エコキュートは電気代やガス代が大幅に節約できてお得な上に、環境にもやさしい電気給湯器です。
忙しい毎日だからこそ、便利さも節約も諦めたくない。
節約上手な方から環境への意識の高い方まで、広く使われているエコキュート。
そんなエコキュートでよく聞かれるお困りごとの筆頭が、エコキュートがお湯切れしてしまうということです。
ではエコキュートは、どんな時にお湯切れするのか。
そしてどうしたら予防できるのかについても分かりやすく解説します。
Contents
エコキュートがお湯切れする5つの理由
エコキュートは、どんな時に何が理由でお湯切れするのでしょうか。
エコキュートは驚くほど高機能で、忙しい日常をしっかりサポートしてくれます。
ただ頼もしい存在であるだけに、急なお湯切れはとても困ります。
エコキュートお湯切れする理由には、主に以下の5つが挙げられます。
- いつもよりお湯の使用量が増えた時
- エコキュート導入の際に設置した貯湯タンクのサイズが適切ではない
- 冬季もしくは気温が低下する時期
- 常時保温設定をしている
- 配管から水漏れしている
この4つの理由のうち1番が原因の場合は、一時的なものですから対応も容易です。
しかし2〜5の理由が原因の場合は、中長期的にお湯切れが発生してしまう恐れがあります。
電気代の上昇といった事態にも繋がりかねません。
なぜお湯切れは発生の対応策をより理解しやすくするために、まずは大まかにエコキュートの仕組みを理解しておきましょう。
とにかく対応策を急ぎ知りたい方は、「エコキュートがお湯切れしないための対策8選」、まで読み進めてください。
エコキュートが給湯する基本的な仕組み
エコキュートは、大きく二つの部位から構成されています。
一つは、水を熱によって80〜90度の湯に変えるヒートポンプユニット。
もう一つは、熱湯になったお湯を溜めておくための貯湯ユニットです。
ヒートポンプは熱交換器を採用しています。
空気中の熱を集めて、その熱を利用して湯を沸かします。
非常に画期的で環境にもお財布にも優しいエコロジーなシステムですが、弱点もあります。
それはガスや灯油を燃焼させて熱を得る方法よりも、湯を沸かすのに時間がかかるという点です。
そのためエコキュートは、お湯の使用頻度が大幅に落ちることが予測され、かつ電気代が安いプランもある深夜帯に、1日に必要なお湯をまとめて沸かして貯蔵する仕組みを採用しています。
このまとめて沸かしたお湯を、水道水で温度調整しながら、1日かけて使うシステムです。
お風呂にお湯を張ったりシャワーを使うときは、貯湯ユニットのお湯に配管の水道水を混ぜて、設定温度まで調整したものを出しています。
そのため1日使用できるお湯の量に上限がある、という点は覚えておきましょう。
エコキュートが湯を沸かす仕組み
エコキュートは、夜間にまとめてお湯を沸かして貯湯ユニットに貯蔵します。
夜間の電気代が安いプランで電気の契約を結べば、さらにコストダウンできるのも魅力です。
エコキュートはタンクのサイズ選びが重要
例えばパナソニックのエコキュートの場合、タンクは以下の表のようにサイズ展開されています。
家族の人数目安 | タンク容量 |
2〜4人家族 | フルオート195リットル フルオート300リットル |
3〜5人家族 | 370リットル |
4〜7人家族 | 460リットル |
実際のタンク容量選択に際しては、お湯の使用量も考慮しなくてはなりません。
タンクが大きいほど初期設定のコストがかかります。
その反面、使用するお湯の量に対して小さすぎるタンクを設置すると、お湯切れの原因になる恐れがあるので慎重に選びましょう。
エコキュートには学習機能がある
エコキュートは、使っていくうちにあなた仕様に設定を自動的に選択してくれる、学習機能が搭載されています。
およそ1週間程度の利用で、毎日どのくらいの分量のお湯を使っているのか学んで、適切な分だけお湯を沸かせるようになる便利機能です。
家全体で使う水道や電気の使用量なら、使用量検針表で確認できるでしょう。
しかし、お湯として一体どれだけの分量を使っているのかを把握するのは、容易ではありません。
ところがエコキュートなら、自動的にお湯を使った実績から適切なお湯の量を算出します。
この学習機能のおかげで、お湯を沸かし過ぎることによる電気代の無駄を削減でき、より一層、経済的にお湯を使えるようになるのです。
忙しいあなたは、水道や電気の料金の心配から解放されて、もっと大切な要件に専念できます。
エコキュートの弱点
忙しい人の頼もしい味方であるエコキュートですが、便利さ故の弱点もあります。
この弱点を理解し、事前に回避することで、エコキュートの機能をフル活用するようにしましょう。
エコキュートはタンクのサイズ選びが重要
エコキュートは、夜間の電気代が安く、お湯の使用も少ない時間にお湯をまとめて沸かして貯蔵するシステムを採用しています。
タンクの容量を超えてお湯を貯めておくことはできません。
イレギュラーな用件で、急にお湯が足りなくなる場合は追い焚き機能もあります。
しかし頻繁に追い焚き機能を使うと、せっかく電気代を抑えてお湯を使えるエコキュートの利点が霞んでしまう恐れもあります。
そのためエコキュートを導入しタンクを設置する前に、ご自身の世帯人数やご家族が給湯設備をどのくらいの頻度で使用するのか、正確に算定してタンクを決定することが重要です。
毎日どのくらいのお湯を使っているのか把握するのか算定が難しい場合は、エコキュート導入業者などに相談してみるとよいでしょう。
エコキュートの学習機能はイレギュラーに弱い
エコキュートには学習機能があり、この学習機能のおかげで、使用する都度お湯を沸かす量の調整は不要なため、便利にお湯を使うことができます。
学習機能は、メーカーによって多少前後するものの、1週間〜2週間程度のお湯の使用状況から適切な湯量を算出され、無駄のない分量でお湯を作ります。
その反面、イレギュラーな事態に弱いという弱点は否めません。
例えば来客や気温の急な変化でお湯の使用量が変わった場合など、即座に対応できないことがあります。
あらかじめお湯の使用量が増えることがわかっている時は、お湯を沸かす量を事前に増やすよう設定を切り替えておくことが大切です。
また不測の事態で湯量が足りないときは、追い焚き機能を併用してお湯切れを乗り切りましょう。
エコキュートは保温や追い焚きのためにお湯を消費する
エコキュートは、タンクの中に沸かしたお湯を貯蔵し、1日かけて使う仕組みです。
そのため外気温の低い季節や、気温の低い地域では保温効率が下がり、お湯の量が実質減った状態になることがあります。
また、最新機種のエコキュートで搭載された追い焚き機能を使用する時も、タンク内のお湯の発する熱を使うため、追い焚き機能を使いすぎることでお湯が減ってしまうケースも考えられます。
エコキュートがお湯切れするとどうなるか
エコキュートがお湯切れした。
こんな時、タンクの中はどのような状態になっているのでしょうか。
お湯切れしている時のエコキュートのタンク内は、深夜のうちに沸かしておいた熱湯が完全になくなり、全て水になってしまった状態です。
今までの電気給湯器には、一旦お湯切れすると、翌日の深夜までお湯が使えないということがありました。
しかし最新の機能を搭載した電気給湯器であるエコキュートでは、その心配はありません。
ただし、かなり不便になる可能性は否めません。
エコキュートでお湯切れするとどんなことが起きるのでしょうか。
エコキュートがお湯切れすることで発生するデメリット
エコキュートがお湯切れすることで発生するデメリットは以下の2つです。
万が一の事態にも慌てないで済むように、あらかじめ確認しておきます。
エコキュートがお湯切れすると・・・お湯を沸かすのに時間がかかる
エコキュートで夜間に貯めておいたお湯を使い切ってしまっても、追い焚きすることでお湯を追加で使うことはできます。
ただし、エコキュートヒートポンプユニットには、ガス給湯器のような瞬間湯沸かし機能とはありません。
エコキュートは、お湯を沸かすのに時間がかかるため、次のお湯を使えるようになるまでに季節や湯温、沸かすお湯の量にもりますが、30〜40分程度は待たなくてはなりません。
従来の電気置水器では、一度お湯切れすると翌日までお湯が使えないというものもありました。
それに比べれば、エコキュートは追い焚き機能があるので非常に便利です。
イレギュラーはいつ何時、起こるかわからないものですから、万が一への備えという意味では、十分でしょう。
ただ、シャワーの途中でお湯切れするなどといった事態が起きると困ります。
お湯の使用量がいつもより多くなる時は、事前にお湯を沸かし増す設定に切り替えることが必要という点を覚えておきましょう。
エコキュートがお湯切れすると・・・電気代が余分にかかる
エコキュートがお湯切れすると、追加でお湯を沸かさなくてはなりません。
その分、別途電気代が発生します。
深夜帯の電気料金が安いプランを利用している場合、深夜帯以外の電気料金は割高に設定されていることもあります。
これではエコキュートのお得度が大幅に下がるでしょう。
1ヶ月のうちに何回もお湯切れを起こす場合、お湯の使用量に対してタンクのサイズがあっていない可能性も考えられます。
契約プランの見直しも視野に入れておくとよいでしょう。
エコキュートがお湯切れしないための対策8選
便利で家計にも優しい仕組みを搭載したエコキュートの強みをフル活用して、最もお得に利用するためには、お湯切れ対策を講じることが重要です。
お湯切れの頻度別に、対応策を確認していきます。
エコキュートが頻繁にお湯切れする時の対応策3選
あまりにも頻繁にエコキュートがお湯切れする場合、考えられる可能性は3つあります。
- お湯を使い過ぎている
- タンクの容量がライフスタイルにあっていない
- 配管から水漏れしている
それぞれについて、対応策を確認しましょう。
エコキュートのお湯切れ対策1:お湯の使い過ぎがないかチェック
入浴中シャワーのお湯を出しっぱなしにしていませんか。
家族がバラバラの時間帯にお風呂に入っていないでしょうか。
使っていない時のシャワーは止める。家族で続けて入浴を済ませる。
こういった小さな工夫で、お湯の使い過ぎを防ぐことができます。
無駄を省くことは、お湯切れを防いで快適に生活する、また電気代や水道代を節約して、より生活の質を向上させることにも繋がるでしょう。
エコキュートのお湯切れ対策2:タンクのサイズを見直す
エコキュートを導入した時より家族が増えたり、ライフスタイルが変わったりしたことで、お湯の使用量がタンクのサイズと合致しない可能性も考えられます。
毎日お湯切れして追い焚きし続けるより、今の暮らしに最適なタンクのサイズに見直す方が家計を圧迫しない可能性もあるでしょう。
エコキュートを導入した際の代理店に相談してみると、適切なアドバイスをもらえることもあります。
エコキュートのお湯切れ対策3:配管の水漏れを疑う
エコキュートは毎日使う消耗品です。
使用開始から7〜8年経過している場合、配管が劣化して水漏れを起こすこともあります。
使用頻度や気候等の条件によっては、もっと早く劣化する可能性もゼロではありません。
特にお湯の使用量が増えたわけでもないのに、ほぼ毎日お湯切れしている。
こんな場合は、配管からの水漏れが疑われます。
放置すれば電気代、水道代が無駄になるのみならず、より大きな事故の原因になることもあるため、エコキュートのメーカーや代理店、修理業者などに連絡して、故障がないかみてもらいましょう。
お湯の使用量が増えた時にエコキュートをお湯切れさせない対策5選
急な来客など以外にも、季節によってエコキュートがお湯切れしやすくなることはあまり知られていません。
頻度はあまり高くないものの、時折お湯切れする、という時の対応策を3つ紹介します。
エコキュートのお湯切れ対策4:季節による湯量の変化を把握する
暑い時期はシャワーだけでさっと済ませるものの、冬の時期は家族全員が湯船に浸かることで、お湯の使用量がグンと増えるでしょう。
このように、季節ごとにお湯の使用量が変わることを念頭に、エコキュートのタンクの大きさを選択すると、季節が変わった途端お湯切れするような事態を防ぐことができます。
エコキュートのお湯切れ対策5:「おまかせ」モードから「おおめ」モードに切り替える
あらかじめお湯の使用量が増えることがわかっているときは、「おまかせ」モードから「おおめ」モードに設定を変更しておきます。
「おまかせ」モードは、エコキュートに搭載された学習機能を元に、過去1週間のお湯の使用実績から算出された適量のお湯を沸かす機能です。
一方の「おおめ」モードは、いつも使っているお湯の量より多めにお湯を沸かす機能です。
いつもより少し多めにお湯を使いたい時には、「おおめ」モードにあらかじめ設定すると、お湯切れを防ぐことができます。
ただし、夜間にお湯を沸かし始める前に設定する必要があるので、設定変更を忘れないように注意してください。
エコキュートのお湯切れ対策6:「深夜のみ沸き上げ設定」を解除する
エコキュートは、基本的には夜間にお湯を沸かして溜めておく仕組みを採用しています。
ただ日中でもお湯が足りなくなりそうなときは、自動で追加の湯沸かしをすることも可能です。
ただ、夜間に沸かしたお湯の量で十分足りるときは「深夜のみ沸き上げ設定」にすることで、電気代を節約できます。
一つ注意しなくてはならないのは、「深夜のみ沸き上げ設定」していると、自動で追加の湯沸かしがされない点でしょう。
今日は急遽お湯が足りなくなりそうだ、と気付いた段階で「深夜のみ沸き上げ設定」を解除しておけば、お湯切れを防止することができます。
しかし、日中は電気代が割高です。
経済性を重視するなら、不要なときは「深夜のみ沸き上げ設定」にしておくと安心です。
エコキュートのお湯切れ対策7:夜間に沸かすお湯の温度設定を高くする
エコキュートは、沸かして溜めておいたネットに水を混ぜて、設定された温度の湯に調整したお湯を蛇口から排出する仕組みをとっています。
そのため沸かして貯蔵しておくお湯の温度が高ければ、少量のお湯に大量の水を混ぜることになるため、お湯の使用量を抑えられます。
エコキュートのお湯切れ対策8:追い焚き機能を使わない
最近主流のフルオートタイプのエコキュートには、追い焚き機能が搭載されています。
これは、緩くなった浴槽の中のお湯を循環させ、タンク内の熱を使ってお湯を温め直す仕組みです。
お湯を捨てて新しく入れ直す必要がなく節水効果が高いので、便利で人気のある仕組みです。
しかしその反面、タンクの中の熱を大量に使用するため、タンク内のお湯の減りは早くなります。
何度も追い焚き機能を使うと、その分だけタンク内のお湯が減り、お湯切れにつながることもあるでしょう。
冬場など、お湯がすぐに緩くなってしまう時期は、追い焚き機能ではなく高温足し湯機能を使うと、お湯の使用量を抑えることができます。
まとめ
いつでもお湯がリーズナブルな値段で使えて、とても便利なエコキュート。
家事の負担を減らしながらお財布にも優しく、忙しい人の強い味方です。
使う人に合わせて学習した設定に自動的に切り替わる賢さも大きな魅力のエコキュートですが、季節の変化や急な来客といったイレギュラーには対応しきれないことも。
エコキュートの特性や設定による機能の違いを知って、より便利に活用しましょう。