どれだけ安く見積もっても数十万円の費用が掛かるエコキュートの交換。
高額なものだからこそ、失敗のない選択をしたいですよね。
ここでは、エコキュートの交換に掛かる費用の相場をはじめ、基本的な仕組みやメリット・デメリット、交換のタイミング、エコキュートの選び方などを詳しくご紹介します。
エコキュートの交換を検討されている方はぜひ参考にしてみてください。
Contents
「エコキュート」とは
エコキュートは2001年に日本で初めて製品化された電気給湯器です。
正式名称は「自然冷媒ヒートポンプ給湯器」といい、従来のガス給湯器や電気温水器に比べて光熱費を削減できる省エネ性能や、国からの補助金制度などによって急速に普及しました。
エコキュートの特徴
エコキュートには主に2つの特徴があります。
ヒートポンプ式で効率的にお湯を沸かす
1つ目の特徴は「ヒートポンプ式」です。
エコキュートにはヒートポンプというシステムが搭載されています。
ヒートポンプは大気中の熱を取り込み、その熱を使ってお湯を作ります。
熱を取り込む際に使用する自然冷媒はもともと自然界にある物質なので、毒性や可燃性がなく、安全に高温のお湯を沸き上げることが可能です。
沸かしたお湯を貯めておく
2つ目の特徴は「貯湯タンク式」です。
エコキュートは電気料金の安い深夜帯にお湯を作っています。
沸かしたお湯は貯湯タンクにストックされます。
貯湯タンクは魔法瓶のような構造になっており、貯めたお湯を保温しています。
タンクの内部は上部がお湯、下部が水、中間が混合層の3層構造になっており、家の中でお湯を使うとタンク内に水が供給されて、押し上げられたお湯が上部から給湯される仕組みになっています。
エコキュートのメリット
エコキュートにはさまざまなメリットがあります。
以下に、主なメリットについてご紹介します。
環境に優しい
エコキュートは大気中の熱を取り込んで自然冷媒に吸着させ、それを圧縮することで生まれた熱を利用してお湯を作っています。
お湯を作る過程で二酸化炭素を発生させないため、環境に優しくエコな給湯器と言えるでしょう。
光熱費が削減できる
従来の温水器に比べて光熱費が削減できる点も、エコキュートのメリットです。
エコキュートは深夜にお湯を作り貯湯タンクに貯めておくので、日中にお湯を沸き上げるよりも電気料金を安く抑えることができます。
また、給湯器の性能を表す数値・年間給湯効率(APF)は、電気温水器が1.0程度であるのに対して、エコキュートは3.0以上と高い効率です。
このことからも、エコキュートがいかに効率的にお湯を作ることができるのかが分かります。
耐用年数が長い
エコキュートの耐用年数は10~15年程度とされています。
競合するガス給湯器の耐用年数が8~10年程度であることを考えると、エコキュートは耐用年数が長い給湯器です。
もちろん、使用する環境や使い方によっては、耐用年数より早く故障するケースもありますが、一般的には他の給湯器に比べて、エコキュートは長持ちしやすいと言えるでしょう。
安全性が高い
エコキュートは、お湯を作る際に可燃性の燃料を使わないので、不完全燃焼などを引き起こすリスクがありません。
そのため、安全に使用することができます。
災害時に貯湯タンクのお湯(水)を使える
貯湯タンクに貯めてあるお湯(水)は、災害時にトイレやお風呂用として使うことができます。
貯湯タンクには非常用取水栓が取り付けられており、断水の際にはそこからバケツなどにタンク内のお湯(水)を取り出すことが可能です。
ただし、そのまま飲用に使うことができないので注意が必要です。
飲用や調理に使う場合は、必ず煮沸消毒を行ってから利用するようにしてください。
エコキュートを交換するタイミングはいつ?
エコキュートを交換するタイミングとしては、次のようなものが挙げられます。
故障や不具合が生じた時
1つ目は故障や不具合が生じた時です。
程度によってはパーツの交換だけで済むケースもあるため一概には言えませんが、修理に数十万円の費用が掛かってしまう場合は、交換も視野に入れた方が良いでしょう。
保証期間が切れた時
2つ目は保証期間が切れた時です。
一般的にエコキュートの保証期間は1~2年です。
さらに、メーカーによっては有料の延長保証として、最長10年まで保証期間を延ばすことができます。
保証期間内であれば、無料で修理ができたり修理費用の一部を補填してもらえたりしますが、期間が切れてしまうと全額自己負担となってしまいます。
故障した箇所や内容によっても異なりますが、10万円以上の費用が掛かってしまうケースもあるため、場合によっては修理ではなく交換した方がお得です。
耐用年数が過ぎた時
3つ目は耐用年数が過ぎた時です。
エコキュートの一般的な耐用年数は10~15年です。
耐用年数を過ぎると部品などが劣化して故障しやすくなります。
せっかく修理をしても、すぐにまた別の不具合が出てきてしまう……というケースも珍しくありません。
また、メーカーが部品を保存している期間は大体10年前後なので、耐用年数を過ぎたエコキュートを修理したくても、メーカーに部品がないという事態も考えられます。
そのような理由から、耐用年数が過ぎたエコキュートに関しては、修理よりも交換を検討しましょう。
エコキュートの交換で掛かる費用の相場
エコキュートの交換で掛かる費用の相場を、シチュエーション別にご紹介します。
古いエコキュートを新しいものに交換する場合
古いエコキュートを新しいものに交換する場合は、30万円~50万円の費用が必要です。
内訳としては、取り替え工事費として10~15万円、エコキュート本体費用として20~35万円ほど掛かります。
古いエコキュートを新しいものに交換する場合の工事内容
古いエコキュートを新しいものに交換する場合は、以下のような工事が必要です。
- 古いエコキュートの撤去
- 新しいエコキュートの設置
- 古いエコキュートの運搬、処分
- 新しいエコキュートの電気工事
電気温水器からエコキュートに交換する場合
電気温水器からエコキュートに交換する場合は、30万円~55万円の費用が必要です。
内訳としては、取り替え工事費として10~15万円、エコキュート本体費用として20~35万円、電力会社申請費用として2~4万円ほど掛かります。
※電力会社申請費用:電力会社への設置や契約変更手続きにかかる費用のこと
電気温水器からエコキュートに交換する場合の工事内容
電気温水器からエコキュートに交換する場合は、以下のような工事が必要です。
- 電気温水器の撤去
- 新しいエコキュートの設置
- エコキュート用の配管工事
- 電気温水器の運搬、処分
- エコキュート用の電気工事
電気工事では、分電盤の交換が必要になる場合もあります。
ガス給湯器からエコキュートに交換する場合
ガス給湯器からエコキュートに交換する場合は、30万円~60万円の費用が必要です。
内訳としては、取り替え工事費として10~20万円、エコキュート本体費用として20~35万円、電力会社申請費用として2~4万円ほど掛かります。
ガス給湯器からエコキュートに交換する場合の工事内容
ガス給湯器からエコキュートに交換する場合は、以下のような工事が必要です。
- ガス給湯器の撤去
- 新しいエコキュートの設置
- エコキュート用の配管工事
- ガス給湯器の運搬、処分
- エコキュート用の電気工事
電気工事では、分電盤の交換や幹張替えが必要になる場合もあります。
エコキュートの交換にかかる期間
エコキュートの交換にかかる期間は以下の通りです。
通常は最短で5営業日程度必要
基本的に、エコキュートを取り扱っている業者の多くは在庫を持っていません。
なぜならば、エコキュートにはさまざまな種類があり、どの機種が必要になるかはその時になってみないと分からない場合が多いからです。
通常は注文が入った後にメーカーから取り寄せるため、問い合わせから交換まで最短で5営業日程度必要となります。
条件によっては即日工事ができる場合も
前述の通り、大半の業者は在庫を持っていませんが、まれに在庫を抱えている業者も存在します。
その場合は、即日工事ができる場合もあります。
ただし、業者が抱えている機種の中から選ぶことになるので選択の幅は狭まります。
また、工事費に即日対応の特別料金を上乗せされたり、一括での支払いを求められたりするケースもあります。
そうした事態を避けたいのであれば、できるだけスケジュールに余裕を持たせた購入計画を立てるようにしましょう。
設置工事にかかる時間
エコキュートの設置工事は、特別なトラブルなどがなければ4時間~半日程度で終了します。
ただし、工事が完了すればすぐにお湯が使えるというわけではなく、お湯を沸き上げるまでに4~5時間程度かかります。
午前中に工事が終わっていれば、夕方にはお湯が使えるようになるので、その日の内にお風呂に入ることも可能です。
工事の日程を決める際には、一日のタイムスケジュールを考慮した上で、業者と相談するようにしましょう。
エコキュートの本体価格はどれくらい?
エコキュートの本体価格は機種によって異なります。
基本的に貯湯タンクの容量が大きなものほど価格も高額です。
以下に、エコキュートの一般的なメーカー価格(希望小売価格)と、実際の販売店舗での価格をご紹介しますので、参考にしてみてください。
メーカー価格(希望小売価格)
容量 | 価格 |
---|---|
550L | 951,500円(税込) |
460L | 968,000円(税込) |
370L(薄型) | 880,000円(税込) |
300L | 847,000円(税込) |
180L | 672,100円(税込) |
430L(薄型) | 1,034,000円(税込) |
販売店舗価格(流通価格)
容量 | 価格 |
---|---|
370L | 171,600円(税込)~ |
460L | 192,207円(税込)~ |
550L | 192,789円(税込)~ |
300L | 176,769円(税込)~ |
180L | 141,400円(税込)~ |
370L(薄型) | 188,800円(税込)~ |
430L(薄型) | 205,290円(税込)~ |
なお、上記の販売価格は三菱電機エコキュートAシリーズを基準にしたものです。
また、販売価格は都度変動する可能性があります。
エコキュートの交換費用を抑えるためのポイント
エコキュートの交換には30~60万円程度の費用が掛かります。
あらかじめ準備をしておければ良いのですが、ある日突然故障するケースも少なくないため、急な出費に困ってしまう方も多いかと思います。
エコキュートの交換費用を抑えるためのポイントとして、必要な機能を押さえた上で機種選びを行うという点が挙げられます。
エコキュートには「フルオートタイプ」「オートタイプ」「給湯タイプ」の3種類があり、フルオートタイプと給湯タイプでは本体価格に10万円以上の差があります。
また、オートタイプからフルオートタイプに交換する場合や、小型の貯湯タンクを大型の貯湯タンクに交換する場合は追加工事が必要になり、さらに費用が掛かってしまう場合もあります。
こうした点をしっかりと踏まえた上で機種選びを行えば、交換費用をできるだけ抑えることも可能です。
エコキュートを交換する際に気をつけるポイントとは
エコキュートを交換したいけれど、どの機種を選べば良いのか分からないという方もいらっしゃると思います。
そこで、エコキュートを交換する際に気をつけるポイントをご紹介します。
貯湯タンク容量の選び方
最適な容量はどれくらい?
現在もエコキュートを使用しており、日常生活の中で湯切れなどの不具合が生じていないのであれば、新しいエコキュートも同じ容量で問題ありません。
頻繁に湯切れを起こすなどの不具合があれば、現在のものよりも容量の大きな機種に交換をおすすめします。
ガス給湯器や電気温水器からエコキュートに交換する場合は、ライフスタイルや家族構成から、一日あたりどの程度のお湯が必要かを考えてみる必要があります。
貯湯タンクの容量は家族構成で選ぼう
エコキュートは沸かしたお湯を貯湯タンクに貯めておき、キッチンやお風呂のお湯として使う仕組みになっています。
そのため、貯湯タンクが空になってしまうと、一時的にお湯が使えない「湯切れ」の状態に陥ってしまいます。
湯切れを起こすと再びお湯を沸き上げなければならなくなり、光熱費がかさむ・時間がかかるなどの不都合が生じます。
そうならないためにも、貯湯タンクの容量はライフスタイルや家族構成に応じて選ぶ必要があります。
平均的な4人家族であれば、貯湯タンクの容量は460Lのものが良いでしょう。
これだけの容量があれば、来客などでお湯を多めに使う場合でも湯切れのリスクはほとんどありません。
メーカーの選び方
エコキュートを製造しているメーカーは、いずれも日本を代表するような一流企業ばかりですので、基本的にはどのメーカーを選んでも問題はありません。
独自の機能や価格などを比較してみて、自分が一番気に入るものを選ぶようにすると良いでしょう。
どのメーカーを選べば良いか決められない場合は、販売店に相談をすれば、おすすめの機種などを提示してもらえます。
給湯方式の選び方
エコキュートには3種類の給湯方式があります。
フルオート
最も一般的なタイプが「フルオート」です。
フルオートタイプのエコキュートでは、湯沸かし・保温・たし湯といった動作をすべて自動で行うことができます。
あらかじめお湯の温度と量を指定しておけば、浴槽にお湯を張ったり、その後も温度と量を自動で調整してくれたりするのでとても便利です。
オート
オートタイプのエコキュートは湯沸かし・保温は自動で行いますが、たし湯は対応外なので、浴槽のお湯が足りない場合は自分で足す必要があります。
フルオートタイプの機種よりも価格が安いので、家族の人数が少ない方やたし湯機能が不要な方にはおすすめです。
給湯専用
給湯専用タイプのエコキュートは、湯沸かしのみのシンプル機能が特徴です。
浴槽にお湯を張る時は自分で蛇口を捻ってお湯を出します。
設定した量までお湯が貯まるとメロディで知らせてくれるので、蛇口の操作が面倒でなければこのタイプでもそれほど不都合はありません。
機能がシンプルな分、フルオートタイプやオートタイプのエコキュートより価格は安くなっています。
業者の選び方
エコキュートを長く安全に使用するためには、業者選びも大切なポイントです。
エコキュートの交換は、家電量販店・電気店・リフォーム業者などに依頼をして行うケースがほとんどです。
安く済ませたい場合は地元の電気店に依頼をするのがおすすめですが、料金の安さばかりに気を取られて業者選びを誤ると、思わぬトラブルに巻き込まれるリスクもあります。
業者選びの際には「対応が丁寧で細かな疑問にも答えてくれる」「担当者が信頼できる」「複数の業者に相見積もりを取る」などの点を押さえておくと安心です。
どれか一つでも不安要素のある業者は避けた方が賢明でしょう。
また、エコキュートの訪問販売を受けた経験のある方もおられるかと思いますが、基本的に飛び込み営業の業者には依頼しない方が安全です。
すべての業者がそうであるとは言いませんが、中には当初の提示金額に法外な追加費用を上乗せしてくる悪徳業者も存在します。
場合によっては詐欺被害に遭う可能性もゼロではないため、エコキュートを交換する場合は、身元のしっかりとした業者を選ぶようにしましょう。
エコキュートは水圧が弱いってホント?
エコキュートへの交換を検討する際に、水圧の弱さを気にされる方は少なくありません。
確かに、一般的なエコキュートは、水道から直接お湯を出すガス給湯器に比べると、貯湯タンクを経由する分水圧は弱くなってしまいます。
水圧の弱さが気になる場合は、以下のような対策を講じることで解決することができます。
水圧の強さを求めるなら「水道直圧式」
ガス給湯器と同程度の水圧の強さを求めるなら、「水道直圧式」のエコキュートを選ぶと良いでしょう。
日立のエコキュートは水道直圧式を採用しているので、水圧の強さを重視する方におすすめです。
水圧の強いシャワーヘッドを使う
日立以外のメーカーのエコキュートを購入する場合は、低圧用シャワーヘッドに交換することで水圧を強めることができます。
低圧用シャワーヘッドでは、穴の大きさを小さくしたり、穴の数を少なくしたりすることで、通常よりも水圧を強めています。
ただし、水(お湯)があまり拡散しなくなるというデメリットもあります。
エコキュートの騒音問題について
「エコキュートを設置したいけれど、騒音問題が気になる」という方もいらっしゃるかと思います。
そこで、エコキュートが騒音問題の原因になる理由やトラブルを防ぐための対策などをご紹介します。
エコキュートが発する音はエアコンの室外機以下
エコキュートが発する音は40db程度です。
これは、静かな住宅地の日中の騒音値とほぼ変わりなく、音としては至って普通の大きさです。
ちなみに、エアコンの室外機は50db~60db程度と言われています。
これと比べても、エコキュートの騒音がそれほど大きなものではないということがお分かりいただけるかと思います。
ただし、エコキュートは深夜帯にお湯の沸き上げを行うため、周囲に音が響きやすいという特徴があります。
エコキュートの騒音問題を考える上で、その点は考慮しておかなければならない点です。
騒音の原因はヒートポンプユニット
エコキュートの騒音の原因は、ヒートポンプユニットです。
沸き上げを行う際、ヒートポンプユニットからは12.5Hz程度の低周波音が発せられます。
本来、人間の耳は12.5Hzの低周波音を聞き取ることは出来ません。
しかし、音としては聞こえなくても、体がそれを感じ取るケースはあります。
実際にエコキュートの騒音を巡るトラブルでも、「低周波音によって体調を崩した」「不眠症になった」といった訴えが多くを占めています。
エコキュートの騒音を抑える方法とは
近隣からエコキュートの騒音について苦情があった場合、「大きな音ではないから」と突っぱねたり放置したりしていると、訴訟問題に発展するケースもあります。
そんな事態に陥らないためにも、騒音を抑える方法を把握しておきましょう。
設置場所を考慮する
エコキュートを設置する際は、寝室の近くは避けるようにしましょう。
この時、自分の家だけでなく、隣家の間取りも考慮することが大切です。
エコキュートは深夜帯に稼働することが多いため、寝室の近くに設置すると騒音トラブルの原因になりかねません。
隣家の間取りが不明な場合はあらかじめ相談をするなど、事前の対策をおすすめします。
防音シートや防音ゴムを使う
エコキュートの設置場所が変えられない場合や、自宅の周囲を隣家に取り囲まれている場合は、ヒートポンプユニットに防音シートを貼ったり、ヒートポンプユニットの下に防音ゴムを敷いたりする対策も効果的です。
防音壁を設ける
エコキュートの周囲にはできるだけ物を置かないことが原則ですが、適切な距離を取った上であれば防音壁を設ける対策も有効です。
この際、簡易的な壁では逆に音が反射して騒音が酷くなってしまう恐れもあるため、必ず騒音対策用の防音壁を用いるようにしましょう。
ただし、防音壁だけでは十分な効果を得にくいため、防音シート・防音ゴムと併用することをおすすめします。
環境に合わせたエコキュートを選ぼう
エコキュートを長持ちさせるためには、環境に合わせた性能を持つ機種を選ぶことが大切です。
それぞれの特性を知った上で、使用する環境にとって最適なエコキュートを選ぶようにしましょう。
エコキュートにはさまざまな種類がある
エコキュートには大きく分けて「一般地向け」「寒冷地向け」「塩害地向け」の3種類があります。それぞれの特徴は以下の通りです。
一般地向け
年間の最低気温が-10℃までの地域向け
寒冷地向け
年間の最低気温が-25℃までの地域向け
塩害地向け
海から300m~1km以内の、潮風の影響を受けやすい地域向け
なお、海から300m以内の地域には「重塩害地向け」が推奨されます
塩害地向け・重塩害地向けのエコキュートは基本的に受注生産となるので、一般地向けや寒冷地向けに比べて設置までに時間がかかります。
メーカーによっても異なりますが、注文から設置完了までに2~3か月かかるケースもあるため、余裕をもたせたスケジュールが必要です。
また、寒冷地向けに塩害地向け・重塩害地向け性能を追加する場合も同じくらいの日数を必要としますのでご注意ください。
エコキュートの保証について
エコキュートには、購入時に自動的についてくる「無料保証」と、有料の「延長保証」の2種類があります。
故障や不具合が生じて修理が必要になった場合、保証期間内であれば修理費用が無料になる・費用の一部が補填されるなどの恩恵に預かれます。
万が一の事態に備えるためにも、保証の期間や内容については、普段からしっかりチェックしておきましょう。
無料保証期間は平均で1~2年
エコキュート本体の無料保証期間は、ほとんどのメーカーが1~2年です。
また、貯湯タンクの無料保証期間は5年、ヒートポンプユニットの冷媒回路の無料保証期間は3年が一般的です。
有料延長保証は最長で10年
有料延長保証とは、有料で保証期間を延長できるサービスです。
エコキュートの購入時に販売店などで申し込むことができます。
有料延長保証には5年延長・8年延長・10年延長の3種類があり、無料保証期間が切れてしまっても、有料延長保証期間であればさまざまなサービスが受けられます。
ちなみに、延長保証の期間は無料保証の期間を含めたものです。
たとえば5年延長の場合は、無料保証の1年に有料延長の4年を加えた合計の期間となります。
アフターサービスの有無も確認しよう
設置後の定期的なメンテナンスなど、便利なアフターサービスを提供している業者も少なくありません。
その一方で、設置後のフォローを一切してくれない業者も存在します。
「故障や不具合が生じた時、どこに相談すればいいのか分からない」などという事態に陥らないためにも、エコキュート自体の保証だけでなく、業者によるアフターサービスの有無を確認しておくと安心です。
まとめ
エコキュートの交換には、少なく見積もっても30万円以上の費用が掛かります。
また、騒音対策を行ったり、水圧を強くするためにシャワーヘッドを交換したりと、さらなるコストが上乗せされるケースもあります。
決して安くはない費用がかかるからこそ、あらかじめ相場を把握し、しっかりとした計画を立てることが大切です。
こちらにご紹介した内容を参考に、自分の家にとって最適なエコキュートはどれなのか、ぜひ検討してみてください。