日々の快適な生活に欠かすことのできないエコキュートですが、そんなエコキュートが壊れてしまったら大変です。
ここでは、注意したい不具合や、修理までの流れ、修理に掛かる費用や期間などを詳しくご紹介します。
エコキュートの故障かな?と思った時はぜひ参考にしてみてください。
Contents
エコキュートの耐用年数はどれくらい?
エコキュートの耐用年数は一般的に10~15年と言われています。
さらに詳しく見ると、お湯を沸かすシステムである「ヒートポンプユニット」は5~15年、作ったお湯をストックしておく「貯湯タンク」は10~15年が一般的な寿命とされています。
設置から数年の内に深刻なトラブルが発生するケースは少なく、対象となるパーツを交換するだけで不具合を解消できることがほとんどです。
一方、耐用年数を過ぎると部品の劣化なども進み、部分的な修理では対応できないケースも増えてきます。
もちろん使用している環境やメンテナンスの仕方にもよりますが、使用開始から10年前後経過するとさまざまな不具合のリスクが高まってくると考えておきましょう。
エコキュートの故障の種類とは
エコキュートの故障には次の3種類があります。
初期故障
設置後1~2年の内に起きる故障です。
ほとんどの場合は初期不良や設置工事のミスが原因で引き起こることが多いです。
大半はメーカーの無料補償で修理が可能です。
偶発故障
設置後3~8年目頃に起きる故障です。
この期間は比較的故障が起きにくい時期ですが、偶発的に故障が発生するリスクはあります。
メーカーの延長補償に加入している場合は無料で修理が可能ですが、そうでない場合の修理費用は自己負担となります。
摩耗故障
設置後9~15年目頃に起きる故障です。
この時期になるとエコキュート自体の耐用年数が限界に近づき、部品の摩耗による不具合が起きやすくなります。
延長補償の期間も切れていることが多く、修理より買い替えを検討した方が良いケースも増えてきます。
こんな不具合が出たら故障? 注意したい症状とは
以下のような不具合が出たら、故障のサインかもしれません。
トラブルにいち早く気づくための注意するべき症状をご紹介します。
お湯が出て来ない
お湯が出て来ない時に一番考えられるのは「湯切れ」です。
エコキュートは電気料金の安い深夜帯にお湯を沸かし、作ったお湯を貯湯タンクにストックしておく仕組みになっています。
しかし、お湯をたくさん使うなどして貯湯タンクが空になってしまうと、お湯が出て来ない「湯切れ」の事態に陥ってしまうのです。
また、温度調整基盤の経年劣化や故障、温度検知器の不具合が原因となっている場合もあります。
エラーの内容によってはリモコン操作で解決できることもあるので、まずは表示されているエラーコードを確認するようにしましょう。
浴槽のお湯が止まらない
まずは水位の設定がきちんと行われているかをチェックしてください。
設定が行われているのに浴槽のお湯が止まらない場合、浴槽内の循環口が詰まっている可能性があります。
循環口をチェックし、入浴剤や垢などの汚れが詰まっていたら綺麗に掃除をして、もう一度お湯を張ってみましょう。
それでも解消しない場合は、循環口周辺や水位モニターの不具合が原因として考えられます。
お湯の温度が不安定
お湯の温度が不安定な時は、一か所だけの不具合なのか、それともすべての蛇口で同じ症状が見られるのかを確認しましょう。
一か所だけの不具合の場合は混合水栓の故障が考えらえます。
設定温度を高めにしてみても解消しなければ混合水栓の取り換えが必要です。
一方、すべての蛇口で同じ症状が見られる場合は、エコキュートの故障が考えられます。
特に設置から9年以上が経過している場合は、経年劣化による部品の不具合などが原因でトラブルが生じている可能性があります。
シャワーの水圧が弱い
エコキュートは、エコジョーズのようなガス給湯器に比べると、水圧が弱いという特徴があります。
しかし、いつもに比べて異常にお湯の勢いが弱い場合は何らかのトラブルが生じている可能性を考えなくてはなりません。
シャワーの水圧は弱いが蛇口からは普通にお湯が出るという時は、シャワーヘッドの目詰まりやホースの劣化などが考えられます。
また、複数の場所で同時にお湯を使っている場合や、貯湯タンクの残量が減っている場合も、一時的に水圧が弱まります。
これらの条件に当てはまらないのにいつまでも水圧が戻らない時は、エコキュートが故障している可能性がありますので、エラー表示などが出ていないかを確認しましょう。
本体から水やお湯が漏れている
朝だけエコキュートの周りが濡れていて日中は乾いている場合は、ヒートポンプからの結露水が原因です。
エコキュートは空気中の熱をヒートポンプに取り込んでお湯を沸かします。
その際に冷やされた空気が排出され、それが原因で結露が生じてしまうのです。
結露水自体は問題ないので、特に対応する必要はありません。
一方、一日中周囲が濡れている場合は、エコキュート本体から水やお湯が漏れている可能性があります。
ヒートポンプと貯湯タンクを接合している配管や部品が劣化することで、水漏れ・お湯漏れが生じてしまうのです。
この場合、常に水が漏れている状態なので、月々の水道料金が普段に比べて不自然に高くなります。
エコキュートの周囲が濡れているのに加えて、水やお湯を特別使ったわけでもないのに水道料金が高いという時は、上記のようなトラブルを疑ってみてください。
エコキュートの修理にかかる費用の相場は?
万が一エコキュート本体が故障してしまった場合、修理にはどれくらいの費用がかかるのかを故障原因別にご紹介します。
故障個所によって費用は異なる
エコキュートの修理に必要となる費用は、故障個所によって異なります。
配管が原因の場合
配管のひび割れやパッキンの経年劣化などが原因の場合、単純に一部分を交換するだけであれば、修理にかかる費用は1万円前後~と比較的安価に済むケースが多いです。
ただし、配管を全面的に取り替えなければならない場合などは、それに応じて費用も高くなってしまいます。
貯湯タンクが原因の場合
貯湯タンクはエコキュートにとって、作ったお湯を貯めるための、とても大切なパーツです。
貯湯タンクが故障してしまうといくらお湯を沸かしてもそれを貯めておくことができず、すぐに湯切れしたり、お湯を使えなくなったりしてしまいます。
貯湯タンクはその他のパーツと比べると故障頻度は高くありませんが、使用する環境や経年劣化、自然災害などにより損傷を受けるリスクはゼロではありません。
ひとたび貯湯タンクが故障すると、修理・交換には30万円前後の費用が掛かります。
ヒートポンプユニットが原因の場合
エコキュートの心臓部とも呼べるパーツがヒートポンプユニットです。
ヒートポンプユニットは大気中の熱を取り込み、それをエネルギーにしてお湯を沸かす装置です。
ヒートポンプユニットが故障すると、お湯を沸かすこと自体が出来なくなってしまいます。
実は、エコキュートのパーツの中でも故障の頻度が高いのが、このヒートポンプユニットです。
ヒートポンプユニットにはエコキュートを動かすための回路や部品が集まっており、そのいずれかに不具合が生じることで、さまざまなトラブルが引き起こされます。
ヒートポンプユニットのどの部分が故障したかでも異なりますが、一般的には10~15万円前後の費用が必要です。
修理より交換を勧められるケースもある
貯湯タンクの損傷やヒートポンプユニットの故障など、修理にかなりの費用が掛かってしまうケースでは、修理より交換を勧められる場合もあります。
特に設置からある程度の年数が経っている場合は、修理をしてもまた別の箇所に不具合が生じる恐れがあるため、思い切って交換した方が結果的に安く済む可能性があるからです。
エコキュートを修理する際の流れと工事にかかる期間は?
エコキュートが故障してしまった場合の、修理を依頼するまでの流れと工事にかかる期間は以下の通りです。
万が一の際に慌てないように、日頃から流れを把握しておくと安心です。
「メーカー」「給湯器販売業者・工事業者」のいずれかに依頼
エコキュートの修理はメーカー・給湯器販売業者・工事業者のいずれかに依頼するのが一般的です。
それぞれのメリット・デメリットは以下の通りです。
メーカーに依頼する場合のメリットとデメリット
エコキュートの主なメーカーはパナソニック・三菱電機・ダイキン・コロナ・日立・東芝の6社です。
一般的にはこの6社の内の、いずれかの製品を使っていることが多いと考えられます。
メーカーに修理を依頼するメリットとしては、製造元ならではの安心感が得られる・対応がスムーズ・保証が効くなどの点が挙げられます。
ただし、保証に関しては保証期間内であることが条件となります。
一方、デメリットとしては、機器の交換などが必要になった場合の割引率が低い・施工業者を選ぶことができないなどの点が挙げられます。
特に、故障を機にメーカーを変えたいと思っている方は、給湯販売業者や工事業者に修理の相談をした方が良いでしょう。
給湯器販売業者・工事業者に依頼する場合のメリット・デメリット
次に、給湯器販売業者や工事業者に修理を依頼する場合のメリットとデメリットです。
まずメリットとしては、さまざまなメーカー製品の中から好きなものを選べる・割引率が高い・アフターサービスや保証内容が充実しているといった点が挙げられます。
給湯器販売業者や工事業者は色々なメーカーの製品を取り扱っているので、複数のメーカーを比較検討する際にはとても頼りになります。
また、市場競争の激しい業界なので、同じ製品であってもメーカーで購入するより安く手に入れられたり、修理後のアフターサービスや保証などが充実していたりするのもポイントです。
次にデメリットとしては、自分で業者を探す必要がある・信頼のできない業者に当たるリスクがあるなどの点が挙げられます。
特に、信頼のできない業者に当たってしまった場合、不当に高い料金を請求されたり、いい加減な工事をされてしまったりする恐れもあるので注意が必要です。
工事期間は状況によって異なる
気になる工事期間は、故障の程度やその他の状況によって異なります。
簡単な部品の交換だけであれば数時間~半日程度で修理は完了します。
しかし、パーツの交換を行ったり、必要なパーツの在庫がなかったりすると、再びお湯が使えるようになるまで数日~一週間程度かかるケースもあります。
エコキュートの故障を保証するサービスはある?
ほとんどのメーカーでは、故障時の修理費用や交換費用を保証するサービスを提供しています。
基本的に、購入から1~5年前後を保証期間としているメーカーが多く、その期間の故障であれば、無料で修理や交換をしてもらえるケースも珍しくありません。
エコキュートが故障した時は、まずはその故障が保証の対象内かを確認しておきましょう。
設置からどのくらいの期間で故障するかは、使用する環境や方法にもよるため一概には言えません。
ですが、将来的に何らかのトラブルが生じる可能性を考えると、どんな保証が付いているのかは事前にチェックしておいた方が安心です。
エコキュートの修理に火災保険は使える?
エコキュートは「建物の一部」とみなされるため、故障の原因によっては火災保険の対象に含まれるケースがあります。
例えば、落雷・台風・洪水といった自然災害による故障や、誤ってボールなどを当ててしまったことによる故障などは、原因となる事象を証明できれば火災保険を適用できる可能性もゼロではありません。
ただし、風災・水災・破損・汚損といったものは、従来の保険ではカバーされておらず、特約をつけることで初めて補償されるケースが多いため、契約内容によっては保険が適用されないことも十分に考えられます。
適用条件などは保険証書に記載されているので、事前にチェックしておくと良いでしょう。
エコキュートを長持ちさせるためのポイント
エコキュートの耐用年数は一般的に10~15年とされていますが、使い方に気をつければ長持ちさせることは可能です。
ここではエコキュートを長持ちさせるためのポイントをご紹介します。
周囲に物を置かない
エコキュートの周囲、特にヒートポンプユニットの吐出口・吸込口付近には、できるだけ物を置かないようにしましょう。
吐出口や吸込口の近くに物を置くと稼働効率が低下して、通常よりも電気を消費することになり、結果として機械の劣化を早めてしまう恐れがあります。
エコキュートの周囲はできるだけ物のない状態にしておくことをおすすめします。
また、冬に雪が降る地域では積雪にも注意が必要です。
小まめに雪かきをするなどして、吐出口や吸込口を塞がないようにしましょう。
環境に合った機種を選ぶ
環境に合った機種を選ぶことも、早期の故障を防ぐためには大切なポイントです。
エアコンなどと同様に、エコキュートも寒冷地用・耐塩害仕様・井戸水対応・地下水対応・温泉水対応など、使用する環境に応じてさまざまなタイプの機種が販売されています。
特に、井戸水対応・地下水対応・温泉水対応のエコキュートはあまり知られていませんが、こういった水を引いている地域で通常仕様の機種を使うと、配管詰まりなどのトラブルを引き起こす恐れがあります。
あらかじめメーカーや業者に相談するなどして、環境に最適な機種を選択するようにしましょう。
定期的にメンテナンスをする
どんな機械もそうであるように、エコキュートも定期的にメンテナンスをすることで、より長期間快適に使用することができます。
メンテナンスといっても難しいことではなく、循環口の掃除などを行うだけでも、故障を未然に予防する効果があります。
毎月第一日曜日にメンテナンスをするなど、あらかじめ日付を決めておくのもおすすめです。
メーカー推奨の入浴剤を使う
お風呂タイムにはお気に入りの入浴剤を使ってリラックスしたいという方も多いかと思いますが、入浴剤の種類によっては配管の劣化を早めてしまうリスクがあるので注意が必要です。
中でも、とろみがあるもの・白濁色のもの・固形物入りのもの・発砲成分入りのものなどはNGとなっている機種が多いので、事前に必ず確認をし、入浴剤を使う際はメーカー推奨のものを利用するようにしましょう。
まとめ
以上、エコキュートの注意したい不具合や修理に掛かる費用、修理までの流れなどをご紹介しました。
毎日の生活に欠かすことのできないものだからこそ、トラブルが起きた場合はできるだけスムーズに、そして短期間に解決したいですよね。
エコキュートの不具合でお困りの方はもちろんのこと、今は問題のない方やこれから購入予定の方も、いざという時に慌ててしまわないために、こちらでご紹介した内容を参考にしていただければと思います。