東芝エコキュートのリモコンに見慣れないエラーコードが表示されたら、どう対処したら良いでしょうか。
自分で対応できるのでしょうか。
エラーコードの中には、自分で対処できるものもあります。
しかし専門の知識や技術がないと対処できないエラー内容を示すエラーコードも少なくありません。エラーコードを正しく判断し、適切な対応をとることが大切です。
そこでこの記事では、東芝エコキュートのエラーコード別に対処方法をご紹介します。
東芝エコキュートを使っているなら、万が一のエラーが発生する前にぜひ知っておきたい情報です。
Contents
東芝エコキュートが故障した時の対処法
東芝エコキュートにエラーが発生した時は、リモコンに表示されているエラー内容を確認してください。
エラーコード別に対処法がありますから、まずは自分でできる範囲で対処しましょう。
しかし自分で対処してもエラーが改善しない場合や、一時的に復旧しても何度も同じエラーが発生することがあります。
この場合は東芝エコキュートの型番を控えてから、購入からの経過年数によって、次のいずれかの対処をとってください。
- 購入から10年以内:東芝電気給湯器ご相談センターもしくは東芝エコキュートの販売店
- 購入から10年以上経過:東芝エコキュートの版売店もしくは、東芝エコキュートの修理に特化した業者
東芝エコキュートの通常の保証期間は5年ですが、任意で最長10年まで保証期間を延ばすことができます。
そのため購入から10年以内であれば、破損した部品の修理交換も比較的容易です。
しかし10年をはるかに超えている場合、メーカーでも旧式の型の部品を確保できない可能性があります。
部品の取り寄せに大幅な時間がかかるほか、場合によっては部品を入手できず修理できないといった場合もあるでしょう。
東芝エコキュートに特化して修理対応している給湯器業者であれば、部品を保管している可能性もあります。
東芝エコキュートの型番を手元に置いて、修理可能か否か確認してください。
お電話の際はお客様のご利用になられています東芝電気給湯機の製品型番をご確認してからお電話ください。
製品型番については取扱説明書、保証書、製品本体定格銘板(下記参照)をご確認ください。
引用元:東芝キャリア株式会社
東芝エコキュートのエラーコードが表示される場所
東芝エコキュートのエラーコードはリモコンに表示されます。
リモコンは浴室内とキッチンの2ヶ所に設置されています。
エラーコードはいずれのリモコンにも同じ内容が表示されるので、どちらからもエラー内容の確認および解除が可能です。
ただしエラー内容を確認するなら、キッチンのリモコンを確認してください。
エラー内容に対する解除の方法が、文章で表示されています。
解除作業の内容を確認するために取扱説明書を開くのは煩雑で時間がかかるでしょう。
東芝エコキュートでエラーが発生したら、キッチンのリモコンで解除方法をご確認ください。
東芝エコキュートのエラーコード別の解除方法
東芝エコキュートのリモコンにアルファベットのU、E、H、HUと数字を組みわせたコードが表示されている場合、なんらかの故障が発生しています。
一部のエラーコードには自分で対処することも可能ですが、大部分はプロによる修理が必要なため、表示内容をしっかり確認してください。
Uから始まるコードの一部は自分で対処できる故障の場合があります。
しかしそれ以外のエラーコードの場合は、すぐにエコキュートの修理ができる業者に依頼すべきでしょう。
ここでは自分で対応できる具体的なエラーコードの事例と、対応する際の対処法をご説明します。
エラーコード | 原因 | 解除法 |
---|---|---|
U:20 | お風呂の循環が正しく行われていない | 浴槽の栓がされていることを確認湯量の設定内容を確認浴槽循環金具フィルターの清掃 |
U:22 | お湯がなくなった | 沸き増しして湯を増やす |
U:23 | 節水湯張りを3回以上続けて使用した | 残り湯を全て捨てて湯を張り直す |
U:25 | お湯の水位が浴槽循環金具より低い | 浴槽の栓をはめ直す |
U:27 | 湯張り中にタンクに給水できなかった | 給水止栓が閉まっていないか確認配管の凍結や断水の可能性を調べる |
エラーコードU:20
エラーコードU:20は、お風呂の湯が循環する過程のいずれかに異常が発生していることを意味します。
考えられる可能性は次の3つです。
- 浴槽の栓がしっかりはまっていない、もしくは抜けている
- 湯張りの設定に誤りがある
- 浴室循環金具のフィルターが汚れている
浴槽の栓がしっかりはまっていないもしくは抜けている
東芝エコキュートは、熱交換器を利用して追い焚きや保温を実現しています。
熱交換器とは、タンクの熱湯から発生した熱をためておく機械です。
浴槽のお湯を一旦循環させて取り込み、熱交換器の熱をお湯に移して浴槽に戻しています。
しかし浴槽の栓がはまっていない状態で行うと、循環させるために取り込む湯が足りなくなるため、循環エラーとしてU:20の表示がでることがあります。
湯張りの設定に誤りがある
東芝エコキュートでは、湯張りする湯量は少なくとも浴槽循環金具より高い位置に設定されていなければなりません。
しかし誤って浴槽循環金具より低い位置に湯張り位置が設定されている場合、お湯の循環が十分にできずエラーになります。
なお浴槽循環金具とは、エコキュート本体と浴槽内にお湯を循環させる金具です。
浴槽内の側面にあり、丸い網状の金具がついています。
浴室循環器具のフィルターが汚れている
浴槽循環金具についている網状の金具がフィルターです。
お湯の中の汚れやゴミを濾過する役割をしているため、定期的に掃除をする必要があります。
この金具が汚れている場合、お湯がスムーズに通らないことで湯温が十分に上がらないといったエラーの原因になります。
浴室循環金具のフィルターは、汚れやすい箇所です。
1週間に1回を目安に、目詰まりを取り除くよう掃除してください。
エラーコードU:22
使えるお湯がなくなったことを示すのがエラーコードU:22です。
エコキュートは、夜間の電力が安い時間帯にまとめてタンクに熱湯を沸かして保管し、そのお湯を水でぬるめながら使用する仕組みです。
タンクの熱湯には上限があります。
リモコンで残湯量が確認できるので、チェックしてください。
湯量が十分にない場合は、タンクにお湯をためて沸き増しさせなければなりません。
沸かすお湯の量によって、1時間前後かかり、この間はお湯を使うことはできません。
なんらかの事情でその日だけ使用するお湯の量が増えたのであればやむを得ないでしょう。
しかしエラーコードU:22のエラーが続くようであれば、エコキュートの機能を十分に活用できず、電気代の負担も増えてしまいます。
対応策としては夜間に沸かす湯量を増やすほか、日中にお湯が足りなくなる事態に備えた自動沸き増し機能を使用することも検討しましょう。
エラーコードU:23
浴槽の残り湯を再利用できる節水湯はり機能が、東芝エコキュートには搭載されています。
銀イオンを利用して配管を洗浄するため、衛生的にお湯を活用しながら節約や環境負荷の軽減を実現する便利な機能です。
しかし節水湯はり機能を使用する目安は1回までです。
2回以上使用すると、においやぬめりが気になることがあります。
安全な使用を促すために、3回以上続けて節水湯はり機能を使用した場合、アラートとしてエラーコードU:23が表示される仕組みです。
この場合は残り湯を一旦すべて流してから、改めて湯はりを行うことでエラーは解消します。
取扱説明書23ページに記載有り。
引用元:お客様サポート/取扱説明書ダウンロード−東芝キャリア
エラーコードU:25
自動保温機能で浴槽の湯温を保つ際のお湯の水位は、浴槽循環金具より高い位置でなければなりません。
東芝エコキュートの自動保温機能は浴槽循環金具によって浴槽の湯を循環させ、熱交換器で湯を温めて湯温を維持しています。
そのため浴槽循環金具よりお湯の水位が低い場合、機械の性能と安全性を維持するためにエラーコードU:25によってアラートします。
お湯が減ってしまう原因の多くは、誤って浴槽の栓が抜けた場合もしくは、ずれて緩んだ場合です。
浴槽の栓を戻してからお知らせコードを解除すれば、そのまま使用できます。
エラーコードU:27
エラーコードU:27は、湯はりする際にタンクに給水できなかったことを示しています。
長期間不在にする、タンクの掃除をする、また断水といった理由で止水栓を閉めたままにしていませんか。止水栓を開いて、タンクに給水できるようにしてください。
ただし寒冷地の場合、配管が凍結している可能性も考えられます。
この場合は念のため専門の修理業者に依頼して、破損や故障箇所がないか確認してもらってください。
エコキュートが凍結した場合の対象法や予防方法については、以下の記事でも詳しく解説していますので、合わせてご確認ください。
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プロに修理を依頼する必要があるエラーコード
東芝エコキュートのエラーコードの中には、自分では解除できないため速やかに専門業者に修理依頼すべきものが多数あります。
E、H、HUから始まるエラーコードが表示されている場合は、東芝エコキュートの型番とエラーコードを控えて、エラーの状況とともに修理業者に伝えてください。
なおUから始まるエラーコードのうちU:20、U:27は、自分で対応できることもあるとして先述しました。
しかし自分で対処してもエラーが解消しない場合は、内部に故障が発生している可能性があります。
この場合は、業者に修理点検を依頼してください。
エラーコード | 原因 | 解除方法 |
---|---|---|
E:9 | リモコンと貯湯タンク側の通信が10分以上途絶えた | リモコン自体の修理リモコンケーブルや電源線の確認 |
E:10 | 古いリモコンを設置した | 設置機種に適合したリモコンへの交換 |
E:11 | 湯を沸かす機械(ヒートポンプユニット)の配管不良 | 配管の設置し直し |
E:14 | 機器の設置ミス | 湯を貯めるタンク(貯湯ユニット)とヒートポンプユニットの型番を同じものに変更 |
E:18 | 貯湯ユニットとヒートポンプユニットの通信が30分以上途絶えた | 機器内部も配線や配電盤の以上の修理交換が必要 |
H:1H:3 | お湯が流れないもしくはお湯の流れが検知できない | 止水栓の閉止や断水、配管凍結の確認給水口のゴミ詰まり等お湯が流れない原因の確認と解消 |
H:2 | 水位センサーの異常 | 配管の詰まりを確認浴槽循環金具が適正な型番であるか確認 |
HU:8HU:9HU:bHU:FA | ヒートポンプユニットの異常 | ヒートポンプユニットのエアを抜くポンプの詰まりや異常がないか確認 |
HU:27 | 電源電圧が100V | 電源電圧の供給をAC200Vにする |
東芝エコキュートのエラー表示を解除する方法
自分でエラー内容に対処できた場合は、エラーコードの表示を解除する必要があります。
キッチンと浴室内、どちらのリモコンでも操作方法は同じです。
止めるボタンを3秒間長押ししてください。
ただしエラーの内容が解消する前にエラー表示を解除してはいけません。
万が一エラーが解除されなかった場合に、業者にエラー内容を伝えることができなくなります。
東芝エコキュートでエラーを回避する方法
エコキュートは毎日使用する消耗品です。
使用につれて内部の部品が老朽化し、故障することは避けられません。
しかし東芝のエコキュートには、最長で10年の保証期間があります。
日々のケアによってエラーを極力発生させずに長く使用することも可能です。
そこでこまめに行いたい東芝のエコキュートのお手入れ方法について、具体的にご紹介します。
浴槽のお手入れ
浴槽には皮脂や角質といった皮膚から発生する老廃物のほか、石鹸カス、ホコリ、水垢、空気中のススといったさまざまな物質が蓄積します。
また浴槽の素材によっては入浴剤の成分が付着して汚れとして残留することもあります。
中性洗剤を使って、日々の掃除で浴槽の汚れをしっかり落としましょう。
浴槽に残留した汚れは徐々に湯船の湯に溶け出し、配管や貯水タンクを傷める原因にもなります。
清潔な状態を保つことが、エコキュートを長く安全に使う秘訣です。
銀イオンの湯を使用している場合のお手入れ方法
銀イオンの湯による節水湯はり機能を搭載しているエコキュートの場合は、別途清掃が必要です。
銀イオンの湯には除菌防臭効果があるため、残り湯も衛生的に使用できます。
しかし銀イオン成分が浴槽に付着して沈着すると、黒ずみ汚れの原因になります。
定期的に中性洗剤で浴槽を掃除した後、浴槽内を乾拭きしたら、塩素系のカビ取り洗剤を浴室内部に満遍なく吹き付けて5分程度放置した後、よく洗い流します。
この時浴槽を擦すらずに洗い流すだけに留めてください。
浴槽循環器具のお手入れ
エラーコードが表示される原因にもなる浴槽循環金具の汚れは、週に1回の掃除を欠かさないことで回避できます。
フィルターを取り外して、目詰まりがないような状態に清掃してください。
この時、掃除後のフィルターを設置し忘れないことや、フィルターの向きを誤って取り付けないように注意しましょう。
浴槽循環器具に不備があるまま使用すると、故障の原因になります。
貯湯ユニットのお手入れ
貯湯ユニットは沸かした熱湯を貯蔵する機器です。
給水口の部品は定期的に、お湯を貯めるタンクは年に2〜3回の清掃を行ってください。
なお貯湯周りの清掃は難易度が高く、誤って作業すると危険なこともあります。
取扱説明書をよく読んで作業するとともに、不安があれば業者に依頼するのもよいでしょう。
給水口の部品のお手入れ
お湯の出が悪くなったら、給水口の部品をお手入れするタイミングです。
貯湯ユニットの給水口にはストレーナーと呼ばれるフィルターが設置されています。
ストレーナーにゴミが詰まることでお湯の出が悪くなったり、故障の原因になるため、定期的に取り外して清掃してください。
お手入れする際は給水止水栓を必ず閉じ、漏電遮断機を切り、逃がし弁レバーを上げてから行います。
また再設置する際も、確実にネジを締め上げるよう注意する必要があります。
不備があると水漏れを起こすほか、お湯が飛び散ることもあり危険です。
タンク内のお手入れ
貯湯タンク内には水垢などの汚れが沈殿しています。
きれいなお湯を使うために、また機器の故障を回避するためにも、年に数回はタンクのお手入れを実施してください。
給水止水栓を閉じて漏電遮断機を切り、逃がし弁レバーを上げたら、排水栓を開きます。
およそ2分ほどで水がきれいになるのを確認したら、排水栓を止めます。
排水が止まり、給水止水栓を開き、排水トラップにお湯が出てくるのを確認したら、逃がし弁レバーと漏電遮断機を元に戻してください。
定期的な点検
東芝エコキュートは精密機械を多数搭載しているため、定期的な機器の点検が必要です。
漏電遮断機や逃がし弁の動作確認は年に2〜3回必要です。
また日頃から貯湯ユニットからの水漏れがないか確認しておくとよいでしょう。
寒冷地域で東芝エコキュートを使用している場合は、冬になる前に凍結防止ヒーターの電源を入れて、凍結による故障を未然に防ぐことも大切です。
まとめ
東芝エコキュートは、節約と省エネを両立しながらオール電化住宅の給湯設備を支える便利な機器です。
しかし毎日使用するものですから、部品や機器の老朽化のほかにも、エラーが発生する可能性もあるでしょう。
エコキュートに問題が発生した際は、まずキッチンに設置したリモコンの表示を確認してください。
どのように対処すればよいか、エラーコードとともにエラー解除の方法も表示されています。
しかしエラーが発生した場合、自分では対処できないものも多数あります。
自分で対応できないエラーコードであった場合は、型番とエラーコードを控えて、すぐに専門の修理業者に修理依頼してください。