エコキュートにすると水圧が弱くなるって本当?

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エコキュートにすると水圧が弱くなるって本当?

この記事の監修者

富澤 貴弘

群馬県内の電気工事会社に7年間勤め、27歳で独立、TomiDen株式会社設立。 現在は10名のスタッフと共に、WEBマーケティングやご紹介等により獲得した、 BtoB ,BtoCの電気工事関連の業務を数多く担っております。 長い現場生活の中で培った「職人の技術」と「豊富な知識」から、 ご家庭やより多くのお客様に電気工事や家電に関する知識やノウハウをお届け出来ればと思い、 第1種電気工事士として、本ブログサイトにて執筆中。

エコキュートにすると水圧が弱くなるって本当?

エコキュートにすると水圧が弱くなるという情報は、導入を検討している際によく耳にします。

水圧についてはいろいろな意見がありますが、結論を先にお伝えするとエコキュートにすると水圧が弱くなるのは事実です。

詳しくは後述しますが、エコキュートの仕組み上、ガス給湯器などの従来の給湯器と比べると水圧が低くなってしまうのです。

最近では高圧力で給湯できるタイプのエコキュートも出ているので、水圧で悩む方は少なくなっていますが、一部では水圧が弱いことを気にされる方がいるのも事実です。

そこで、今回の記事では、エコキュートにすると水圧が弱くなる理由を説明しながら、

少しでもエコキュートの圧力を改善する手段をお伝えします。

理屈をしっかり理解し、失敗しないエコキュート選びの参考にしていただけると幸いです。

エコキュートの水圧が弱くなる理由

それでは、まずエコキュートの水圧が弱くなる理由について解説します。

冒頭でも申し上げた通り、エコキュートは構造的な問題で水圧が弱くなってしまいます。

ただ、一概にエコキュートだけに原因があるわけではないので、エコキュート以外にも想定しうる原因についても触れていきます。

エコキュートの構造的な問題

エコキュートは、従来のガス給湯器のように、使う度にお湯を沸かす瞬間式ではなく、タンクにお湯を貯めておく、いわゆる貯湯式と呼ばれる構造となっており、この貯湯式というスタイルがエコキュートの水圧を弱くしている原因です。

通常、従来のような瞬間式であれば使用する度にお湯を沸かしているので、水道水の水圧を生かしたままお湯を沸かすことができます。

しかし、貯湯式は減圧弁という装置で一度水圧を落としてしまうので、水道水の水圧を保つことができず、結果として弱い水圧でお湯が流れてくるのです。

ちなみに、水道水の水圧は平均で500kpaほどあり、従来の瞬間式の給湯器はほぼこのままの水圧を保ってお湯を供給することができます。

一方、エコキュートのような貯湯式の場合、水圧が約170〜180kpaなので、およそ水道水の3分の1程まで弱くなります。

そのため、今までガス給湯器を使用してた人が、エコキュートを使用すると水圧のギャップに違和感を感じるため、エコキュートの水圧は弱いという声が多くなるのです。

ただし、貯湯式はお湯を貯めておくスタイルなので災害時にタンクに残ったお湯を使用できるといったメリットも多くあります。

水圧が弱い=貯湯式にするのはデメリットと決めつけるのではなく、いろんな角度から検証するようにしましょう。

エコキュート以外の要因

上記ではエコキュートの構造的な部分で水圧が弱くなる理由を解説しましたが、実は水圧が弱くなる原因はエコキュートが原因でない場合もあります。

なので、ここではエコキュート以外で水圧が弱くなる原因を紹介するので、自身の環境と照らし合わせながらチェックしてみてください。

シャワーヘッドが壊れている可能性もあり

まず、水圧が弱くなる原因として、シャワーヘッドが故障している可能性が考えられます。

シャワーヘッドは小さく細い穴がヘッド部分にたくさん空いていますが、長年使っていると穴の部分に汚れが詰まって故障しているケースも考えられます。

もし、最近お湯の出が悪くなったと感じたら、まずシャワーヘッドのメンテナンスか買い替えを検討してみると良いでしょう。

住んでいる地域や建物の水圧が低い

シャワーだけなく、水道やトイレなどの水圧が弱い場合は、そもそも住んでいる地域や建物の仕組みの問題で水圧が弱い可能性があります。

住んでいる地域の水圧が弱いとガス給湯器を使用しても水圧は弱くなります。

ただ、自分の住んでいる地域や建物の水圧が弱いと知っている方はそこまで多くないので、ガス給湯器からエコキュートに交換したことがきっかけで、水圧が弱くなった原因だと誤解する方も多いようです。

住宅環境に原因がある場合は、改善するのは難しいですが、どうしても悩むようでしたら地域の水道局に相談してみるのも一つの手段でしょう。

水道管から水漏れが発生している

エコキュートに水を供給している水道管に亀裂が入っていると、そこから水漏れしてしまいます。

水漏れすると、漏れている分水の勢いがなくなるので、結果として水圧が弱くなります。

そのような場合は、自分で解決するのではなく業者に依頼して修理、もしくは水道管の交換をしてもらいましょう。

また、家の中でもトイレや台所など特定の場所だけ水圧が弱いような場合も、水漏れしている可能性があるのであわせて確認してみてください。

止水栓が閉まりかかっている

止水栓は、水の出る量を調整する栓なので、シャワーの混合水洗についている止水栓が閉まりかかっていると、水圧が弱くなる可能性があります。

基本的に日常生活で止水栓を調整することはありませんが、水道業者や修理業者が出入りした際に、止水栓を閉めたままにして戻すのを忘れる場合が考えられます。

もし、水圧が弱くなったタイミングが点検や修理の直後であれば、止水栓の閉め忘れである可能性が高いので、状況を確認してみましょう。

ちなみに、混合水洗の止水栓はお湯側と水側で2箇所ついています。

マイナスドライバーでネジを回せば調整が可能なので、シャワーヘッドからお湯を出しながら調整すると良いでしょう。

ただし、止水栓を開放しすぎると、ウォーターハンマー現象(※)が発生する可能性があるので、調整する際は注意してください。

つまり、流れている水の勢いが強いと、その分水道管にかかる圧力も高くなるので、思わぬところで水道管に負担をかけることになります。

水道の圧力は強ければ良い、というわけではないので、止水栓の開けすぎにはくれぐれも注意しましょう。

(※)ウォーターハンマー現象とは、水を止めることで先端に流れている水が分離したことで水同士がぶつかり合い、その衝撃で水道管に圧力をかける現象を指します。

水圧が弱いと発生するデメリット

水圧が弱いと発生するデメリット

エコキュートの水圧が弱いと発生するデメリットは、ずばりシャワーの勢いが弱くなることです。

特にガス給湯器からエコキュートに交換すると、その水圧の弱さから違いを感じる方もいらっしゃいます。

実際、シャワーの圧力が弱くなると体の汚れは落とせているのかと不安になる場合もあるようです。

エコキュートの水圧は致命的な問題であるか?

最近では、高圧力で給湯できるエコキュートが増えてきたので、エコキュートの水圧の弱さが気になる、と感じる方は減少している傾向にあります。

実際、ガス給湯器より水圧は弱くなるものの、通常利用には支障の無い範囲ではあるので、気にならなければ特に問題はありません。

しかし、前述したように水圧が弱いと体の汚れを落とした気がしない、風呂掃除する際に不便だと感じる方もいらっしゃるようです。

なので、エコキュートの水圧が弱いことが致命的かどうかは、個人差によると言えます。

もし、エコキュートを検討している段階で水圧が気がかりであれば、後述する手段を実践してみることをおすすめします。

エコキュートの水圧を改善する手段

エコキュートの水圧を改善する手段

それでは、エコキュートの水圧を極力強くして使う手段について解説します。

以下で解説する内容は、これから購入を検討している方と、すでにエコキュートを使用している方とで実施する項目が異なります。

自分の状況と照らし合わせながら、参考にしてみてください。

高圧力タイプのエコキュートを購入する

これからエコキュートの購入を検討をするなら、高圧力給湯タイプを選ぶのを検討すると良いでしょう。

なぜなら、エコキュートの水圧は気にならないけど弱くなったことを実感できるという方が多いからです。

できるだけ快適に使うためにも、エコキュートは高圧力給湯タイプにした方が無難と言えるでしょう。

また、最近では高圧力タイプが標準になっている傾向が強いです。

業者が後々トラブルになることを防ぐため、あらかじめ高圧力タイプをお勧めするケースが増えていると考えられます。

メーカーによって機能の名称など異なる部分もあるので、購入を検討する際は各メーカーの機能について情報収集しておきましょう。※おすすめの高圧力給湯器については後述します。

エコキュートの給湯温度を高めに設定する

エコキュートの水圧が弱く、シャワーが勢いよく使えなくて困っている場合は、エコキュートの給湯温度を上げる方法があります。

無論、エコキュートの温度を高くするだけではシャワーの勢いは強くなりません。

エコキュートの給湯温度を高めに設定し、そこに混合水栓の水、つまり圧力が加わった水道水を足すことで、給湯温度が適温にしながらシャワーの勢いを強くすることができます。

つまり、給湯温度を高く設定する目的は、水を足すことでお湯が冷たくならないようにする目的があります。

例えば、エコキュートの42~43度くらいに設定をしておき、シャワー使う際に混合水栓の水を足すと、おおむね適温となって水道水の水圧も加わるので快適に使用することができるのです。

ただし、給湯温度を高めに設定していると、水道水と中和するまでに時間がかかるので、小さいお子様がいる場合は火傷をする恐れもあります。

また、温度を高く設定している分、ランニングコストが上がってしまうので、エコキュートの元々の水圧が気にならなければ使用をおすすめしません。

シャワーヘッドを低圧用に差し替える

シャワーヘッドには、水圧が低い環境でも使える低圧用のシャワーヘッドがあります。

低圧用シャワーヘッドは安いものだと1,000円台、高い場合だと10,000円台の品物もあるので、用途を確認して自分に合ったものを購入するようにしましょう。

低圧用シャワーヘッドを使用する際の注意点

低圧用シャワーヘッドは、ヘッドの直径を小さくし、噴出口(シャワーヘッドの穴)の数を少なくすることで、水圧を高くする仕組みです。

そのため、水の拡散が悪くなって泡などを落とすのに時間がかかるので、結果的に使い勝手が悪くなる可能性もあります。

また、低圧用シャワーヘッドに変えたとしても、必ずしも水圧が改善されるわけではないので、導入する際はよく検討した方が良いでしょう。

高圧力タイプでおすすめのエコキュート

高圧力タイプでおすすめのエコキュート

それでは、高圧力タイプでおすすめのエコキュートについて解説します。

各メーカーで名称も違えば内容も異なるので、メーカーごとの違いを認識しておきましょう。

日立 水道直圧給湯型「ナイアガラ出湯」

通常のエコキュートは冒頭でも説明した通り、お湯をタンクに貯めておく貯湯式なので、水道水の圧力を減圧する方式を採用しています。

それに対して、日立のナイアガラ出湯は水道直圧給湯方式を採用しており約500kPaの圧力で給湯できるので、従来のガス給湯器と同じくらいの圧力で使用可能です。

水道直圧給湯方式は減圧弁の前に直圧給湯配管を設け、シャワーに給湯するお湯に水道水を合流させることによって、水道水と同等の圧力を持ったお湯を給湯できます。

実際、ナイアガラ出湯の圧力は標準のエコキュートの約3倍と大きな差が生まれます。

標準のエコキュートよりも強い圧力で給湯するため、例えば台所と風呂場とで同じタイミングでお湯を使用していたとしても、シャワーの勢いを落とすことなく使うことができます。

また、日立のエコキュートには「ナイアガラタフネス」という名称が似た製品がありますが、ナイアガラタフネスは硬度(カルシウム)の高い水道水、もしくは井戸水にも対応しているタイプです。

そのため、住宅環境に特殊な事情がない限りは、ナイアガラ出湯タイプで検討すると良いでしょう。

日立のエコキュートは、給湯方式だけでなく、お湯を冷まさないようにするウレタンくフォームの貯湯タンクや、腐食に強いステンレス配管などユーザーにとって使いやすい機能が揃っているのでおすすめです。

なお、日立のエコキュートの型番は「BHP」で始まるので、他のメーカーと区別しておきましょう。

ダイキン「パワフル高圧」

ダイキンのパワフル高圧は、約320kPaの圧力で給湯できるので、標準型エコキュートの2倍近い圧力でシャワーを使用できます。

ダイキンのパワフル高圧は、台所とお風呂など2カ所同時使用が可能なので、家族の人数が多いファミリー世帯でも対応可能です。

その他、配管洗浄や設定温度機能など、基本的な機能が充実しているのでダイキンは使いやすいメーカーと言えるでしょう。

なお、ダイキンのエコキュートの型番は「EQ」で始まるので、他メーカーと区別しておきましょう。

三菱 「ハイパワー給湯」

三菱のハイパワー給湯は、約290kPaの圧力で給湯できるので、標準型エコキュートの約1.6倍の圧力でシャワーを使用できます。

三菱のエコキュートは、バブルおそうじなどの機能も充実しているので、多くの家庭で使われています。

なお、三菱のエコキュートの型番は「SRT」で始まるので、他メーカーと区別しておきましょう。

パナソニック「パワフル高圧給湯」

パナソニックのパワフル高圧給湯は、約280kPaの圧力で給湯できるので、標準型エコキュートの約1.6倍の圧力でシャワーを使用できます。

パナソニックのエコキュートは、パナソニック独自のエコナビ機能が搭載されているので、節電に特に関心のある方にはおすすめです。

なお、パナソニックのエコキュートの型番は「HE」で始まるので、他メーカーと区別しておきましょう。

高圧力タイプエコキュートを使用するデメリット

高圧力タイプのエコキュートは、水圧が強くなり、快適にシャワーを使うことができるので、最近では標準タイプとして選ばれることも多いですが、少なからずデメリットもあります。

高圧力タイプのエコキュートのデメリットは、ずばり月々の水道代金が高くなることです。

高圧力タイプの原理として、圧力を高くする分お湯が多く出るようになります。

そのため、メーカーごとで数値は異なりますが、高圧タイプのお湯の量は標準タイプと比べて約1.2~1.5倍程度になります。

エコキュートを買い替える手順

エコキュートを買い替える手順

ここでは、エコキュートを買い替える手順について解説します。

エコキュートはやみくもに依頼するのではなく、正しい手順を踏むことができればお得に購入できる確率も高まります。

自分でも下調べを入念に行う

エコキュートは専門性が高い製品なので、基本的には業者任せになりやすいです。

もちろん、業者任せでもエコキュートを買い替えることはできますが、世の中には悪徳業者も少なからず存在するので、自分でも下調べして知識を蓄えておきましょう。

業者任せにしていたら不良品を買わされた、いい加減な工事で余計な費用が発生した、といったトラブルケースもあるので、極力自分でも知識を入れておきましょう。

複数業者に現場調査を依頼する

エコキュートを買い替える際には、極力複数業者に現場調査を依頼し、相見積りするようにしましょう。

なぜなら、一つの業者に偏ると、狭い視野で判断するしかないので、本当にお得なのか判断しづらくなります。

また、複数業者と現場で打ち合わせをすれば、どの業者が親切に対応してくれるか比較検討することもできます。

よって、複数業者に現場調査を依頼すると得られるメリットが多いので、3社くらいを目安に依頼すると良いでしょう。

※お湯が使えなくなった場合など、緊急の場合などは除きます。

水圧を含め現状の悩みを業者に相談する

業者に現場調査してもらうメリットの一つとして、現状の悩みを相談できるといったことがあります。

今回解説した水圧の悩みを含めて、現状の悩みを相談すると、優良な業者なら自分にあったエコキュートを提案してくれます。

相見積りして最終的によかった業者を選択する

金額・対応・保証内容など、相見積りをした結果、自分に一番あった業者に依頼しましょう。

ポイントは金額に偏ることなく、総合的に判断することです。

エコキュートは設置後も修理やメンテナンスなどで業者とやりとりする可能性があります。

設置後のアフターフォローのことも想定して、総合的に信頼できる業者を選ぶようにしましょう。

エコキュートを交換する費用の目安

エコキュートを導入する場合の費用は、既にエコキュートを使用している場合で40~50万円、新規で設置する場合はプラス5万円程度を見ておくと良いでしょう。

お得にエコキュートを交換する方法は、上記手順を参考にしてみてください。

エコキュートは初期費用はガス給湯器よりも高くなりますが、ランニングコストが安くなるので、結果としてお得に利用できるのでおすすめです。

【合わせて読みたい記事】

エコキュートの交換で掛かる費用相場とは?

まとめ

  • エコキュートにすると水圧が弱くなるが、気になるかは個人差によるところが大きい
  • 自宅のシャワーの圧力が弱いのはエコキュート以外にも原因が考えられる
  • エコキュートの水圧を強くするなら高圧力給湯タイプ、特に日立のエコキュートがおすすめ

前述でお伝えしたように、エコキュートの水圧が弱くて気になるかは個人差があります。

直近では改善傾向にありますが、後悔しないためにも今のうちから対策しておくことをおすすめします。

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