管内のぬめりから発生するため、ぬめりを放置せず定期的に配管洗浄をしてメンテナンスを行いましょう。
本体の故障につながる可能性もある
配管洗浄を怠ると、配管内に汚れがどんどん溜まっていくので、水漏れをはじめ、本体の故障につながる可能性があります。
エコキュートの寿命は平均で10~15年ですが、定期的にメンテナンスをしないと平均寿命 よりも先に壊れるか、余計な修理費用が発生する場合があるので、やはりメンテナンスは 必須と言えるでしょう。
配管洗浄が必要なタイミング
ここまでご覧いただくと、「配管洗浄の必要性は分かったけど、どのくらいの頻度で配管洗浄すれば良いのかわからない」、という疑問を持たれた方もいるのではないでしょうか。
そこで、ここでは配管洗浄のタイミングについて詳しく解説します。
洗剤を用いた配管洗浄の目安は3ヶ月に1回
後述しますが、配管洗浄にはエコキュートに元々ついている配管洗浄機能で洗浄する場合 と、洗剤を用いて自主的に洗浄する方法の2パターンがあります。
この内、自主的に配管洗浄する方法については3ヶ月に1回(4人家族の場合)を目安に行うようにしましょう。
家族の人数が多い、または一人の入浴頻度が高いという方は1〜2ヶ月に1回程度行っても良いでしょう。
白いゴミが出てきたとき
お湯を沸かしていて白いゴミが出てきたらすぐに配管洗浄を実施しましょう。
なぜなら、白いゴミは配管内にこびりついていた皮脂や入浴剤の成分なので、「白いゴミがお湯と混ざって出てきた=配管内が汚れている」という合図でもあるからです。
ただし、白いゴミが出てくる原因は、配管の他にもフィルターやエコキュートのタンク内の汚れも考えられるので、配管洗浄しても出てくるような場合は、他の箇所の洗浄も実施しましょう。
茶色いお湯が出てきたとき
長年の汚れが蓄積すると、お湯が茶色くなって底に汚れが沈澱することがあります。
このような場合はまず自身で配管洗浄をやってみて、それでも改善されない場合は、専門業者に依頼して、専用の器具や洗剤を使用した配管洗浄を実施するようにしましょう。
エコキュートの配管洗浄方法
それでは、実際にエコキュートの配管を洗浄する手順について解説します。
一度やってみればそこまで難しい手順ではないので、記事を参考にしながらやってみてください。
1.配管用洗剤を選ぶ
まずは配管洗浄するための洗剤を選びます。
基本的にエコキュートの配管用洗剤はメーカーから推奨されている商品があるので、
必ず推奨商品を確認して選ぶようにしましょう。
推奨商品以外を使用すると、洗剤に含まれた成分によって、本体や配管を損傷してしまう恐れがあるので注意してください。
※多くのメーカーのエコキュートでは「ジャバ 1つ穴用」を使用できるようです。
「ジャバ 2つ穴用」はエコキュートには使用できないので購入する際は注意しましょう。
2.残り湯に洗剤を混ぜる
浴槽の残り湯に配管洗浄の洗剤を混ぜます。
残り湯の量は浴槽の循環口から5センチくらい上まで行くように調整してください。
3.追い焚きで循環洗浄を実施する
浴槽のお湯に洗剤を混ぜたら追い焚きを運転します。
もし、追い焚きが作動しない場合はお湯の量が足りない可能性があるので、足してから再度運転してみてください。
追い焚きを実施したら、10〜15分ほど放置します。
※追い焚きの時間は5~10分程度です。
時間が経ったら溜まっている水を一度排水して次のステップに進みます。
4.手動で水を貯めてすすぎ運転(追い焚き)
追い焚き後の水を排水したら、蛇口やシャワーを使って手動で水を貯めます。
この時、給湯器の自動運転を使用してしまうと、すすぎ運転の前に配管にお湯が通ってしまうので、自動運転は使用しないよう注意してください。
手動で水を貯めたら、すすぎ運転(追い焚き)を実行します。
すすぎ運転をするためのお湯の量は、追い焚き循環洗浄と同様、循環口から5センチ上を目安にしてください。
5.排水して浴槽を清掃する
すすぎ運転が完了たら排水処理を行います。
排水後は浴槽に汚れが付着しているので、しっかりと清掃を行いましょう。
配管洗浄の際の注意点
ここまで配管洗浄の方法について解説しましたが、配管洗浄を実施するに当たってはいくつか気をつけるべき点があります。
ここでは、配管洗浄の際の注意点について解説するので、洗浄前にあわせて確認するようにしてください。
入浴剤は混ぜない
配管洗浄は原則残り湯を使用しますが、お湯に入浴剤が混ざっている場合は新しく張り直してください。
なぜなら、入浴剤が残った状態で洗浄すると、洗浄剤と入浴剤の成分が混ざってしまい、洗浄力が低下する恐れがあるからです。
そのため、入浴剤を使用した場合は一度排水処理を行い、簡単に浴槽を掃除してから、新しいお湯を張るようにしてください。
洗剤の種類を間違えないようにする
前述しましたが、エコキュートで使用できる配管洗浄の洗剤はメーカーで推奨されています。
メーカーによっては市販のものではなく、メーカーが提供している洗剤があるので、極力市販品ではなくメーカー推奨品や提供品を使用するようにしましょう。
洗剤は全体にまんべんなく混ぜる
洗剤をお湯に混ぜる際は、1箇所に入れるのではなく、全体に洗剤が行き渡るように混ぜ てください。
洗剤が1箇所に固まってしまうと、洗浄効率が下がる可能性があります。
また、洗剤を混ぜる際は手で混ぜるのではなく、棒などを使って混ぜるか、手袋や長袖の衣 類などを着用して直接皮膚に触れないようにしてください。
もし、洗剤を混ぜた後のお湯に皮膚が触れてしまうと、肌が荒れてしまうので注意が必要です。
各メーカーの配管洗浄機能
ここまで、自主的にできる配管洗浄の流れについて解説しましたが、エコキュートには各メーカーごとに提供している洗浄機能があります。
ここでは、各メーカーごとの洗浄機能について解説するので、次回エコキュートを検討する際の参考にしてみてください。
三菱
三菱の洗浄機能は「バブルおそうじ」で、約0.1ミリのマイクロバブルが配管の汚れを除去してくれます。
しかも、バブルおそうじはお湯を抜けば自動で掃除してくれるので、ある程度配管をきれいな状態に保ってくれます。
パナソニック
パナソニックのエコキュートには自動配管洗浄と手動配管洗浄があり、この内、自動配管洗浄は排水後、貯湯ユニットから約10Lのお湯を流して洗浄する仕組みです。
※手動配管洗浄は前述した通りのやり方なので、定期的に実施しましょう。
ダイキン
ダイキンのエコキュートには配管に残った水を自動注水で洗い流してくれるかんたん洗浄機能がついています。
リモコンでも操作が可能なので、気になったタイミングで掃除することも可能です。
TOSHIBA
TOSHIBAのエコキュートは「銀イオンの湯」という機能がついており、内蔵された銀イオンを発生ユニットが、浴槽のお湯だけなく配管の洗浄も自動で行ってくれます。
日立
日立のエコキュートで特徴的なのが「ステレンス・クリーン自動洗浄システム」です。
追い焚き配管を通常の銅配管からステンレス配管にすることで腐食を防ぐ上、排水時に追い焚き配管の自動洗浄を行って、よりきれいな状態に保ってくれます。
コロナ
コロナのエコキュートには自動配管洗浄が付いていて、排水時にお湯が循環口近くに達すると、自動で水が出てきて、配管内の汚れを落としてくれます。
配管洗浄を業者に依頼した場合の費用相場
経年の劣化により、配管の汚れの量が膨大だと、自身で行う配管洗浄では対処しきれない場合があります。
そういった場合は、配管洗浄を業者に依頼するのも一つの手段です。
業者や内容によって金額は変動しますが、洗浄費用の概算は5,000円〜30,000円が目安となります。
「自身で配管洗浄やっても改善されない」という方は一度見積りを取って検討すると良いでしょう。
経年劣化でどうしようもない場合は交換も視野に入れる
自身で洗浄を実施したり、業者に配管洗浄を依頼した場合でも、エコキュート本体が経年劣化している場合は、エコキュートの本体の交換も視野に入れましょう。
修理して改善する方法もありますが、エコキュートの寿命は10~15年なので、近しい年数で使用している場合は交換のタイミングとも言えます。
エコキュートの本体を交換する場合、およその費用が約40〜50万円程度掛かります。
業者や依頼する内容によって費用は異なるので、まずは見積りを取りましょう。
なお、エコキュートの交換費用については、以下の記事で詳しく解説しているので、合わせてご覧ください。
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まとめ
- エコキュートの配管の汚れを放置すると健康被害にも繋がるので定期的なメンテナンスをしましょう。
- エコキュートの配管洗浄は3ヶ月に1回を目安に実施し、家族の人数が多かったり使用頻度が多い場合は2ヶ月に1回実施するのがおすすめです。
- メーカーごとに備え付けられている配管洗浄機能も利用しましょう。
配管洗浄をすることで、エコキュートの状態を維持し、ユーザーの健康を保つことにも繋がります。
正しい洗浄方法を理解し、定期的にメンテナンスを実施にしましょう。