エコキュートを日常で使用していると、さまざまなリモコンのエラーが発生することがあります。
普段は出ないような文字が液晶に出たり、時計が点滅しだしたり、そもそもリモコンの電源がつかなかったりと、発生する症状はさまざまです。
症状によっては、お湯はりや温度設定などに支障をきたす場合もあるので、焦ってしまう方も多くいらっしゃるようでしょう。
そこで、今回の記事ではエコキュートのリモコンでよくあるエラー症状を紹介しながら、エラーの改善方法や、故障した場合に発生する費用などについて解説します。
リモコンのエラーや故障はどの家庭にも発生しうる症状なので、他人事とは思わず、今のうちからしっかりと意識しておきましょう。
Contents
エコキュートのリモコンの種類
まず、そもそもエコキュートのリモコンにはどういった種類があるのか解説します。
場合によっては、操作方法等が異なるケースもあるので、自宅で使用しているリモコンは以下で紹介するどちらに該当するのか確認しておきましょう。
ボタン操作タイプ
エコキュートのリモコンで一番使用されているスタンダードなタイプのリモコンであり、いわゆる押しボタン形式のタイプが該当します。
従来より慣れ親しんで使われてきたので、老若男女を問わず誰でも使用しやすい設計なのが、ボタン操作タイプの最大のメリットと言えるでしょう。
ただし、ボタンとボタンの間に隙間ができるため、その隙間にホコリや汚れなどが入り込んでしまうことがあります。
なので、ボタン操作タイプは定期的に清掃をしないと故障の原因につながるので注意が必要です。
タッチパネルタイプ
タッチパネルタイプはシンプルなデザインが好評なリモコンタイプで、TOSHIBAと長府製作所から発売されています。
また、浴室と台所を無線LANでつなぐワイヤレスタイプも発売されています。
ワイヤレスタイプであれば、今までリモコンの故障の原因として多かった断線の心配がなくなるので、より長く使用できる可能性が高まります。
ただ、タッチパネルタイプはまだまだ出回っている数が少ない上、シンプルがゆえにわかりにくいと言う声が少なからず上がっています。
扱っているメーカーも少ないので、今後増えていくことが期待されます。
エコキュートのリモコンでよく発生する症状と対策方法
それでは、エコキュートのリモコンでよく発生する症状について、対策方法とともにそれぞれ解説していきます。
症状を解説する前に知っておいて欲しいのが、どんな症状が起きても焦らず一旦落ち着いて行動することの大切さです。
焦って業者を呼んでしまい、自分で対応できた修理に対して余計な出費をしてしまうケースも少なくありません。
まずは自分でもできることはないか確認し、それでもダメなら業者に依頼するというスタンスを意識しておきましょう。
リモコンの液晶に何も映らない
リモコンのトラブルで多いのが電源がつかずに液晶に何も映らないような症状です。
液晶に何も映らなくなったら、以下の原因が考えられるので順番に対処していきましょう。
①リモコンの電源が切れている
まずは、リモコンの電源(運転ボタン)が入っているか確認しましょう。
このミスは意外と多く、家族の誰かがスイッチをいじっていたりするケースもあるので必ずチェックしましょう。
②節電モードに設定されている
運転ボタンはついているのに液晶に何も映らない場合は、節電モードに設定されている可能性が高いです。
エコキュートの機種にもよりますが、節電モードに設定しておくと消費電力削減のため一定時間の経過とともに液晶表示が消えるようになります。
節電モードはどれかのボタンを押せば解消するので、ボタンを押せば簡単に解決できる場合がほとんどです。
もし節電モードが紛らわしいと感じる場合は、エコキュート本体の説明書を参考に解除設定をしておきましょう。
③リモコンの配線が断線している
基本的にエコキュートのリモコンは、一般的によく使われている電気の配線で繋がっています。
なので、経年劣化などで電気の配線が断線したりすると、リモコンに電気供給できなくなるので、液晶に何も映らない原因となり得ます。
しかし、電気の配線の交換は、素人で行うには簡単ではないため、断線を発見したら業者に依頼しましょう。
また、エコキュートが通常通り作動している中で断線を見つけた場合でも、すぐに業者に修復依頼をしましょう。
断線を放っておくと、漏電などのトラブルが発生する確率も高まるので注意が必要です
④リモコン本体が壊れている
上記の方法で確認して該当がない場合は、リモコン本体、つまり液晶部分が壊れている可能性が高くなります。
エコキュートのリモコンは基本的に毎日使うものなので、本体よりも先にリモコンが壊れるケースはよくあります。
慣れている人や経験者の方であれば、リモコン本体を手に入れて配線の繋ぎかえやシーリング加工などを自分で行うことも可能です。
ただ、繋ぎかえの方法を間違えるとリモコンが正常に作動しなくなることもあるので、基本的には業者に依頼するのが無難と言えるでしょう。
⑤家の電気供給自体が止まっている
発生率は少ないですが、ブレーカーが落ちているなど、エコキュート以外の原因で液晶が映らなかったというケースも考えられます。
ブレーカーが落ちると家の電気系統全てが止まるので基本的にはすぐ気づくのですが、昼間などあまり電気を使用しない時間帯だと気づくまでに時間がかかる場合もあるので、見落とすこともあるようです。
また、業者が点検にきた際に落としたスイッチを戻し忘れるといったケースも考えられるので、上記の方法でうまくいかない場合は、ブレーカーも念の為確認しておきましょう。
時計が点滅している
時計の点滅は、リモコンが時刻設定を行うよう合図として点滅しているケースが多いです。
エコキュートのリモコンには、災害などの発生時に設定してた時刻が解除されてしまうと、再度設定するよう自動的に点滅するような機能がついています。
そのため、時計が点滅していてリモコンの動作ができない場合は、再度時刻の設定を行いましょう。
大半は時刻の再設定で直りますが、それでも改善されない場合は別の原因が想定できるので、早めに業者に相談しましょう。
設定しても正常に動かない
メーカーによって表示や内容は若干異なりますが、エコキュートのリモコンはワンタッチでお湯張りや洗浄をしてくれます。
お湯の温度なども、元々設定した温度でお湯張りするので、都度操作をしなくてもボタン一つで実施することができます。
しかし、長年使用していると、例えばお湯が正常に出ていなかったり、お湯張りが終わってもお知らせをしてくれなくなったなどの症状が発生する場合があります。
こういった場合は、主にリモコン自体が故障しているケースが考えられるので、早めに業者に修理・交換を依頼しましょう。
ボタンを押しても反応がない
リモコンを使っていると、ある日突然ボタンを押しても反応しなくなったという方もいらっしゃいます。
ボタンを押しても反応がない場合は、リモコンのロック機能が作動している可能性も考えられます。
ロック機能とは、例えば小さいお子様がリモコンのボタンをいじって、設定を勝手に変えてしまうなどの事態を防ぐために備えられた機能です。
つまり、ロック機能が作動している間は、ボタンを押しても反応しなくなります。
メーカーによって異なりますが、ロック機能中はリモコンの液晶に鍵のマークが表示されていることが多いので確認しましょう。
意外と自身でロック機能をかけたことを忘れて焦ってしまうケースもあるようですので注意が必要です。
ただ、ロック機能が作動していないのに反応がないケースもあるので、そういった場合は業者に相談しましょう。
エラーコードが表示される
エコキュート自体に異常が発生すると、リモコンの液晶に普段はあまり見ない英数字の組み合わせが出現することがあります。
この英数字はいわゆるエラーコードと呼ばれるもので、英数字の組み合わせによって表しているエラー内容も異なります。
エラーコードが表示されたら、本体の説明書に書いてある方法を試してみて、それでも改善されない場合は業者に依頼しましょう。
エラーコードの内容によっては、エコキュートの使用自体ができなくなる場合があるので、早急に対処することをおすすめします。
リモコンが故障すると発生するデメリット
続いて、リモコンが故障したら発生するデメリットを紹介します。
デメリットを知って危機感が生まれると、故障した際の次の行動が早くなりやすいのであわせて確認しておきましょう。
自動お湯張り機能が使えない
リモコンが故障するとボタンやタッチパネルでの操作ができなくなるので、自動お湯張り機能が使えない可能性があります。
最近ではボタン一つでお湯を張るのが主流になっているので、お湯張りを自分でやるのはかなり不便だと感じるのではないでしょうか。
また、自動に慣れているとお湯張りをとめ忘れが発生しやすいので、リモコンが使えなくなったら早々に解決した方が良いでしょう。
温度調整ができない
リモコン操作が故障すると、温度調整もできなくなる可能性があります。
温度調整ができないとその日の気温にあった調整等ができなくなるので不便が生じます。
自動配管洗浄機能が使えない場合もある
メーカーによってはリモコンのボタンに配管洗浄機能がついているので、リモコンが故障すると配管洗浄ができなくなる場合があります。
お湯張りや温度調整に比べれば優先度は低いですが、配管の汚れは日々溜まっていくので早めの改善をおすすめします。
お風呂と台所で通信ができなくなる
エコキュートのリモコンはお風呂と台所で通信して会話できたり、呼び出しができるタイプがあります。
リモコンが故障していると、このような通信機能が使えなくなるので、特に年配の方が家族にいる場合は早めに改善して使えるようにした方が良いでしょう。
エコキュートのリモコンを修理した場合の費用
エコキュートのリモコン修理を依頼した時の費用は、症状や依頼する業者によって様々です。
例えば、リモコンの内部部品や、配線の補修などを行うような場合は、2万〜5万円程掛かる場合があります。
一概に部品の交換と言っても、対象の部品や箇所によって範囲が大きく異なるので、金額の振れ幅も大きくなる印象です。
一方で、冒頭で解説したような操作だけで解決できるような症状だとしても、業者に訪問してもらうだけで1万円弱の費用が発生するケースもあります。
なので、やはりリモコンにエラーが生じた場合は、まず自分でできないか確認した上で業者に依頼するようにしないと、余計な費用が発生してしまう可能性が高くなります。
特に、メーカーに直接修理を依頼すると修理費用が高額になるケースも多いので、修理の際も業者選びには気をつけたいところです。
エコキュートのリモコンを交換した場合の費用
自分で改善できる方法を試してみて、ダメだった場合は業者に依頼することになりますが、リモコンの場合は部品を交換するかリモコン本体を交換するかで内容が分かれます。
基本的に、エコキュートのリモコン本体を交換した場合の費用は約5〜10万円のため、中途半端に部品を交換するのであればリモコン本体を交換した方がお得なケースもあります。
迷った時は部品を交換した場合の金額と、リモコン本体の使用年数などを検討材料にして判断すると良いでしょう。
ただし、配線側に問題がある場合は、リモコン本体を交換しても改善できないので注意です。
エコキュートの修理を依頼できる業者
ここでは、エコキュートの修理を依頼できる業者をいくつか紹介します。
それぞれの特徴をおさえて自分が依頼しやすい業者を確認しておきましょう。
エコキュートのメーカー
修理といえば真っ先に思い浮かぶのがメーカー修理です。
修理の専用ダイヤルを持っているメーカーも多く、比較的対応が早い傾向にあります。
ただ、メーカーに修理を依頼すると金額が高くなる傾向があります。
電気専門店
普段依頼している電気専門店でも、修理依頼できることが多いです。
電気専門店は地域密着型のところが多いので、ユーザーに寄り添った対応が期待できます。
電気専門店によっては対応できる範囲が異なるので、修理できる範囲についてはHPや問い合わせなどで事前に確認すると良いでしょう。
ネットで依頼できる修理業者
値段や対応など、総合的におすすめなのがネットで依頼できる業者です。
対応範囲も広いので、多くの方が利用できるのも魅力の一つと言えます。
ただ、すべての業者が優良というわけではないので、ネットで依頼する場合には口コミなどで事前に業者の情報を確認しましょう。
場合によっては複数の業者に見積り依頼するのも一つの手段です。
リモコンの故障=エコキュートの交換時期である可能性も
通常、エコキュートの寿命は平均で10~15年が目安だといわれています。
なので、もしリモコンが故障したタイミングで一定の年数が経過していれば本体ごと交換するのも手段の一つです。
年数が経過していると、リモコンを交換した後に本体側の部品が次々と壊れて結局余計な費用が掛かってしまった、というケースも実在します。
そのため、現状をよく把握した上でどうすれば良いか、業者に相談しながら検討するようにしましょう。
エコキュートのリモコンをメンテナンスする方法
エコキュートのリモコンは、ボタンの間にほこりや汚れが詰まったりすると故障の原因に繋がりやすくなります。
そのため、月に1回くらいのペースでリモコンの清掃を行うと長持ちする可能性が高まります。
よく発生するエコキュートのエラーコードと対処方法
ここでは、エコキュートのリモコンでよく表示されるエラーコードについて、対処方法とともに解説します。
メーカーによっては同じ症状でも表示されるエラーコードが異なる場合があります。
なので、以下に掲載の無いコードは、本体の説明書を見たり、エラーコードの内容を検索すると対処方法が見つかることが多いので実施してみてください。
h54
h54はダイキンとパナソニックで扱われるエラーコードで、エコキュートでお湯を沸かすために必須である三方弁が故障していることを指しています。
三方弁が壊れてしまうと、タンク内の水とお湯が混ざってしまい、機械が沸き上げ完了したと勘違いしてしまうのです。
そのため、三方弁の故障エラーということでh54の表記がされるのです。
h54が表記されたら、まずは本体のリセットを実行しましょう。
本体をリセットするとエラーコードが消えることがあります。
もしリセットしても改善しない時は修理が必要なケースも多いので、早めに業者に依頼しましょう。
h56
h56はダイキンとパナソニックで扱われるエラーコードで、お湯を適温に保つための混合弁が故障していることを指しています。
混合弁が故障すると、適温のお湯はりができなるため、自動お湯はり機能が使えなくなるデメリットがあります。
タンク内の混合弁が故障しているか、うまく開いていない可能性があるので、業者に依頼して対処しましょう。
h16
h16はコロナのエコキュートで扱われるエラーコードで、給水ポンプの故障を指しています。
h16が表示された場合は、まず本体のリセットをして、復旧しなかった場合はストレーナーのフィルターが汚れて詰まっている可能性があるので清掃してみましょう。
清掃してもエラーが消えない場合は、ポンプが壊れている可能性が高いので、業者に交換・修理を依頼しましょう。
c21
c21は三菱のエコキュートで扱われるエラーコードで、タンク内にお湯が入っていないことを表示しています。
タンクのお湯が入っていないことが原因なので、タンクへのお湯の供給の他、止水栓の開閉チェック、配管洗浄などを試してみることで改善する場合があります。
解決できない場合は、配管の故障などが考えられるので、そのような場合は業者に修理を依頼しましょう。
まとめ
- エコキュートのリモコンの故障は自分で解決できる場合がある
- リモコンの故障をほうっておくと発生するデメリットが多い
- 場合によってはリモコンだけでなく本体ごと交換することも視野に入れるべき
ここまでエコキュートのリモコンの故障について、さまざまな角度から解説しましたが、冒頭でも伝えたように大切なのは焦らず行動することです。
故障した場合でも、一旦自分を落ち着かせひとつひとつ考えられる症状を確認することを心がけましょう。